先生は何かが変わりました。
魔法を練習している場所に向かうとトレイリが居た。
何でここに居るんだ?
ここは人が来ない場所じゃないのか?
「起きたらグラーフさんにトオルの居場所を聞いたら、魔法の練習でここに居るだろうって言ってたから・・・」
おいおい、トレイリの好感度ってそんなに高かったのか!
異世界美女とのイチャイチャライフが俺を待ってる!
「どっどうしたんだよ、何か用があるのか?」
こんな他に誰も居ない場所・・・まさに体育館裏の様な告白ポイントじゃ無いか!
「じっ実は・・・トオルに・・・」
ゴッゴクリンコ・・・
「実はトオルにピースを貸して欲しくて・・・」
「へっ?今、何て?」
俺の聞き間違いかな?告白なんかじゃ無くてピースを貸して欲しいって言われたような・・・?
「いや、だからピースを貸して。」
「あっはい、どうぞ。おいで、ピース。」
「むー!」
俺はピースを呼び出してトレイリに貸してあげた。
「ピース、トレイリに迷惑かけるなよ?」
「むー!」
ピースはビシッと敬礼をした。
「じゃあピースは借りて行くね。今日中に返すから。」
トレイリはピースを抱えてギルドへ向かった。
ピースを連れて行ってどうするんだろ?
帰って来たら聞けばいいか・・・トレイリなら信用できるしな。
「トレイリが帰って来るまで魔法の練習をするか。初級魔法クリエイトマッド。」
徐々に土が盛り上がって来た。
ここまでは出来る、これからが難しいんだよなぁ・・・
グラーフさんが作ったような剣をイメージすると盛り上がっていた土が少しずつ形を変えて剣の形に変わった。
「あっさり出来た。昨日は全く出来なかったのに・・・?何でだ?」
まぁいい。
クリエイトマッドが出来たから次はクリエイトファイヤーだな。
「初級魔法クリエイトファイヤー。」
手の平に炎が出てきた。
よし、第一段階はオッケーだな。
これで炎が出ないとかだったら何ともならないから。
「取り合えず次はこの炎をクリエイトマッドで作った剣に纏わせるんだよな。」
・・・はい、あっさり出来ました。
何だ!?いったいどうしちまったんだ俺は!?
初級は出来たけど中級はまだ教えて貰ってないからな、中級は明日グラーフさんから教えて貰うことにして今は初級を完璧にするか。
「初級魔法クリエイトマッド・・・一々言葉に出さないといけないのか?」
よくよく考えると魔法って何だ?何で唱えただけで現象が発動するんだ?
普通は魔力を使って現象を引き起こすとかなんだろうけど、地球から来た俺に魔力が有るんだ?
やっぱり神様に会った時に何かしらの補正があったのか?うーん、分からん。
まぁいいや。魔法の練習しよう。
「初級魔法クリエイトマッド。」
今度は剣では無く、槍とか作るか。
「出来ちゃったよ、しかも槍だけじゃなくハンマーとかもな!」
何となく槍だけじゃ物足りないからってイメージしたけど簡単に出来ちゃったよ。
クリエイトマッドで操れるのって本当に土だけなのか?砂は?細かい石は?泥は?
やってみるか。
「しょk・・・クリエイトマッド。」
若干省略してもいけたな。
今度は無詠唱に挑戦してみるか。
クリエイトマッド。
流石にこれは難しいな、無詠唱の仕方が分からん。
まず、分解しながら考えよう。
詠唱する時は、手に魔力を集める。
その後詠唱する。
・・・違うな、魔力を集めた後、脳内で魔法をイメージしてから詠唱する。
つまり、手に魔力を集めて、脳内でイメージをして、心の中で詠唱すると・・・。
やってみよう。
クリエイトマッド
「やった・・・出来た。無詠唱で魔法が使えた!」
出来た剣を持って、同じ原理で・・・
クリエイトファイヤー
「ははっあっははははははははっはは!」
やべぇ。やべぇよ。
マジで出来ちゃったよ、無詠唱。
明日、グラーフさんに会うのが楽しみだぜ。
俺は、ハイテンションで宿屋に戻った。
PS,トレイリからピースを返して貰った時に聞いたが、ハピネスベアの力で幸運にしてもらって、魔物から偶にしか取れない魔石を結構な量集めて売って金にしたらしい。
頭が良いというか何というか・・・
そんな所も魅力的だと思った自分が恐ろしいな。
なぜ突然魔法がうまく使えるようになったのか・・・全く分かりませんね(笑)
多分、明日の話にその理由が出てくると思います。きっと。




