先生は隣村に来ました。
隣村に着いた俺達はまず、村長の家を訪ねた。
トントン
「すいません。ギルドの依頼を見てきたんですけど、村長さんは居ますか?」
カイルが家の外から声を掛けるが、反応が無い。
「居ないのか?」
すると、後ろから声を掛けられた。
「あんれぇ、あんたらそこで何してんだぁ?」
声を掛けてきたのは此処の村人のおばあさんだった。
「村長さんを訪ねて来たんですけど・・・」
「何だぁ、村長さんの知り合いかい?村長さんの家はもう一つ隣だよぉ。」
「えっ?そうなんですか?」
俺はビックリした。
カイルが自信満々で村長さんを呼ぶからてっきり此処が村長さんの家だと・・・
「おい、カイル。間違えてんじゃねぇか!」
「あはははは。スマン、スマン、間違えてた。」
うん、笑って誤魔化そうとすんな。
「ありがとうございます、おばあさん。」
「いんやぁ、その格好を見るにあんたら冒険者さんだろぉ?いっつも助けて貰ってるから気にせんでええべ。」
おばあさんに村長の家を聞いた俺達は再度、村長さんを訪ねた。
「すいません。ギルドの依頼を見てきたんですけど、村長さんは居ますか?」
「はーい。今、開けます。」
若い女の声だ、この村の村長さんは若い女なのか?
扉が開くと中から綺麗な女性が出てきた。
「村長さんですか?」
カイルが思わず聞いていた。
「いえ、祖父は中に居ます。中へどうぞ。」
俺達は家の中に案内され、入ると部屋の真ん中の椅子におじいさんが座っていた。
「此方にお座り下さい。今、お茶を持って参りますので。」
おじいさんの前に座るとおじいさんが話しかけてきた。
「いらっしゃい、お客さん。今日はどんな御用で?」
「ギルドで依頼を受けたカイルです。こっちがトオルです、依頼の詳細をお聞きしたくて来ました。」
「おぉ、これはこれは受けて頂きありがとうございます。詳細と言っても依頼に書いた内容そのままなのですが・・・」
「いえ、もっと細かい部分を聞きたいと思いまして・・・」
「もっと細かい部分と言うと?」
カイルは一体何を聞きたいんだ?
「はい、村で起こった被害とか、本当にただのゴブリンの巣なのかとかですね。」
「どうぞ、お茶です。」
「「ありがとうございます。」」
なるほど、確かに。
もし、起こった被害が分かれば殲滅させるまでの対策を立てれるし、ランクDのパーティが音信不通に成る様なゴブリンの巣はありえないからもしかしたらボブゴブリンの巣なのかも知れないなどの想定も出来るからって事だろう。
「村では家畜が襲われました。幸い、家畜だけの被害ですが・・・あと、ゴブリンの巣かどうかは分かりません。ゴブリンが数匹でウロウロしてるのを見てギルドに報告したらゴブリンの巣があるだろうと言っていたのをそのまま依頼に書いただけですので。」
って事は冒険者じゃない素人目から見てゴブリンとしか確認してないって事は、ボブゴブリンの巣の可能性もあるって事か・・・厄介だな。
「取り合えず、今日はもう遅いので一泊してからゴブリン退治に行こうと思いますので、どこかに宿屋は有りますか?」
「そうですか、この村に宿屋は無いので隣の空き家を使って下さい。前に来た冒険者さん達が使ったのでまだ綺麗なままだと思いますので。あと、夕飯を食べて行って下さい。」
おっラッキー。
宿屋は無いけど一軒家を借りれた。
「じゃあ、お言葉に甘えて。お願いします。」
「腕によりをかけて美味しいご飯を作るので待っていてくださいね。」
村長の孫娘さんは腕まくりをして台所に入って行った。
夕飯が楽しみだ。
俺達は娘さんの大変美味しいご飯を頂いてその日は終わった。
因みに、村長さんの名前はグレイさんで孫娘さんがターニャさんと言うらしい。
年齢は23歳らしい・・・イイネ。
ターニャの設定を孫娘にしました。
じゃないとグレイがおじいさんと呼ぶには若すぎるので。
グレイの年齢は大体、65歳位と考えてます。




