先生は思いだしました。
そうだあの日も俺は校内の見回りをしていて、二階に足を踏み入れた時に教室から悲鳴が聞こえてきたんだ・・・
2年B組の教室を見たら赤井と青山、木根、黒川の4人を中心に教室の床が蒼白く光っていて、慌てて教室に入って助けようとしたのにまるで見えない壁が邪魔をしているみたいに教室に入れなくて、黒川が伸ばしていた手を掴めなかったんだ。
その後、酷い頭痛で気を失って・・・気づいたら何があったのか忘れていた。
「赤井・・・青山・・・木根・・・黒川・・・すまない。」
俺はまるで許しを請うかの様に呟いた・・・そして一つ疑問に思った。
「何で誰も赤井達が同時に居なくなったことに疑問を持たないんだ?」
一日、二日ならまだわかる。
でも、居なくなったのは"一週間"も前だぞ!俺は急いで職員室に戻った。
バァン!!
「びくっ!どっどうしたんですか片瀬先生!」
「はぁはぁ、驚かせてしまい申し訳ありません。橘先生にどうしてもお聞きしたい事があって。」
俺が乱暴に扉を開けたせいで橘先生が驚いた表情でこちらを見ている。
「聞きたい事とは?」
「2年B組の赤井はご存知ですよね?」
俺は橘先生に赤井達の事を詳しく調べる為に尋ねた。
「赤井・・・赤峰さんではなくて?」
「赤井ですよ!出席番号2番の!」
赤峰とは俺のクラスの出席番号3番で学級委員長をしている女の子だ。
「2年B組の出席番号2番は天霧さんですよね?いったいどうしたんですかご自分のクラスの子を間違えるなんて?」
俺はこの時、確信した赤井達の事を覚えているのは俺だけだと。
「あっえっと・・・すいません。まだ寝ぼけていたみたいです。」
「今日はもうお休みになられた方が良いのではないですか。」
「そうですね・・・すみません、変な事を聞いてしまって。それじゃあお先に失礼します。お疲れ様でした。」
俺は橘先生に挨拶をして帰る事にした。
「片瀬先生、お疲れ様でした。」
橘先生に挨拶をして学校から出た俺は学校の近くにあるアパートまで歩きながら赤井達の事を考えていた。
「赤井達はいったいどこに消えたんだ?」
異世界転移なんて非現実的なファンタジーのような事が現実に起こる訳が無いと思っていた俺はいつの間にか周りから音が消えていることに全く気づかずに考えこんでいた。
「赤井達は最初から居なかったのか?全部俺が考えた夢?神隠し?うーんありえない・・・いたっ」
突然、頭が何かにぶつかった。
考えながら歩いていてよく前を見ていなかったから電柱にでもぶつかったのかと足を止め顔を上げたがそこには何も無かった。
「ん?俺は何にぶつかったんだ?」
疑問に思いながらもまた歩き始めたはずだった。
しかし、前に進めない。
そのとき俺は気付いたまるであの時の目には見えない壁があると。
「まさか、あの時の壁」
そう口に出した時にはもう、俺は蒼白い光に包まれていた。
赤峰さんと天霧さんは二度と出てきません。
読みにくいと思ったので少し修正していきます。




