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先生はステータスを知りました。

「何でそんなに依頼料に差が出来るんだ!」


「何でってランクEの依頼とランクCの依頼なんだから差が出来るのは当然でしょう。」


 ランクCだと・・・そういえばカイルがフォレスト・ファングは単体でランクD、4匹同時ならランクCと同等って言ってたな。

 フォレスト・ファングが弱すぎてゴブリンとほぼ同じだと思ってた。

 ランクEとランクCの依頼に差が出来るのは当然か。


「でも、そのフォレスト・ファングを倒したのって全部俺じゃングッ!ンー!」


 俺は話してる途中でトレイリに口を手で塞がれた。


「わー!何言ってるのよ。半分!半分はトオルが倒したのよね!協力してくれてありがとう!ミーナ!この人はランクFの強さじゃないわよ!フォレスト・ファングを一人で2匹も倒してるんだから!」


「(黙ってなさいよ。どうせあんたが一人でフォレスト・ファングを倒したって言っても信じて貰えるか怪しいんだし、こう言っておけば私が証人になってランクFから一気にランクを上げれるかもしれないんだからあんたに取っても都合が良いでしょ。ね、お願い。もしあんた一人で倒したって認められたら依頼料貰えなくなっちゃう。)」


 なるほど・・・確かに俺に取ってもおいしい話だな。

 それにトレイリはかなりの美人ってか俺の好みだし、恩を売っても損はなさそうだしな。


「あーミーナさん?だっけ初めて名前聞いた気がする。トレイリと俺が2匹ずつフォレスト・ファングを倒したんだけどこの場合ってどうなるの?」


「トオル様に自己紹介がまだでしたね。ミーナ・テッサと申します。何かありましたら私までお願い致します。」


「此方こそよろしくお願いします。」


 まさかこのタイミングで自己紹介してもらえるとは・・・


「依頼を受けて討伐部位をお持ち頂いたのはトレイリ様なので、依頼完了の報酬はトレイリ様の受け取りとなります。後はお二人の間で報酬の山分け等をして下さいませ。」


 少々投げやりなところもあるがその方が冒険者同士で話し合えば済む事なのだろう。


「トオル、山分けって事で「いや、俺の分はいい。」えっ?」


「代わりに今晩の飯を奢ってくれればそれでいいよ。」


 フォレスト・ファングがこれぐらいの金になるならいくらでも稼げるからな。

 

「トオル・・・」


 トレイリの俺の株が上がった気がする。

 気がするだけだけど。


「ミーナさん、俺のランクって上がらないのか?」


「いえ、フォレスト・ファングを倒したと本人以外からの確認が取れましたのでランクFからランクEに上がりましたよ。今のところ、最速でのランク昇進です。おめでとうございます。」


「ランクってどうしたら上がるんだ?」


「規則上は自身のランクより2つ上のランクの魔物を討伐するか、一定のランクの依頼を複数回こなして頂ければギルドの方で上げて良いか判断し、ランク昇格をお伝え致します。」


「なら、ランクが2つ上の魔物を討伐していけば直ぐ上がるのか。」


「ですが、2つ上のランクの魔物を討伐するのは至難の業ですし、依頼報酬が無く素材の買取でしか報酬が無いのであまりおススメは出来ません。命にも関わりますので。」


 確かに。

 コツコツとやっていれば上がるランクに命を賭けるのは馬鹿馬鹿しいのか。

 普通の人なら・・・でも、俺は普通じゃない訳で。


「ところでずっと気になってたんですけど、その肩に乗ってるぬいぐるみって何ですか?」


 ずっとスルーされてたから聞かれないと思ったのにとうとうミーナさんから質問されてしまった。

 

「あのですね、これはその何というか拾ったというか・・・」


「随分と可愛らしいぬいぐるみですね。どこで拾ったんですか?」


「ミーナ、あとトオルとトレイリ。ちょっと来い。」


 ミーナさんにピースの事を聞かれた瞬間に後ろからギルマスが俺達を呼んだ。


「ギルドマスターがお呼びですね皆様行きましょう。戻ったらぬいぐるみについて教えてくださいね。」


 俺は顔を背きながら頷き、ミーナさんとトレイリ一緒にギルドの奥にあるギルドマスターの部屋に行った。


「トオル、率直に聞くぞ。その肩に乗っているのは何だ。」


 ギルマスは開口一番にピースについて聞いてきた。


「ぬっぬいぐるみですよ・・・はい。」


「嘘は良くねぇぞ。それ、ハピネスベアの子供だろ。」


 ギルマスには一発でバレた様だ。

 ギルマスがハピネスベアの子供だと言うとミーナさんが驚いた表情で俺を見てきた。


「一発でバレましたか。そうです、ハピネスベアの子供です。」


「やはりな。俺も昔にハピネスベアの親子に出会った事があってな。それで覚えてたんだ。」


 ギルマスにピースと出会った時の事を話した。


「どうりでお前らのステータスに幸福の加護が追加されてる訳だ。多分、親熊が死ぬ直前にお前達に加護を授けたらしいな。」


 ギルマスはステータスを見たといった。どうやらゲームのようなステータスが存在するらしい。


「ステータス。本当だ、私のステータスにも幸福の加護って付いてる。」


「ステータスってどう見るんだ?」


「ギルドカードを持ってステータスと唱えれば見れますよ。」


 ギルドカードを持って唱えればステータスを見ることが出来るらしい。


「ステータス。・・・?何も起こらないぞ?」


「はぁ・・・ギルドカードに魔力を流しながら唱えてみろ。ったく、ミーナ!教えてなかったのか。」


「すっすいません、伝えるの忘れてました!」


 ギルマスにミーナさんが怒られていた。

 流石にこれは自業自得だな。


「じゃあ、改めて・・・ステータス!」


名前・・・トオル・カタセ

年齢・・・27

種族・・・人間

スキル・・・???の力(Lv2)、幸福の加護

使い魔・・・ピース


<???の力>

???をする力

Lv1・・・触れた物を???させる事が出来る。物の重さや大きさで距離が変わる。

Lv2・・・近くの物を触れずに???させる事が出来る。半径50m以内の物まで。


<幸福の加護>

ハピネスベアに認められた者のみが授かる加護。

運が飛躍的に良くなる。


 これはすごい。

 転移の力が???の力になっているが今、どんな転移を使えるのかが分かる。

 いつの間にか転移の力が強くなっていた。

やっと主人公のステータスが判明しました。

ミーナに苗字的なの付けました。

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