第15話「厨ブキも実態を知ると身近に感じられるかもよ」
「こんにちは」
そう挨拶する女性が、犬飼美咲の目の前にいる。いるのはいい。だが、その登場の仕方が奇怪であった。その女性はそこの角から出てきたのだが、角の電柱の影からにじみ出るように出てきたのだ。
目の錯覚だろうか? と美咲は思う。影からにじみ出るように、というのは常識の範囲内の出現の仕方ではない。奇怪過ぎる。だが、美咲は奇怪な面々と面識がある。その類なら、おかしくない出現の仕方である。
「えと、こんにちは」
とりあえず挨拶を返す美咲。そうしながら、美咲はその女性を見る。女性は黒衣に黒手袋に黒の傘に黒い靴に、と黒づくめである。しかし、単に黒一色という印象にならないのは、その長い髪が全て白いからだろう。その白を理解しての、黒づくめ。そう感じられた。
「犬飼美咲さんですね?」
「あ、はい。……あなたは? 都ちゃんのお知り合いですか?」
「お知り合い。はい、そういう類のものです。名前は、仮にパッション郷と名乗っています」
「……」
鈍めと言う自覚のある美咲にも分かる、胡散臭さ。しかし、友達であるサティスファクション都も胡散臭さでは似たり寄ったりである。なので美咲は特に気にせず受け答えをする。
「パッション郷さん、パッションさんですね。あの、あたしに何かご用ですか?」
「用、と言うほどのことはありませんが、知り合いのお友達ですから、一度会っておいた方がいいかと思いまして」
「はあ」
「ふむふむ」
パッション郷と名乗った女性は、美咲をしげしげと眺めている。値踏みしている、と言う方が正しい態度だ。それが露骨に出る辺り、人を騙すのが苦手なのかもなあ。都ちゃんも案外人がいいし、同類なのかも。などと考える美咲。
「そこな人よりは完全に凡人なのは分かりますが、これがどういいのやら。むしろいいのでしょうかね」
そこな人? と周りを見れば、そこには城茂美が立っていた。悲壮と言える表情で、いつものむき身の刀がその手にある。
「そこな人、情報から鑑みると城茂美さんで相違ないでしょうか?」
「ああ、そうだ。そしてどういう者だかも分かっているだろう」
「ですね。昔、何度かお手合わせした流派。まだ続いている辺り、なんとも息の長いところですね」
「……」
茂美は刀を正眼に構え、パッション郷を見据える。
「やるんですか?」
「あんまり気乗りはしないが、美咲をどうかするなら、だな」
「青っちょろい娘子のわりにはいい台詞ですね」
パッション郷も、半身を下げて構える。傘を差したままゆえ奇態な構えである。それでも鋭い気迫が、その姿から発されている。
互いに気迫が満ちている。一触即発の雰囲気。
そこに。
「アー、こんな道の真ん中で喧嘩おっぱじめないで欲しいデスネ」
「ニシワタリさん」
いつの間にか視界の外からニシワタリの声がした。振り向けば、そこに確かにニシワタリ。何処から現れたのだろう、というくらい唐突に現れた。
「鬼女の走狗、というのは今の名ではなかったですね。ニシワタリさん、でしたか」
「鬼女の走狗も名前じゃないんデスガネ。それはいいデス。パッション、あなたの目的はそこな城と喧嘩することじゃないデショウ?」
ふむ、とパッション郷は頷く。
「確かに。別に木っ端の退魔の者なんて無視しておいて良かったですね」
「……」
茂美がギリっと奥歯を噛む。が、それで手を出さない程度には冷静さがあるようで、ギリギリと奥歯を噛んで耐えている。出ていた刀も、今は引っ込めたようだ。
そんな茂美の事はとりあえず脇に置くつもりらしいニシワタリは、パッション郷を、ささ、と急かす。
「サティスファクションの所にとっとと行きマショウ。城に美咲さん、あなた方も来られますか?」
「うん、都ちゃんに誘われてるしね」
「美咲をこいつと一緒に行かせられないから付いていく」
さいデスカ。とニシワタリは言うと、先導して歩きだす。それに付いていくパッション郷と茂美と美咲。パッション郷は特に気を張ってないが、茂美は大変イライラしている。表情は特に変わっていないが、発する気配にいらだちをにじませている。先の木っ端発言と、今特に注視されていない点がそれを促進させているのだろう。後、パッション郷が美咲にやけに近い点も。
そういういら立ちの一方通行を抱えたまま、四人はサティスファクション都宅に着いた。
「ということで、今日はパッション郷さんをお迎えして、『スプラトゥーン』の強いブキ対策を考えていきましょう」
「どんどんどんどんぱふぱふぱふぱふ!」
「なんだその茶番」
開幕から茂美が不機嫌である。パッション郷に相手にされなかったのがそれ程悔しかったのだろう、とニシワタリは当て推量。とはいえ、パッション郷はサティスファクション都と同等レベルの妖怪。まともに喧嘩して茂美が勝てる相手でもない。
(ということで、ここは我慢していただきマショウ)
そう思いつつ、ニシワタリは茂美に言う。
「いいじゃないデスカ。折角長年のわだかまりを打ち捨てて仲良くなった二人の共同作業なんデスシ。ここは茶番に乗っていただきタイデスネ」
「……」
納得いかないというのが表情に出ているが、文句は言わないだけでも良しとする、ニシワタリ。そんな二人のやりとりなぞ知らぬ存ぜぬでサティスファクション都は話を進める。
「先日、色々ごたごたしたけどなんとか、なんとか仲良くなった私とパッション郷さんとで、今日は“ダイナモローラー”の話をしていきたいと思う訳なの」
「“ダイナモローラー”っていうと、あのドバッシャア! な強いやつだね」
「その通りよ、美咲。やられる方厨ブキだろあんなの! って思ってしまうくらいのブキね。しかし、その実態は結構難しいブキらいしのよ。ということで今回は」
サティスファクション都がそう言うと、パッション郷が拍手を打ち鳴らした。すると、またぞろどこからかホワイトボードが出てきて、そこに文字が描かれる。
“厨ブキも実態を知ると身近に感じられるかもよ?”
「妖力の無駄遣いだろ」
茂美が苦々しげに独りごちるが、そこは誰もが知らぬ存ぜぬで通した。
「さて、“ダイナモローラー”がどういうものかについて話しつつ、弱点なども見ていこうかな、と思うのだけれど、この辺の解説はお任せしていいかしら?」
「いいでしょう。やりましょう」
「その前に」
と、美咲。
「なあに?」
「パッションさんは『スプラトゥーン』やってるんですか」
「愚問ですね。わたしも一端のゲーマー妖怪。面白いゲームには目が無いのですよ」
「ここ30年は引きこもってゲームばかりしていたのは伊達じゃないのよ?」
「……微妙に棘のある言い草ですね、サティスファクション」
「何言ってるのよ。私も似たようなものだから気にしなくていいわよ?」
「だいぶ駄目妖怪の発言だね」
呆れた感じで言う美咲に、サティスファクション都は力強く言う。
「私は妖精」
「……うん、そうだね」
「まあ、ともかく。わたしもゲーマー妖怪として日々研鑽を積んでいます。特に“ダイナモローラー”はメインブキと言える程度には使っていますから、一席打てると思います。では、早速始めていきましょう」
何がともかくだよ、という顔のサティスファクション都は無視して、パッション郷が話を進める。
「まず“ダイナモローラー”の性質について語りましょうか。基本的にローラーの種類に入る“ダイナモローラー”ですが、その使い方は他のローラーとは趣を異にします。基本的に、他のローラーのような鈍器ではなく、インクをぶちまける広範囲兵器です。殴るのではなくぶちまけるのです」
「ぶちまける」
「ジャンプをして打つことで、ローラーとしてはかなり広い範囲を塗る、つまり攻撃できます。そしてその範囲が広くて一確。短射程のブキはかなり苦虫を噛むことになりますね」
「そうよね。ダイナモ強いわよね。いつもぐぬぬってなるわ」
基本的に短射程使いだからか、心底憎らしい、という言い方なサティスファクション都に、パッション郷は、「ノン」と否定。
「“ダイナモローラー”は強過ぎるブキという訳ではありません。強みを押しつけるから、そう思われるだけなのです」
「強みを押しつける?」
美咲の疑問に、パッション郷は的確に答える。
「強みというのは当然、その塗り範囲と攻撃力。それを活かせる状態を取れている場合、“ダイナモローラー”は強みを押しつけられるのです。逆に言うと、強みを押し付けられないと案外もろいところがあるのです」
「盤石じゃないって言うんですか?」
美咲の問いに、パッション郷はやはり的確に答える。
「そうです。まず一つ、“ダイナモローラー”は前進力に乏しいのです」
「前進力。前に進む力がない?」
「そう。ローラー類というのはそもそも直前を塗りながら進むので、シューター類のように少し前方を塗ってイカになって進むことは出来ません。つまり、コロコロ転がして進む速度が遅く、振るっても塗りも遠くになり足下に塗るのが面倒。“ダイナモローラー”類は進むのが大変なのです。これから導き出される最初の弱点はなんでしょうか?」
問いかけられたのは美咲である。え? というひょうげた顔になる美咲だが、すぐに質問に考え始める。
「うーん、相手との距離が詰めにくいとかかな?」
パッション郷は深く頷く。
「その通り。しかし、それがどういう意味があるのかまではつかめていないようですから、ここでお教えしましょう。距離が詰められない。というのはつまり射程外からの攻撃に弱いということです」
「ダイナモは、チャージャーだと良いカモだからね。どんなにパシャパシャが強くても接近できないとどうしようもないよ」
そういう茂美を無視して、パッション郷は続ける。
「チャージャーやスピナー、ロングブラスターやジェットスイーパーなどの長射程ブキにはこちらの間合いに持っていき辛く、ことごとく辛いです。特にチャージャーは相性が最悪です。イカにならないと上手く避けるというのが難しい相手に、それが事実上使えないというのはかなり酷い相性です」
「……」
(城を後でフォローしないとデスネ)
とニシワタリは思う。とはいえ、パッション郷の人間を気にしない時は全く気にしない性格。こればかりはどうにもならない。
(フォローどうしたらいいんデショウカネ)
と悩むニシワタリである。
パッション郷は続ける。
「もう一つ。前進力が無いのはそのまま展開力に差が出ます。色んな所を多彩に攻めてかく乱、というのに向いていないのです。故に味方と共に進軍して、勢力を広げるのが常道となりますが、逆に単騎での突破力というのは持ち合わせていないと考えていいでしょう。ですから基本的に前衛や遊撃に出るより、中衛として塗りを広げつつ動く方が向いたブキ、と言えるでしょう」
「成程」
美咲の納得を確認すると、パッション郷は話の歩を次に進める。
「“ダイナモローラー”について知っておくべきことはまだあります。まず攻撃の振りが遅いこと。これは潜伏からの攻撃を苦手とするという弱点になりますし、イカ状態で移動して即攻撃、というのもまた苦手とするということでもあります」
「ということは、接近してくるところを狙っていくのも対策としてはあり、ということデスカネ」
「そうですね。逆に如何にイカ状態から攻撃に移るかというのがダイナモ側の考え所です」
更に、とパッション郷は続ける。
「インク消費量が多いのも弱点と言える部分です。大体5回振ると、インクが空になってしまいます。塗る範囲自体は広大ですが、連続して塗り続けるという力は薄いのです。またサブを使った後は1回か2回しか振れないので、この点も如何にインク回復するかを考える上で重要な部分です」
「そのインターバルを狙うとか、あるいは無駄撃ちさせるというのもありと言うことね」
「そうなりますね。逆に如何に無駄撃ちしないか、がダイナモ側の立ち回りでは求められます」
「他にも弱みはあるよぞ。この間のアップデートで」
茂美が言いかけるが、パッション郷は無視して続ける。
「そして少し前のアップデートでさらに弱体化された点があります。イカでの速度が落ちたのと、復活時のスペシャルゲージ減少が大きくなったことですね。これでやられることが他のブキよりリスキーになって、倒されると後が大変になります。相打ちでもこちらの方が不利と言えるでしょう」
「……」
(こりゃ後で大揉め確定デスネ)
どうしたものかと内心で頭を抱えるニシワタリ。そんなことは関係なく、話は続く。美咲が質問をした。
「これ、繰り返しになるかもしれないですけど、基本的に、敵対する場合は長射程をぶつけるのが一番なんですか?」
「そうですね。基本的に前進力が無い点を突かれるとどうしようもないのが“ダイナモローラー”なのです。そこを突けるブキがあるならそれに任せる、あるいは援護するのが一番有効な手です」
「だとすると、短射程ばっかりの場合はどうすればいいんですか? 泣き寝入りですか?」
「そうとも限りません。短射程の場合は上手く距離を取って、攻めれるタイミングを計るのがいいでしょう。これは先に言ったダイナモのインク効率の悪さを突く戦法です。倒せる時は勿論一気に行くのもいいのですが、ちょっと難しい、と思ったらインク回復する隙を待つのも一つの手ですね。まあ、ローラー類だとかなり厳しいので、そう言う場合は他の味方に任せるしかない場合もありますが」
「成程、参考になりました」
「で、結局長く喋ってきたけど、弱点をまとめるとどうなるのかしら?」
サティスファクション都の要請に、パッション郷はホワイトボードに手を文字通り伸ばすと、サラサラと文章を認めた。そしてそれを口で言う。
「“ダイナモローラー”の弱点その一。前進力の無さゆえに射程差にやられ易い。その二。前進力の無さゆえに単体での突破力が弱い。その三。振りの遅さゆえに潜伏からの攻撃が機能し辛い。その四。インク消費量が多いので連続で塗る力が弱くまた継戦能力が低い。こんなところでしょうか」
「こう見ると、確かに弱みというのがあるのがよく分かりますね」
美咲の言葉にでしょう? とパッション郷。
「この通り弱点は山積していますから、相手のダイナモが強い場合は、単に厨的に強いブキではなく、きっちりと押しつける部分を使っている、立ち回っているから強いという訳です。射程とか、ダイナモ側がどうしようもない部分というのも結構ありますから、そこをきっちりと突いていくのが攻略の鍵ですね」
「わかりました」
そういう美咲を尻目に、ホワイトボードを見ていたサティスファクション都がぽつり。
「案外ちゃんと出来たわね、ダイナモ対策」
「出来ないと思ってたんですか、サティスファクション」
「30年引きこもってた妖怪にしては、という意味よ? 人前に出るってブランクあったら難しいと思ったんだけど」
「その辺は人間とはメンタルが違いますからね、わたし達は」
「それを言ったらその通りだけど。でももうちょっと面白おかしい“無様”なあなたが見たかったな、私は」
「相変わらず、他の者の困惑を糧とする“駄目”な癖が出ていますね」
「……」
「……」
あれ、なんだか様子が変デスネ、とニシワタリが気付いた時にはもう遅かった。いきなり、大妖怪二人がお互いの顔に拳骨を食らわせていた。
衝撃で吹き飛ぶ二人。だが、家の方は頑丈で、相当な破壊力であった両者の吹き飛びを受けきる。共に襖を陥没させた後、畳の上にはいつくばるサティスファクション都とパッション郷。いきなりのことで、美咲も茂美もニシワタリもぴくりとも動けなかった。
すぐに状況を把握したのは、ニシワタリである。この二体の大妖怪が、まだ互いにくすぶる所があったのだ。そう気付いて、しかしどうするかと思案を高速で巡らせる。ニシワタリもそこそこの妖怪である。だが、サティスファクション都とパッション郷はそういう次元ではない。それが喧嘩をし始めた、そこに割って入るのは畏れ多いし危険すぎる。だがどうにかしないと、美咲と茂美に危険が及んでしまう。家も耐えているが、無限に耐えきれる訳でもない。単なる家ではないから、崩壊したらどうなることか。
(トイウカ、お二方とも沸点低すぎデス! さっきの揶揄を耐えたんじゃなくて積み重なってたにシテモ!)
さっきの会話程度でぶち切れていたら、今後どう付き合っていけるというのか。そもそもわだかまり無くなったんじゃないのか。そういう苦言を呈したいが、そんなことをしたら今の二者に何をされるか。だが、それよりまず、美咲と茂美の安全を確保しなくては。
と。
「痛いわね、パッション」
「痛いですね、サティスファクション」
二者が、起き上がる。共にダメージが無いように見える。じゃれて撫でた、というレベルの一撃では無かったから、それなりに両者ともダメージはあるだろう。だが、まだ全然戦えるというのは、その妖気の漏れ具合から察せられる。
(うわあ、このままだと本気で妖怪大戦争になっちゃいマスデスヨ!?)
止めないといけない、が、両者のその力が分かっているだけに、迂闊に働きかけられない。とりあえず美咲と茂美を部屋の外へ。
と、そこで気付く。城茂美が、刀を抜いていた。そして、睨みあうサティスファクション都とパッション郷の間に。
「危ないデスヨ、城さん!」
ニシワタリは制止するが、茂美は聞かず、サティスファクション都とパッション郷の、視線の交錯する部分を、妖気と妖気がぶつかり合う部分を、その刀で両断した。
ぃん。
二者の膨れんばかりであった妖気は、立ち斬られ霧散する。急に割って入った茂美に、サティスファクション都は驚き、またパッション郷も驚いていた。
「へえ」
パッション郷からそんな言葉が漏れる。それを意に介さず、茂美は言う。
「あまり、人を舐めないでもらいたいね」
怒気をはらんだその言葉に、妖怪両者共に笑うことで返礼した。
「な、何がおかしい!」
「そりゃあねえ。偉そうに膝が震えている奴の言葉にしては上出来だからよ」
「……!」
指摘されて顔を赤くする茂美であったが、サティスファクション都は更に褒める。
「いやあ、城のわりには頑張ったんじゃない? 私たち、わりと真剣な喧嘩の手前だったとこだし。並みの人なら失神ものだのに」
「というかサティスファクション! いきなり何してくれやがりマスカ! 無い寿命が縮みあがりマシタヨ!」
「ごめんごめん。まさかパッションにまだ遺恨があるとは思わなくて」
「それはこっちの台詞です。そういうのはなし、と言いだしたのはあなたでしょう、サティスファクション」
「まあ、喧嘩するほど仲がいいってやつでいいじゃない?」
「そういう言い方もありますか」
「そういう問題か! 僕や美咲がヤバいことになったらどうするつもりだったんだ!」
「そこは素直に謝りましょう。ごめんなさい」
ぺこり、と頭を下げるパッション郷。
「え、……、あー、うん。分かってくれればいいよ」
それに何故かしどろもどろになる茂美であったが、すぐにある事実に気付いた。美咲である。先ほどから一言も発していない。
「美咲!」
全員の視線が美咲に集中する。そして皆が気付く。美咲が完全に失神していることに。
「あー」
「あー」
「あー。あれだけの妖気、ただの人が浴びたらそうなりマスヨネ」
「美咲、しっかりしろー!」
茂美の言葉が、徐々に元に戻りつつある部屋に、強く響くのであった。
強ブキ対策話、そして新キャラ。話を閉じる方向が思いつかないまま、話の幅が広がっていく……。
さておき、強ブキはいつの時代も矢面に立つ物ですが、その実際をちゃんと知っておくと変な敵愾心とかもなくなる。そういうつもりで書いた話であります。所謂厨ブキでもちゃんと使うと楽しいですよ? というか。
後、新キャラはふりはしておいたものの、本当に出てくることになるとは。という状態。話が閉じる方向にいかなくなりそうで困ります。延々と『スプラトゥーン』の話出来てしまえそう。限界はあるけど、そこまでは長いので、どうにかその前にちゃんと話として閉じたい所ですが、どう終えたらいいのやら。




