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知らない、とは怖い事なのですね  作者: 福田雪乃


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01:この世界




 クロイツァー伯爵家の長女、クリーマ・イリーネ・クロイツァー。

 それが私。

 風属性を持っています。


 この世界には、精霊と妖精が存在し、魔法使いが普通に居ます。

 皆、生まれた時に神殿からファーストネームを貰い、ミドルネームは家族が付けます。

 そして七才になると教会へ行き、自分のスキルを授かるのです。



 そしてこの世界では、貴族の領地には守護精霊が存在しています。その精霊に認められなければ、後継者にはなれないのです。

 結婚は比較的自由に出来ます。

 ただし、何度も言いますが、精霊に認められなければ、後継者にはなれないのです。


 実母と父は結婚はしましたが、もしかしたら父はうちの精霊に最初から嫌われていたのかもしれません。

 なぜこんなクズと結婚したのですか、母よ。


 私が五才の時に亡くなってしまった母。

 美人薄命。

 伯爵家の後継者で、美人だったのに、なぜ本当に、あの父と結婚したのでしょう。



 クロイツァー伯爵家は母方の血統で、父はどこぞの子爵か男爵らしい。

 らしい、というのは、コンプレックスなのか父が絶対に話さないから。

 そしてブリーゼの実母であり、私の継母にあたる現伯爵夫人は、男爵令嬢だった人。


 私と三ヶ月しか違わない同い年の異母妹がいるということは、母の生前から関係があった元愛人という事でしょう。

 父が伯爵家の血筋ではない為、貴族院に第二夫人とは認められなかったはず。

 その時点で気付きなさいよ、とは思う。

 父がクロイツァー伯爵家を追い出されず再婚できたのは、私という正統な後継者がいるからなのにね。



 実は私は父に全然似ていません。顔は母似ですが、瞳の色はどちらとも違う。

 普通はどちらかと同じになるのに、母はエメラルドグリーンで、父は赤。

 私は綺麗な青……スカイブルーなのです。


 因みに髪色は、属性に沿う色なのがこの世界の常識。

 なのに、なぜか私は緑色なのです。

 風属性なら白系のはずなのに。


 ブリーゼは白金(プラチナ)

 ヴァッサーは水色。

 父は茶色で、継母は黄色。


 なんてファンタジー。




 もうお気付きだろう。

 私は、所謂(いわゆる)転生者と呼ばれるものである!

 記憶が戻ったのは、七才の時のスキル授与式の時。

 風属性と一緒に、【鑑定】というスキルも貰ってしまった。

 これは多分、転生者特典だと思う。

 授与していた司祭も「風属性です」としか言っていなかったし。


 この授与式には、ブリーゼも一緒だったのを覚えている。父も継母もブリーゼだけに付き添っていたのも。

 私はお付の侍女候補だと周りには思われていのだから、その様子がどれだけ(かたよ)っていたのかおわかりいただけるだろうか。服装が質素だったら、メイドと思われていただろう。




 母の死後、喪が明けた途端に再婚した父。私が六才と八ヶ月位の時でした。

 いきなり継母と異母妹、そして多忙なはずの父まで屋敷に住み始めました。母の喪が明けるまで、仕事で忙しいとほぼ別邸暮らしだったのに。

 別邸は父の名義であり、唯一の資産。

 土地はクロイツァー伯爵家の物なので、私が当主になったら土地使用代を取ろう。

 今、決めました。


 ヴァッサーとブリーゼが結婚したら、両親と共にその別邸へ追い出そう。

 別邸の使用人の給料は、私が当主になったら()める。

 今は一応父が当主なので、仕方がない。

 我慢してやろうか。




 今思うと、私は記憶が戻る前から、少し変わった子供でした。

 なぜなにが異様に多かったのです。


「なぜ何も無いところに火が出るの?」

「魔法だからですよ」

「何が燃えてるの?」

「魔力です」

「では風魔法はなぜできるの?」

「そういうものだからです」

「水は……」

「もう良いでしょう。次の勉強へいきますよ」


 そんなやりとりを日々行っていました。

 無意識に前世の知識に引きずられていたのかもしれない。

 今なら、火魔法で燃えているのは魔力ではなく、酸素だと解る。

 なぜなら、密封したガラスの中で火魔法は弱くなっていき、そのうち消えてしまうから。

 魔力はきっかけというか、発動ボタン?



 今は希少な水魔法使いも、昔はもっといたらしい。

 ようは材料となる水がこの世界に足りていないのでしょうね。

 うちの領地もそうですが、畑はあるけど森や林は少ない。


 畑も元気がない……気がする。

 落ち葉が無いから、腐葉土とかも無いからなぁ。

 しかも空気が乾燥しているので、雨が少ない。

 水魔法で無理矢理雨を降らしているので、余計に空気中の水分が無くなって乾燥が酷くなってる気がするんだよね。



 早く正式な当主になり、父を追い出して領地管理をしたいのですが……。

 今の一番の問題は、結婚しないと当主にはなれないという事。

 三ヶ月後には結婚して、父から当主の座を奪うはずだったのに。


 このままでは父が死ぬまで結婚を邪魔される気がします。

 (ちな)みに私が未婚で父が死んでも、系譜を遡って母方の親戚がクロイツァー伯爵家を継ぐので、ブリーゼが継げるのはクロイツァーという名前だけ。身分は平民に落ちます。


 ヴァッサーがアンドロシュ公爵家を継いで、ブリーゼが嫁入りすれば貴族のままでいられるけど、その可能性は低いですね。

 ヴァッサーの兄で後継者のエールデ様は、とても優秀な方ですからね。




お読みいただきありがとうございます(*^^*)

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