3/5
犬
「うわ〜・・・」
目の前に聳える豪邸に心奏は思わず感嘆の声を上げた。
「何をぼーっと突っ立ってるんだ。早く入れ。」
「あっ!」
アレンに思いっ切り背中を押され心奏は前につんのめる。
「どんくさ」
「あんたに言われたくない!!」
「それがご主人様に対する態度か?全く、どこまでも躾のなってない犬だな。」
「い、犬・・・っ!?」
「坊ちゃま。彼女は大切な従者です。犬ではありません。」
「・・・俺はこんな奴認めない。」
吐き捨てるように言って、アレンはつかつかと行ってしまった。
「・・・さ、お部屋を案内しますから着いてきてください。」
「あっ、はい・・・!」