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先生はカイルとゴブリン退治に行きます。

 朝起きて、ギルドに向かった俺はギルドで久々にカイルに出会った。


「よう、トオル。久しぶりだな、お前に話があって宿屋に行っても出かけてて居ないからギルドで会えて良かったぜ。」


 カイルが俺を訪ねてかぎしっぽ亭に来てたなんて知らなかった。

 グラーフさんも教えてくれればいいのに。


「それは、すまなかった。最近はずっとグラーフさんに魔法を教わってたんだ。」


「まじかよ!今、どんな魔法が使えるんだ?」


「土と火の初級と中級だな。」


「土と火の初級と中級かぁ・・・うん、多分いけるな。」


 今、多分いけるなとか言わなかったか?

 何のことだ?


「なぁ、トオル。俺はお前を友達だと思ってる。お前は?」


 友達・・・まぁカイルに出会わなかったら此処に居ないし、この世界の事も全く分からなかったからな。

 話してみると気さくで面白いし・・・まぁ友達かなぁ?


「んー・・・友達・・・か?多分。」


 俺は頭を傾げながら答えた。


「おいおい、微妙な反応だな。まぁいいや、トオル!俺と一緒に依頼しないか?」


 依頼?一体どんな依頼だ?

 カイルはランクCだろうが、俺はまだランクEの駆け出しだぞ?


「お前のランクが何だろうと俺より強いだろうから心配は無い。ましてや魔法も使えるんだから。」


 いやいや、流石に転移の力を使わないとカイルに勝てないだろ。


「はっはっは。面白い事を言うなぁランクCの冒険者より強いランクEが居るわけ無いだろ。」


「何だ?その変な言い回し。てかランクEだったのか?てっきりもう俺と同じランクに成ってると思ってたよ。」


 こいつは俺を何だと思ってるんだ?

 こう言っちゃあ何だが俺はただのチート野郎じゃないぞ。

 ピースのおかげでかなり幸運のチート野郎だからな・・・ピースに感謝しよう。


「で?依頼ってどんなのだ?」


「あぁ、依頼内容はゴブリンの巣の壊滅と目撃されたボブゴブリンの討伐だ。」


 ボブゴブリンってのはゴブリンの上位種で、体は一回り大きく知能が発達して普通のゴブリンより厄介になった魔物だ。


「ゴブリンの被害が出たのか?」


「あぁ、この依頼を俺の前に受けた冒険者が帰って来ていないそうだ。」


「その冒険者は女か?」


 もし、そうなら大変な事になってるかも知れない。


「女3人、男1人のパーティらしい。そして男はイケメンらしい。」


 くっそ!ハーレムかよ!リア充なんか爆発しろぉ!


「なぁ・・・行かないとだめか?」


「明らかにテンション下げるなよ!確かに男1人に女3人は羨ましいが、帰って来て無いって事は更に被害が増えるって事なんだぞ!女冒険者の犠牲が増えても良いのか!しかも、そのパーティは全員ランクDのパーティなんだ。」


 なるほど、だからランクCのカイルに白羽の矢が立ったって事か。


「いいぞ、手伝ってやる。依頼主はどこに居る人だ?」


「隣村の村長だから、今から行けば夕方頃には着くだろ。」


 夕方か、ならその村に一泊して明日の朝にゴブリン退治に行くのか。


「じゃあ、行くか。」


「おう。」


 ゴブリンを退治するついでに魔法を実践で使ってどんなものか確かめるか・・・

 そして、俺とカイルは隣村を目指してギルドを出発した。


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