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第四章・迷いの種〜1〜

    第四章・迷いの種〜1〜


 瀬戸瑛人と楓柚月の二人はまたしても難事件を解決することができた。支部長の山吹律から直接渡された任務を早々にクリアすることができたのは、二人にとって喜ばしいことだった。

 それにも関わらず、どうにも瑛人の表情が浮かばれないのを、楓は心配していた。

「瀬戸さん。せっかく任務を達成したんですよ? 何か気がかりなことでも?」

 二人は中央区の第一管理局に帰るためにモノレールの駅へと歩いていた。時刻は午後五時。日暮時で、機械都市も少しながら赤くなる。

 瑛人がなかなか話さないので、楓はさらに話しかける。

「でも結局、斎藤蓮人とは関係なさそうでしたね。スーツの出所はわからずじまい。私は唯一そこが気になるところです」

「そうだな。取り調べをしている内に何かわかるかもしれないから、期待しておこう」

 取り調べが終われば、監禁型更生施設に行くことになるだろう。そこで罪が決まるのを待つ。

 瑛人はずっと、罪という言葉に疑問を持っていた。かつての親友、戸田琴音に、「罪を利用している」と聞かされてからずっとだ。

 悪人と罪は同義なのだろうか。瑛人は違うと思っている。

(飯田智仁だって、罪人ではあっても悪人とは言い切れない……あくまでも彼は彼の愛を証明したかった……いや、かばいすぎか)

 瑛人は重たくて邪魔な考え事から離れることにした。それは未来のどこかの自分にまかせて、今は事件解決を喜んでもいいだろう。

「報告書はどっちが書く?」

「私が書きますよ。瀬戸さんはお疲れでしょうから」

 今のうちに慣れておきたいので、と付け加えた。相変わらずいい子だと瑛人は思った。天音や赤木が後輩としてほしがるのも頷ける。

 しばらく歩いていると腕時計に着信が入った。赤木からだ。


「おう瑛人。そっちの調子はどうだ?」

「今終わって、帰っているところ。そっちは?」

「こっちも無事に終わったよ」

 赤木はカメラを周辺環境が見えるように動かした。瑛人が見ていたホログラムに、残骸となった巨大兵器が映された。

「天音も俺もケガはないよ。後輩がかすり傷を負ったぐらいかな」

「へぇ、さすがだ」

 瑛人はそれから、モノレールの駅に着くまでにどんな戦闘があったのかを聞こうと思った。気になることがあるときは、別のことに興味を持てばいい。それを実践しようとした。しかし、瑛人の興味は赤木との話ではないところに強引に移された。

(……なんだ? 誰かに見られている?)

 瑛人は不気味な視線を感じた。寒気がして、尾行されていると確信した。

(後ろの、二つ目の曲がり角か……どうしてこうもわかりやすく)

 考えられることは一つ。尾行者はわざと瑛人に気づかれようとしている。やろうと思えば、第一管理局に瑛人が帰るまで尾行できたはずなのに。もしくは単純に初心者か。

(俺を管理局の人間だとわかってのことか?……だとすれば、相手はスーツを持っている可能性が高い……)

 瑛人の脳裏に、食堂で天音から聞いた言葉がよぎった。

「スーツを奪うにしても、局員に勝てるだけの実力がないと無理だから……」

 寒気を消して、スンッと心を落ち着けた。水面は穏やかな方がいい、波風立てても仕方がない。

 冷静な判断をしろ。瑛人はそう言い聞かせた。

 怪しまれないように、瑛人は赤木との会話を続けた。

「今度詳しく聞かせてくれよ」

「ああ、そっちの話もな」

 通話が切れて、ホログラムも消えた。一度捉えた尾行の気配を瑛人ははっきりと感じることができた。ただし、楓は気づいていない。

 相手は明らかに視線を瑛人に置いている。

(狙いが俺だけだとすれば、やりやすい)

 瑛人は自然体を装って楓の隣を歩きながら対策を考えた。まず、楓に伝えて一緒に確保する。これだと、相手にこちらが臨戦態勢に入っていることに気づかれてしまうかもしれない。

 このまま第一管理局まで帰るという手もある。

(だが、それだと相手の狙いがわからない)

 わざわざ管理局の男を尾行する理由はやはり気になった。

……

「さて、どうしようかな」

『そんなに理由が気になる?』

「ああ、気になるね。スーツを持っている可能性も高いから、話は聞きたいよね」

『だったら悩まずに、二人で取り押さえればいいじゃない』

「戦闘に入る前に気づかれて逃げられる可能性と、それから楓ちゃんが危険だ」

……

 瑛人は悩んだ挙句に、一人で戦うことにした。

「楓ちゃん。悪いけど先に帰っていてくれ」

 駅まであと僅かというところ、瑛人の先を歩いていた楓は驚いた様子で振り返った。

「え? どうしたんですか?」

 楓には瑛人が帰らない理由が見当たらない。いつもの瑛人であれば任務を終えたら早く家に帰ると言うはずなのに。

「ちょっと買い物。目黒区にはなかなか来ないから、買っておきたいものがある」

「ふーん」

 いかにもという様子で楓に怪しまれた瑛人は視線を楓から外した。そして、タイミングよくあることを思い出した。

「大学時代の友人が結婚したんだ。今度会うのだけど、式には参加できなかったからお祝いの品をね」

 大学時代の友人。天音でも赤木でもない。桧垣翔と矢島南の二人のことだ。彼らは大学卒業後も快適な付き合いを進め、順調にゴールインを果たした。「早く結婚しろよ」と思うところもあったので二人の吉報には瑛人も喜んだ。


 式で直接会って話したかったのだが、管理局で重要な任務があって結局会えずじまい。結婚後に自分のために時間を取ってもらうのも申し訳なく思っていたところ、ありがたいことに桧垣と矢島の方から食事の招待があったのだ。

(……あれ? いつだっけ)

 急いで腕時計でメモを確認したところ、その予定は明日の昼だった。忘れていた。冷汗が背筋を流れた。

 瑛人は笑って楓に言った。

「とにかく、そういうことだ」

 楓は今日じゃなくてもいいでしょう、とツッコミを入れそうになったのを心の中だけにしておいた。

「報告書は任せるよ」

「はぁ、それはいいですけど」

 楓と瑛人は改札の前で別れた。楓がロビーに上がっていく様子を見守り、中央区へと向かうモノレールが発車するのを待った。

 発車したモノレールが見えなくなっても、瑛人は自分に向けられた視線を感じた。これで瑛人は狙いが自分だけだと確信を持てた。

(さて、どこで取り押さえようかな)

 瑛人は行く当てもなく歩き始めた。相手がスーツを着用していることを前提として、なるべく人がいない場所に行きたかった。しかし、目黒区は機械都市になっても人気の住宅街だ。どこを歩いても人がいない場所なんてない。学生も多い。

(最悪なロケーションじゃないか)

 かつて桜の名所だった目黒川を渡る。桜の影もないが、資料と重ねるとたしかに面影を感じることのできる場所だ。川に沿って飲食店が立ち並び、中を見ると学生や主婦が大勢いることがわかる。

 橋を渡りきるとき、すれ違った学生たちの警戒心のなさがさらに瑛人を不安にさせる。ここで戦闘が始まるようなら、巻き添えにしてしまうだろうな、と。

 その一瞬だった。瑛人が学生に気を取られた僅かな時間だった。背後に感じていたはずの視線が消えた。

(しまった! どこに!)

 咄嗟に振り向いた。しかし、それすらも悪手だった。瑛人は次の瞬間には自分のすぐ後ろに、その相手がいることを悟った。

「きれいな花には棘があるらしい。気をつけろよ」

「っくそ!」

 瑛人は瞬時にエネルギースーツを稼働させ、刀を取り出した。振り向きざまに、頭上から振り下ろされた剣を受け止めた。

 ギィン! と周囲に甲高い金属音が鳴り響いた。火花が飛び、上から加えられる力に踏ん張ると、下のコンクリートに亀裂が入った。

「俺に何か用か? 目的はなんだ?」

「さぁ、なんだろうな」


 ロングコートを羽織って隠しているが、明らかにエネルギースーツを使った力だった。独特な模様のマスクで顔は見えない。その奥から聞こえた声は、変声機を通した枯れた声だった。

 しかし、背中の方に長い髪が見えた。

(……女、なのか?)

「なんとなくと言ったら?」

「噓つくなよ」

 瑛人は周囲の確認をした。金属音に驚いた人たちが走って逃げている。飲食店の客たちは面白そうに窓に張り付いてこちらを見ていた。窓一枚で強気なものだ。

「とにかく場所を変えるぞ!」

 瑛人は剣を弾き、膝に力を溜めてから大きく跳んだ。ベランダやダクトを足場にして、瑛人は見渡す限りで一番高いビルの屋上へと上った。

 女はいとも簡単に瑛人の後についてきた。この時点で油断ならない相手だとわかる。

「学生に手を出すのはやめておきなさいよ?」

「何を勘違いしているのか知らないけど。そっちこそ、管理局に手を出していることはわかっているのか?」

 女は二対の短剣を器用に回していた。武器の扱いに、かなり慣れている。

「ええもちろん。だけどね、そうね……あなたの質問に答えてあげるのなら、管理局の実力を知りたかったから」

 地上二百階の屋上だ。二人の他には誰もいない。互いを警戒し、出方をうかがっていた。高所の冷たい風が流れ、女の後ろでまとめた髪が流されている。

 先に動いたのは女の方だった。回していた短剣を空中に投げ上げ、その隙にロングコートを脱ぎ捨てた。両手を構えた場所に短剣が吸い付き、二つとも握りしめた。わずかに膝を落とし、戦闘態勢に入る。

 ロングコートの下に隠されていたのは予想通り、エネルギースーツだった。引き締まった体に馴染み、稼働音を鳴らしている。

「それじゃあ、こっちから」

【解放能力・80】

 その数値は、よく聞きなれた数値だった。まったく同じリズム、同じイントネーションの機械音声だ。ただし、自分の着ていないスーツからその数値を聞いたことなど、一度もなかった。そのために、瑛人は機械音声に驚かされてしまった。

「80だと?」

 女が地面を強く蹴り、瑛人の懐へと飛び込んだ。瑛人が数値に驚いている間に、女の右の短剣が首元に滑り込んだ。

 半月を描く銀色の刃が、ビュン! と鋭い音で空を斬った。

「……っ! 危ない!」

「管理局の強そうな人として、あなたを試してみよう」

 女は素早い身のこなしで振り切った右手の勢いを利用し、左脚で瑛人を蹴り飛ばした。

(こいつ、何者だよ。どうして管理局でもない人間が、80なんて数値を出せる)

 瑛人はバックステップで距離を取りつつ、状況整理に入った。

 相手は女。それは関係ない。重要なのは、敵であること。それと……。

 女が再び膝に力を溜め始めた。

(同等の解放能力での戦闘だ。油断すればすぐに死ぬ。集中しろ。相手は通常のものよりも少し短い短剣を装備して、早さ重視のスタイルだ。戦いに慣れている。俺を殺すつもりだ)

 女は軽い身のこなしで瑛人との距離を詰めると、やはり急所狙いの様で、首元に鋭い一撃を放った。

「集中しろ……相手は強い。殺すつもりで、ちょうどいい」

 瑛人は短剣をしゃがんで躱しながら、腹部に刀を流し込むように動かす。

 ガギィィと短剣が鳴いた。女は寸でのところで右の短剣でそれを防ぐと、瑛人の雰囲気が変わったことを感じ取り、今度は女の方が距離を取った。

「殺しだけは苦手なんだ。だが、殺す気で来るなら、覚悟はできているな」

「フフ、最初から本気で来てよね……」

 瑛人は膝を落として構え、女はダラリと両手を下げて構えた。お互いの視線が重なった瞬間、広い屋上の中心で大きな火花が散った。

 瑛人の全速力に女の速度も匹敵しており、常人の目では負えない速度にまで加速していた。戦っているとわかるのは、いたるところで刀と短剣が当たる火花が散っていたから。ある所で火花が発生し、消える前にまた次が。

「あなたはさっき、私に目的を聞いたけど!」

 女は戦闘中にもかかわらず、瑛人に話しかけた。

「まだ話す余裕があるのかい?」

「私はね、あなたの目的の方が気になる」

 短剣をフェイクに、女の蹴りが顔面に迫った。瑛人はわずかな隙間に腕を潜り込ませ、ガードした。

「管理局として戦う理由が気になる」

 管理局として、命を懸けて戦うのはなぜだ。どこに命を懸けている?

(まったく、痛いところを突いてくるな……)


 命をかけて戦う。そんな風に思ったことはない。正直なところ流されたのだ。琴音がどこかに消えてからというもの、どうにも現実世界に身が入らなくなり、大学で受けたスーツの着用体験で高成績を叩き出したから管理局にいるだけ。

(いや、少しは琴音のことが気になっている。ということもあるか……管理局にいればまた彼女に会えるかもしれない……なんて)

 屋上の中央付近で瑛人の攻撃を女が高い跳躍で躱した。間髪入れずに瑛人もそれを追う。

「ほら、理由は何なのさ!」

「……犯罪者に教える義理はないな!」

 空中での斬りあいとなった。瑛人の刀を左の短剣で止め、右の短剣で反撃。避けて左の水平斬りをフェイクに左下からの斬り上げ。女はそれを躱すもののバランスを崩す。瑛人は刃を返して斬りつける。左の短剣でガードしながら、右の短剣で反撃。瑛人は女の右手首を掴みそのまま引き寄せると、膝を腹部に入れた。確かな手応えがして、女は小さく「ウ!」と、声をこぼした。

「お前がどうしてスーツを持っているのか、どうして管理局に喧嘩を売るのか、ちゃんと答えてもらうぞ!」

「それは、ちょっと不公平じゃない?」

 瑛人は女を屋上へと投げつけた。そして飛空刀牙の準備をする。エネルギーが吸われ、刀に送られる感覚。その後、瞬く間に刀を振った。

 女は瑛人の技を食らえば死ぬと直感した。防御に専念すれば防ぎきる自信があった。しかし、このまま屋上に叩きつけられても大ダメージを食らうことは避けられない……。

 女は短く息を吐き、呟いた。

【飛空刀牙】

 体を強引に捻じり、二対の短剣でそれぞれ上下に拡張斬撃を放つ。瑛人の攻撃を弾き、落下の勢いを殺した。

(……飛空刃牙は管理局の技、なぜ使える)

 女はさらに屋上へと小さな球を投げつけた。着弾したそれは白い煙となって広がった。

(煙玉……ずいぶん古典的なものを)

 煙で女を見失うものの、瑛人はそのまま煙が広がる屋上へと着地。周囲の変化に、音に、極限まで集中する。そして右目の端で煙のおかしな動きを捉えた。

「そこだな!」

 微かに服が揺れ動くのを見た。瑛人の最速の斬撃が瞬時に放たれた。しかし、瑛人の手には幽霊を斬ったような、軽い感覚しかなかった。

「どこを見ているの?」

 瑛人は文字通りの体当たりを背中に受けた。女性の体当たりでも、解放能力80ともなれば車にはねられたようなものだ。

 衝撃で吹き飛ばされ、白煙から脱出した。

「くっそ、さすがに強いな。せめて何者かだけでも教えてほしいものだ」

 間髪入れずに女の追撃が始まった。短剣使いなだけあって手数は瑛人よりも多い。

 瑛人は数撃を躱して反撃しようとしたところ、これまでで一番鋭い右の斬撃が瑛人に迫った。

 攻撃を中断。刀で防御。金属音が響き、女は刀と短剣の衝突の衝撃で短剣を離した。それを見るなり瑛人は反撃しようとするが、短剣が手から離れることすらも、攻撃の一部だった。女は勢いのまま体を回して飛び上がり、回転蹴りを放った。その蹴りはただの蹴りではなかった。

 空中に置き去りになっていた短剣を、女は蹴ったのだ。

(これは避けられない!)

 さすがに意表を突かれた瑛人は、首を動かして避けようとするも、頬に刃がするりと通った感覚を味わうことになった。

 血の線が瑛人の頬に浮かび上がる。

(本気でやらないと、冗談抜きで死ぬな、これは)

 血を拭きとって、血ごと手を強く握った。べたっとする感触が気持ち悪い。

(ははは……戦いでこんな高揚感は久しぶりだ)

 瑛人は刀にさらにエネルギーを送り込み、最大の拡張斬撃を放つ用意をした。

「いくぞ……」

 気合十分に、戦闘を再開しようとした時だった。瑛人とは反対に、戦闘中にも関わらず女は短剣をしまったのだ。そして、首元に手を運ぶと変声機のスイッチを切った。

 機械を通さないクリアな声で、女は言った。

「やっぱり、マザー回路に選ばれた人たちは強いわね」

 瑛人の動きがピタリと止まった。

「……まさか、その声って……」

 相手の女が仮面を外し、隠していた顔を見せた。その顔を見た瞬間に、瑛人は自分が何を言おうとしていたのか忘れてしまった。

 それは何度も見た顔だった。大学の約一年、何度も見た顔だ。

「わたしの声、忘れちゃった? 瀬戸瑛人」

「琴音!」

 女の正体は戸田琴音だった。自分の目をものすごく疑った。戦闘中にいつの間にか目にダメージを受けていて、幻覚でも見ているのではないかと。しかし、見れば見るほどに、間違えようもなく、戸田琴音だった。

 クフェアに行くと言って、それ以降会えなかった琴音に間違いない。

 瑛人の驚き顔に満足したのか、琴音はニコッと笑ってエネルギースーツをオフにした。

「その様子だと、驚いてくれたようね」

「驚かない方が無理だって。……殺しに来ているし」

 瑛人も武装とスーツを解除した。

「ただの力試しよ。最後の攻撃、どうだった?」

 瑛人は聞きたいことが山ほどあるというのに、自分の話をどんどん進めていくのは、実に瑛人の知っている琴音らしかった。

「驚いたよ。短剣を蹴るなんてね」

 琴音は自分の頬を撫でた。琴音の頬にも同じ様な切り傷ができていた。

「まあ、これでおあいこってとこね」

 言い返したくなったのをぐっと堪えた。

「久しぶり」

「ええ。本当に……少し話しましょうか」

 琴音はそう言うと瑛人の右手を握り走り出した。後ろに結んだ髪の毛が当たりそうになったのを瑛人は躱した。

「どこに行くの?」

 琴音は肩越しに半分振り返った。

「近くのカフェでいいでしょう? ほら、ぼさっとしてるとケガするよ」

 琴音は瑛人の手を握ったまま、地上二百階から飛び降りた。

……

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