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先生は二度目の報告をしようとしてます。

 ゴブリンキャスターを密閉して多分、1時間ほどが経ったのでクリエイトマッドで作った壁を土に戻し、ゴブリンキャスターの状態を確認した。


「うわっ酷いなこれは・・・全身が焼け爛れてるな。」


 カイルの言うとおり、ファイヤーランスを無理やり転移させた結果、内側と外側が上手に焼けました状態になっていて酷い臭いが立ち込めている。

 まるで腐った肉を焼いたような臭いだ。


「焼けすぎて原型を留めて無いな。カイル、ゴブリンキャンサーの討伐確認部位って何処だ?」


「んーちょっと待ってくれ、今調べる。チェック。」


 今、カイルがやっているのはギルドカードの機能の一つで対象の魔物にかざしてチェックと唱えると対象の魔物の討伐確認部位を調べる事の出来る便利な機能だ。


「トオル、分かったぞ。ゴブリンキャスターの討伐確認部位は持ち物の杖に付いてる丸い水晶だ。」


 水晶・・・溶けてるんじゃないか?一応残っている可能性も捨てがたいので辺りを見渡すとキラリと光る物が視界の端に映った。


「あった。カイル、これじゃないか?」


 俺は手にしていた水晶玉をカイルにブン投げた。


「おまっ!馬鹿じゃねーの!討伐確認部位の水晶を投げるなよ!割れたらアウトなんだぞ!」


 メッチャ怒られた・・・まさか本当に残ってると思わなくて少しテンションが上がっていたみたいだな。

 反省しないと・・・反省終了。

 討伐確認部位も手に入ったしとっとと帰るか。


「結局、今日回収した討伐確認部位はボブゴブリンのツノ234本、ゴブリンキャスターの水晶1個で合ってるな?」


「あぁ、合ってるはずだ。この部屋に居たボブゴブリンの半分以上はゴブリンキャスターと融合して原型が無くなったからどうしようも無いしな。」 


 少し勿体無い気もするが昨日と合わせて、ボブゴブリンのツノ262本、ゴブリンエンペラーの王冠、ゴブリンキャスターの水晶玉だ。

 かなりの量だな・・・ボブゴブリンってゴブリンの上位種なのに居過ぎだろ!

 俺達が殲滅してなかったらこの量のゴブリン達が村を襲っていたって事だろ・・・考えたくは無いな。確実に村が滅ぶだろ。


「トオル、辺りを確認したがもう此処にはゴブリンキャスターの死体以外は無いみたいだ。」


「なら、帰って村長さんに依頼完了の報告するぞ。」


「よし、トオル頼む。」


「転移。」


 村に戻った俺達は真っ直ぐ村長さんの家に向かった。

 決して汚いモノ(焼け爛れたゴブリンの死体)を見たから目の保養にターニャさんを見たいとかじゃないぞ。違うからな。


トントン


「村長さん居ますか?トオルとカイルです、帰って来ました。」


「はぁーい、今開けます。」


 ターニャさんの綺麗な声がした。

 はぁ・・・癒されるな。


「二人ともお帰りなさい。祖父は書斎に居るので今、呼んできます。居間の椅子に腰をかけて少し待ってください。」


 俺とカイルは椅子に座って村長さんとターニャさんを待つことにした。


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