先生はゴブリンの生き残りと戦います。
扉を二人掛かりで開けると中にはゴブリンが大量に倒れていた。
この中に入って火を逃れようとしたのだろう、今までの死体は所々に火傷が在ったが此処にあるゴブリンには火傷が見られなかった。
「もしかしたら、生きているゴブリンも居るかも知れないから気を付けろよ。」
「分かった、でも此処に居る奴も皆死んでるだろ。」
コイツ・・・馬鹿野郎!それはフラグだ!
「やっぱり・・・」
見事にカイルがフラグを立てた途端、ゴブリンの死体の中で動く存在が居た。
よく見ると薄汚いローブを羽織っているゴブリンだった。何か呟いている?
「あれは・・・ゴブリンキャスターだ!詠唱を止めさせろ!」
「残念だが・・・詠唱は終わった見たいだぞ。」
カイルが止めさせろと叫んだ瞬間に周りの死体が蠢きだした。
そして、ゴブリンキャスターの元に集まり、ゴブリンキャスターとの融合を始めた。
「クソッよりによってネクロマンサーかよ。」
「こんなに死体が有る状況でネクロマンサーが出るって最悪だな。」
「あぁ、約100体の死体と融合した例なんて聞いた事が無い、正直どれほどの強さか全く予想が出来ない。」
カイルは顔を青白くしながらゴブリンキャンサーを見ていた。
俺もゴブリンキャスターを見ていると、融合が終わったようでゴブリンキャスターは5mほどの大きさになっていた。
「あれを倒さないとこの依頼って終わらないよな?」
「だろうな、トオルは倒せるか?」
「はっはっは・・・やるしかないだろ。」
「だな。トオルは魔法を頼む、俺は足元で敵を撹乱する。」
カイルの指示で俺は魔法と転移の力でダメージを与えようとマッドランスで奴に攻撃した。
「カイル、奴の傷が直ぐに回復するぞ。ゴブリンエンペラーの時と同じように対処するから少し待ってくれ。」
まずはマッドランスで足を地面に固定し、ファイヤーランスで上半身を攻撃。
避けられたファイヤーランスは転移で直接ゴブリンキャスターの中に転移させて大ダメージを与え続けた。
しかし、流石はゴブリンキャスターだ。巨体に似合わず、大技を使わず小技のみで俺達を圧倒していた。
「カイル、少し離れてくれ。」
このままだと終わる気がしないので、そろそろ本気で倒しに行った。
ファイヤーランスで足を固定し、そのまま地面に倒す。
倒れた所で、腕と掌をさらにファイヤーランスで地面に固定していく。
地道な作業だが、確実に相手の動きを止める方法だ。
「クリエイトマッド。」
俺は更に倒れたゴブリンキャスターを囲う様に壁を作り、その上から転移で蓋をしてゴブリンキャスターを密閉した。
そして、ファイヤーランスを大量に発現し、壁の中のゴブリンキャスターの体内に転移させた。
「お前って意外と戦い方がエグいな。」
カイルが何か言っているが聞こえない振りをした。
キャスターがキャンサーに成っている誤字の修正しました。
誤字って後から見ないと全く気付きませんね。何でキャンサーに成ってたんだろ?




