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剣と龍と神  作者: カナメ
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四十四話

花粉が辛い時期に突入です。くしゃみが止まりません。でも書き続けます。

「いつ呼ばれるかと待っていたが…ボロボロだな」



「マスター、ワタシもヒヤヒヤしてました」



神剣でもある彼女達は、主であるオレの状況もある程度は把握していたみたいだ。

あまり現状に驚いてはいない。

だが、オレが呼ぶまではオレの意思を尊重して介入してこなかったのだろう。

いや、いい女だね二人共。

今すぐ抱きしめたいよ。



「何を分かりきった事を」



「ありがとうございます、マスター。ただ……」



ん?

ただ……何だルシス?



「…我々のマスターをここまで痛めつけた小娘には、お灸をすえねばなりません」



ルシスの氷の視線がレラフを射殺さんとばかりに注がれる。



「ただの剣使ではないと思ってはいたが…なるほど、新たな同胞の一人か。随分と面白い道具を持っておる」



だがレラフはそれに怯む事などなく、冷然と笑うだけ。



「道具じゃない、頼れる相棒達だ」



二人の視線がオレに向けられる。

それは満足…………というものではなく不満。

あからさまな程に突き刺さる視線は何か居た堪れない。

どうやら今の言葉だけじゃ足りないらしい。



「…更にオレの愛する恋人達でもある」



それでようやく満足したのか、二人の顔は花のような笑顔に早変わり。

うん、言葉って大事。

伝えるって、大事。



「面白い事をいうのぅ、新たな剣神は。しょせん神剣といっても道具に過ぎぬのに相棒やら恋人などと…」



「オレは至って本気だ」



これだけはキッパリと断言できる。



「興味が尽きんのぅ。ならばその恋人やらも含めて妾が存分に可愛がってやろう」



轟!!



レラフの魔素が肌にビリビリと突き刺さる。

ホトといい、レラフといい…どちらも底が見えんな。

その圧倒的なまでの圧力に、屈してしまいそうになる絶対的強者のオーラ。

ファラとルシスが両隣に立っていなければ腰を抜かしていたかもしれない。



「しっかりしろカイン。これからどんどん修羅場をくぐっていくんだ、この程度で音をあげてたら主人失格だぞ」



檄を飛ばす師匠に頼もしさを感じるよ。



「大丈夫ですマスター。いついかなる時もワタシ達が支えます」



そしてこちらは包容力と。

精神面のケアも万全。



「なら……後はオレ次第だな」



オレの覚悟を聞き届け、二人の姿が神剣へと変化していく。

オレの手には両刃の剣。

いつ手にしても笑いたくなる魔素だ。



『さて、今回はアタシ達のもう一つの形状を使いこなしてもらおうか』



もう一つ?



『マスター、ワタシ達には神剣の形状が二種あります。現状態が両刃モード。そしてもう一つが……』



『ルシス、説明するより実際に見せて、手にしてもらえば理解が早い』



『それもそうね。ではマスター、形状変化に移ります。マスターはワタシ達のイメージを受け入れ、それを感じて下さい』



二人のイメージ?



『はい。意識を三人共用でリンクします。あるがままを受け入れて頂ければ何の問題もありません』



わかった。

イメージをあるがままに。



『さて、目の前の剣神を少しばかり驚かせてやりますか』



ファラのワクワクとした心情に、思わず子供のような無邪気さを思い浮かべてしまう。



『アタシを子供扱いすんな』



『ファラ、始めますよ』



やや呆れた様子のルシスが状況開始。

オレの手にした両刃の剣は一旦、形成した形を変化させ、二つに分裂。

流されるがままのイメージを頭の中で処理し、あるがままを受け入れていく。



これは……

この形は……



そして魔素が収束、形状を固定化した。



『形状変化、終了。マスター、いかがですか?』



ルシスが誇らしげに感想を伺ってくる。誇ってもいいだろ、これは。

オレの両手には二本の刀。

一本は紅く、もう一本は蒼い。



紅蒼一対の剣。

その美しさに魂が奪われそうな錯覚すら覚える。



そして流れてきたイメージで、この刀の能力も理解した。



紅い方が分類《カテゴリ》聖剣。

蒼い方が分類《カテゴリ》魔剣。

という各々の特性を生かせるバランスタイプ。



この神剣の形状イメージはルシスの虎狼に類似している?



『はい、大半がワタシのイメージです。虎狼は……いうなればこの形状のレプリカ扱いですね』



……剣龍ってそんな事も出来るのか?



『それを説明するには、剣獣というのは何なのかを説明しなければなりませんが……それは追々という事で』



了解、今は置いておこう。



『今後はマスターのイメージ次第で形状変化は可能です。今回は初のお披露目でしたのでワタシ達の方で処理しましたが、今後はマスターが形状《両刃》形状《二刀》を使い分けて下さい。ワタシ達は全力でバックアップします』



『ちなみに状況状況で使い分けてないと判断したら、すぐにでも罵声が飛ぶことを覚悟しておけ』



……つまりはミスは起こりえないと。



『ではマスター、戦闘開始です』



次話はバトルシーン満載です。予定です。期待しないで待ってて下さい。

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