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先生はイノシシ狩りをしました。

 魔法の練習で疲れたのか昨日は宿に帰ってから飯を喰って風呂に入った後、直ぐに寝てしまった。

 ネネちゃんに起こされるより早くに目が覚めてしまった俺は朝ご飯を食べ、ギルドに向かった。

 金が有るとはいえ、そんなに大量に有る訳でもないし、どうせ魔法の練習に森に行くのだからついでに森が関係する依頼でもやっておこうかと思ったのだ。


「いらっしゃいませ。おはようございます、トオルさんお早いですね。」


 ミーナさんが笑顔で挨拶してくれる。

 朝一で美人の笑顔を見れるとは・・・異世界に感謝だな。


「おはようございますミーナさん、森に行くついでに依頼を受けようと思って。」


「森ですか・・・この依頼なんてどうですか?ランクDの依頼でギガントボアの討伐なんですけど。」


 ギガントボアか・・・どんな魔物なんだ?


「ミーナさん、ギガントボアって?」


「ギガントボアはボアの上位種で通常のボアと違い頭部が鉄のような硬さになっていて体が一回り大きい魔物です。主な攻撃方法はボアと同じで突進ですが、ボアより数倍は威力が上がっています。どうしますか?この依頼を受けますか?」


 ボアは頭皮が以上に発達して石のような硬さになったイノシシの魔物だ。


「受けます。ギガントボアの討伐確認部位は何処ですか?」


「討伐確認部位は頭皮です。お気をつけて行ってらっしゃいませ。」


 依頼を受けた俺は早速森へ向かった。

 さっさと片付けて魔法の練習をしよう。


「さて、どうやってギガントボアを探そう・・・取り合えず適当に探索するか。」


 適当に森の中を彷徨う事にした。

 一応、目印に木に枝を転移で差込ながら進んで行くと、地面に何か落ちているのに気が付いた。


「何だあれ?」


 何だか見たことのある物が落ちていた。

 夏に使う団扇の様な・・・そう!扇子だ!扇子が落ちていた。

 何で扇子が異世界に落ちているんだ?そう思いながら扇子を開いてみると、いきなり強く光りだした。


「うわっ眩しっ!」


 光が落ち着くと手に持っていたはずの扇子が消えていた。

 辺りを見渡すが何処にも無かった。

 最初から無かった事にしよう・・・そうしよう・・・。


「依頼って魔物を探すのが大変だな。」


 扇子を無くしてから数分がたった所だろうか?

 ギガントボアを探してまだ彷徨っていた。

 ギガントボア出ないかなぁ・・・と思っていると、何処からか魔物の泣き声が聞こえて来た。


「「ブモォォォオオオオ!!!」」


 ギガントボアが2匹居た。

 縄張り争いか何かでお互いに頭をぶつけ合いながら戦っていた。


「どうしよう・・・どっちも倒すか。」


 どちらかが倒れるのを待とうかと思ったが、魔法の練習を早くしたいのでどっちも倒すことにした。


「転移。」


「「プギィィィィイ!!」」


 そこら辺に落ちている枝を2匹のギガントボアの脳天に転移させて一瞬で倒した。

 やっぱり強すぎるな・・・正直、魔法はいらないだろうが転移の力なんてそうそう人に見せられる力では無いので隠れ蓑としても魔法が必要だ。

 ギガントボアを解体してアイテム袋に入れ、魔法を練習する場所に向かった。


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