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知らない、とは怖い事なのですね  作者: 福田雪乃


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02:鑑定と称号




 どれくらい経ったのでしょう。

 もうパーティーは完全に終わっている時間なのに、まだ私達は軟禁されていました。

 途中で私だけが呼ばれ、夕食をご馳走になりました。

 他の家族とヴァッサーは、最初に用意されたお茶と軽食しか口にしていない様子。

 食堂に人数分のカトラリーは用意されていたから、私に意地悪をしなければ食べられたのでしょうに。


 そう。応接室に連行されてから、私は地味に意地悪をされていました。

 部屋の中央にあるソファにまずヴァッサーとブリーゼが座り、その向かいに両親が座りました。

 末席の一人がけのソファに座ろうとしたら、ヴァッサーが部屋の隅にある従者用の椅子に座れと私に命令したのです。有り得ません。


 しかし、ここはアンドロシュ公爵家で、ヴァッサーは公爵子息。

 私は伯爵令嬢なので、ヴァッサーの命令には従うしかないのです。

 せめてクロイツァー伯爵邸なら拒否する権利もあったのに。


 まぁ、その様子が公爵夫妻に報告されたので、ヴァッサーは夕飯抜きになったのでしょうけどね。

 当然、それを許した両親とブリーゼもね。お客様扱いはされないようです。ふふふ。




 あまりにも暇過ぎて、私は応接室の中の物を片っ端から鑑定して時間を潰していました。

 鑑定といっても、日本の漫画や小説のように事細かに解るわけではないのですが。

 [綺麗な壺 高い]

 [風景画 高い]

 [魔導ランプ すごく高い]

 この程度の情報しかない、微妙な精度なのです。


 異母妹を鑑定しても、名前と魔法の属性程度しか判らない残念仕様。

 その為、スキル授与式当日に面白がって使った以来の、久しぶりの鑑定でした。

 約十年ぶりだわ。

 せめて爵位だけでも判定出来れば使い道が有るのに。うっかり不敬罪を犯さずにすみますから。



 目の前のテーブルを鑑定します。

 [テーブル まあまあ高い]

 さすが公爵家。従者用の調度品も良い物を使ってるらしい。

 そう思った時、目の前の鑑定結果と重なるように、新たな画面が開かれました。


[スキル【鑑定】のレベルが上がりました]


 え? この世界のスキルにレベルがあるなんて聞いた事ないんですけど!?

 戸惑いながらも、鑑定したばかりの従者用のテーブルを再鑑定してみた。

 [テーブル オーク材 従者用として使用 まあまあ高い]

 おぉ! いきなり使えるスキルに変化しています!



 ちょっとした悪戯心で、ブリーゼを鑑定してみました。

 [ブリーゼ・アデリナ・クロイツァー 貴族籍上は伯爵家次女 風属性 称号聖なる乙女]

 え、凄い情報増えてる。

 聖なる乙女、略して聖女ですか。

 通称ではなく、本当に聖女だったのですね、ブリーゼ。


 次に元婚約者を鑑定してみました。

 [ヴァッサー・ヤニク・アンドロシュ 公爵家次男 水属性 称号愚者]

 称号愚者って……もしかして、精霊から見た称号なの?

 そうなると気になるのは、父の称号よね。


 [シュラム・ギード・クロイツァー 貴族籍上は伯爵家当主 土属性 称号詐欺師]

 詐欺師?! これは、どういう意味なのでしょうか。

 それに貴族籍上は伯爵家当主って、おかしい気がします。

 私の実父である時点で、私を介して伯爵家と血の繋がりが発生しているはず。



 え? 待って。そういう事?

 私の実父ではない、とか?

 だから詐欺師?

 いや、でも実父ではないのならば、詐欺師なのは実母の方ですよね。

 まさか父に「貴方の称号が詐欺師なのですが、心当たりありますか?」とは聞けない。


 とりあえず、継母を鑑定してみましょうか。

 [フォイアー・ヘルタ・クロイツァー 貴族籍上は伯爵夫人 火属性 称号不倫相手]

 あ、うん。不倫相手で間違いないですね。

 結婚しても称号は更新されないのかしら?

 いや、でもヴァッサーの称号が愚者なのは、婚約破棄したからか浮気したからかな。とにかく婚約当初とは変わっているはず。

 精霊の気分で変わるのかもしれない。



 その後も部屋の中を鑑定していって、ふと、自分を鑑定した事が無い事に気が付きました。

 鏡に映して鑑定しても、多分鏡の鑑定結果が出るよね。

 何も装飾品の無い状態で手を見ながら鑑定すればいけるかな?


 [クリーマ・イリーネ・クロイツァー 伯爵家当主 風属性 称号精霊の愛し子]


 良かった。鑑定出来……んんん?

 伯爵家当主? 確定なの?

 もしかして、これが父が詐欺師と呼ばれている理由?


 私が母亡き後すぐには当主になれなかった理由は、母の遺言書に私が結婚したら爵位を継がせる、と書いてあったからです。

 だから貴族院も、幼い娘を(おもんばか)った遺言書だと、父を期間限定の当主とするのを認めたのです。

 通常は私が当主になり、父は当主代理または後見人になるのだけど、何せ当時の私は五才で婚約者もいなかった。



 襲爵してから婚約者を探したら、(ろく)でも無い奴が寄って来るかもしれないと、父の伝手で公爵家次男のヴァッサーと婚約したわけだけど……意味無かったですね。

 でも、アンドロシュ公爵家自体は由緒正しい貴族なのは間違いないし、嫡男のエールデ様もとても優秀な方です。


 クズなのは、元婚約者のヴァッサーだけ。

 私の引き、悪すぎやせんかね?




お読みいただき、ありがとうございます!

すみません。予約投稿の日付を間違えておりました……

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