先生は更に魔法を教わりました。
「さぁ、トオル。お前の魔法を見せてみろ。」
俺がもし無詠唱で魔法を発動させたらグラーフさんの驚いた顔が見れるかな?
クリエイトマッド
「ん?何処から出したんだ、その剣。」
クリエイトファイヤー
「お前・・・詠唱はどうした!?何で詠唱もしていないのに剣に炎が纏わり付いているんだ?」
プッ!グラーフさんが驚きすぎて慌ててる。
「昨日、練習してる内に詠唱ってメンドイなと思って、心の中で唱えてみたら二回目で出来ちゃったんです。」
「ふっ・・・あっはっはっはっは・・・」
ヤバイ、グラーフさんが壊れた。
「凄いぞ!トオル!無詠唱で魔法を使う奴なんて大賢者様しか聞いた事が無いぞ!」
大賢者・・・あぁ、同郷の人か。
「で、どうでしたか?」
「どうって何がだ?」
「何がじゃ無いですよ!認めたら中級魔法を教えてくれるって約束でしょう!」
約束を忘れて貰っちゃこまるよ。
「あぁ、スマンスマン。今から見せてやる。土の中級魔法、マッドランス。」
地面から大きな槍が出てきて、空中に浮いている。
「更に火の中級魔法ファイヤーランス。」
マッドランスの隣に火で出来た槍が出現した。
「凄い!これが中級魔法!」
「この中級魔法はランスシリーズと呼ばれていて、空中からの奇襲や中距離の狙撃にも使われる魔法だ。もし、この二つが出来たら中級で有りながら上級すら凌駕する魔法を教えてやろう。その魔法のおかげでBランクになれたんだ。」
上級を凌駕する中級?是非、覚えてみたいな。
何て考えているとグラーフさんが背中を俺に向けて歩き出した。
「あれ?グラーフさんどうしたんですか?トイレですか?」
トイレなら漏らす前に行った方が良いからな。
「違げぇよ!店に戻るんだよ。」
「やっぱり奥さんと娘さんが気になるんですね?そういえば何でランクBなのに冒険者を辞めたんですか?」
「ランクA間近かって時にネネが生まれてな・・・命が惜しくなったのと宿屋をしたいって夢を叶える資金が溜まったからな。冒険者である必要が無くなっただけだ。中級が出来たらまた俺に報告しろ。」
そう言ってグラーフさんは店に戻って行った。
「よし、やるか!中級魔法マッドランス。」
うわっまたあっさり出来た。
センス○こわっ!転移の力並みにチートじゃないか。
「マッドランス。」
俺の目の前にはマッドランスで作った二本の槍が浮いている。
マッドランス。
「無詠唱も出来たよ・・・」
気を取り直して、次は火属性でやってみよう。
「中級魔法ファイヤーランス。」
出来るよねぇーマジパナィ。
「ファイヤーランス。」
・・・はは。
ファイヤーランス。
うわぁ・・・目の前の空中にマッドランスが3本、ファイヤーランスが3本の計6本もの槍が空中に浮かんでいる。
今日はこの辺にして、また明日練習しよう。
俺は森を抜けて宿屋に向かった。
日本人確定の人の部分を同郷の人に替えました。




