二・五話
多分短い方だと思われる。書いてると感覚マヒしてきたよん。
カインが囲まれている山間部の更に高所で、ある男がジッと見つめている。
体格は小柄で身につけている装備も軽装の類い。動きやすさを優先した身なりだ。
視線の先は赤い髪に上半身を完全に覆うタイプの鎧を着た青年に固定されている。
唐突に小柄な男が口を開く。
「あっちに行ったのが今回の候補者か?」
口調には若干だが怪訝な響きが伺える。
その問いに後ろで控えていた金髪の青年が
「はい、あの者がそうです」
無感情に答える。
「ふん、あれがねぇ……今回の候補者は随分と弱そうだな。間違いないのか?あれで最後なんだろ?」
振り返る事なく小柄な男は念の為に再確認する。
「間違いなくあの者です」
金髪の青年は即座に断言する。
力強くもなければ、少しの迷いすらなくただ事実のみを淡々と語る。
「ふぅん?……どう見ても低位の剣使にしか見えんぞ?」
「ご推察通り、あの者はC級剣使です」
その報告に今度ばかりは小柄な男は嘲りの表情を隠そうともせず吐き捨てる。
「C級だと?やはり何かの間違いだろ?今まで候補者に選ばれたのは最低でもB級だったはずだ。」
「はい、C級は我々が観測を始めてからあの者が初です」
「……あんなのより強いのは適当な街に行けば五、六人はいそうだぞ」
やはり納得できないとばかりに小柄な男は首を傾げる。
「まあ候補者の選ばれる基準はこちらが決めるわけではないのだからどうでもいいが…最後があれでいいのか?アレは拍子抜けしないか?」
「アレは例え相手がどんな弱者だろうと手を抜くとは考えられません」
金髪の青年の言葉に小柄な男はやや眉をひそめたが…表情はすぐに元へと戻る。
怒っても意味がある存在とない存在がある。金髪の青年は後者だ。
ならば怒るだけ無駄というもの。
「……どれだけ小物であれ、あの方の計画通りにコトを運ぶまでだが。おい、あの小物をしっかりと監視しておけよ人形師」
人形師と呼ばれた金髪の青年は無言で頷き、その場を去る。
命令通り赤髪の青年、対象名カインを監視する為に。
立ち去る人形師を見送りながら小柄な男が憎らしげに
「奴自身も人形のような奴だ。何を考えているのか全く読めん。あの方も何故あんな得体の知れん奴を配下に置いたのやら……」
散々に毒を吐く。
再び視線を向けるがそこには誰もいない。
ただ赤髪の青年が去ったであろう方角をジッと見つめている。
「ふん、せいぜい不様に踊れよ。すでに定められた運命を辿るだけの存在よ。あの方にとっては貴様も人形師も……このオレですらも盤上のコマの一つに過ぎんのだからな」
別視点でした。ここでようやっと主人公の外見がお披露目ってね……段取りわるっ!細かい顔の造形は未定。個人的には可もなく不可もない顔立ち(予定)野郎はどうでもいい。肝心なのは女性キャラだ(キリッ