第九話...器械探偵
⚠秋影君の名前は変更される場合があります、良しなに。
食事を終え、身体を伸ばして普段着のチェスターコートを羽織る。今日の夜の仕事は空港の格納庫に向かい、夜中の二時頃に怪しい動きをするフードの男がカメラに写ったと報告があった。
ウイルスを入れられて事故など起こさせては、株価下落する。それと工業地帯にもそのフードの男の目撃情報、今夜中には帰れそうにないな。
今日は機械に強い桜満秋影さんと、その彼女の来投白檜さんと行動予定。
二人は桜満と言う七家を指揮している、リーダー的存在の家の生まれだ。桜満の仕事は警察等の仕事、桜満は20以上になることで公安第零課に入る事ができる。公安警察の中でも最も入るのが難しく、対異能テロリスト専門の課。
第壱課から第肆課までは協力しながらテロリストを捕獲_殲滅を行うが、第零課は絶滅専門の組織で、課を越えた友人でなければ協力しない。
「じゃあ行ってくるわ」
「夜勤頑張って!」
「いや帰って来れない事もあるんだわ」
この仕事で戦闘及び、護衛の仕事が長引くと睡眠が取れないまま客船に向かうはめになる。だから死ぬか延長は遠慮したい、それに客船に向かえない事もありゆる。
サッサと終わらせて帰ってくるか、と言いたいけど機械関係は秋影さんだから俺は護衛するしかない。
「行ってきます」
「「行ってらっしゃい」」
外に出ると、黒く塗装されたワンボックスカー。車に乗り込むと、秋影さんと白檜さんが既にいる。
と言う事は俺が最後、いや仕事終りか。秋影さんはヤッパリ服装が......黒いな、それに白檜さんはピンクと白の冬服。
車内はパソコンやタブレットPC、大きい機械等が並んでいる。秋影さん達以外にも数人の白衣を着た女性や男性が、パソコンと睨めっこしていた。
恐らく秋影さんのメイドと執事さんだろう、秋影のメイドさん達は機械系が得意だと聞いた事がある。
秋影さんの服は黒く、赤いラインが入ったコートを羽織り、それと同様の服とスボン、靴を履いている。ゲームに取り込まれる事件に二人とも巻き込まれ、その時にゲームで愛用していた服装を着ているらしい。背中には洋風の黒い剣。光に反射し、紫色に見えるのは赫兵器_ツクヨミ。
異能を奪われた秋影さんに渡された、桜満家専用の赫兵器。
「こんばんは、零人君」
「こんばんは、今回はよろしくね」
「こんばんは...お二人共仕事終わりですか?」
「ある少女、まぁ零人君と同い年の子なんだけど、失踪してね」
「失踪事件なんて頻繁にあるのでは?」
「その子、ストーカー被害にあっていたそうなの」
「もう死んでるんじゃ」
「いや、ストーカー被害と言っても男一人の追跡じゃないの。団体が絡んでいるらしくてね、テロリスト達に狙われていた事が分かったの」
「は?」
「何でって顔してるな、その気持ちは分かる。そいつらは異能保護団体の会議や、異能者の人権国会の邪魔をする組織。通称アリ_集団行動が得意な連中でね、俺達も何度か幹部を取り逃している。そんな組織が地海さんを襲う理由は俺達が知る限りない、でも何かある。明後日の海上会議が漏れた事は分かってるから、アリ達が何かを起こそうとするのは目に見えてる」
何を使用ってんだ?地海、何処かでその名前を見た気がする。どこだっけ?何かで聞いた事がある。
「そして、今回は探偵と行動してもらう」
「探偵?捜月みたいな殺人専門の...諮問探偵ですか?」
「あの探偵とは違うんだよ。諮問探偵は相談された事に対して回答するみたいな仕事、普段の捜月君は殺人事件や七家の仕事をしているから殺人専門の探偵は諮問探偵と勘違いされやすいの」
「って事は殺人専門の探偵?それとも殺人意外の専門探偵ですか?」
「あぁ、今回は器械探偵だ」
「なんです?それ」
「機械系の仕事を行える専門の探偵。まぁ、今回は継ぎ接ぎの皮膚を持ち、身体の一部が機械だから付けられた2つ名的な呼び名。捜月と共に一つの固有名を持つ、とてもとても優秀な探偵だよ」
へ?諮問探偵って彼奴の事を指していたのか。
職業を答える時に、彼奴が諮問探偵だと話していたのは、世界で一人紅井捜月の証明。まさか、探偵って俺が知ってる寄り多いのか?
「今からその子の家に行くよ」
「まさか女性ですか?」
「中学二年性の女の子だよ」
中学二年の、継ぎ接ぎの女の子。探偵だから強いのか、彼奴と同様の二つ名を持つから実力はありそう。探偵としても優秀じゃないと二つ名は貰えないよな、いや彼奴の所為で探偵と言う職業が分からない。
「すぐ着くよ」と言われ、二十分程高速を走って着いたのは普通の一軒家。ドアが開いて出てきたのは、カボチャのクッションを抱える継ぎ接ぎ縫い目が目立つ美少女。黒髪ロングで、斜め上から鼻にかからない程度の皮膚が違う。
オッドアイ、そして目立つ白衣。白衣のしたには中学の制服が見え、ブレザー姿からは少し縫った継ぎ接ぎの痕。
女の子はワンボックスカーを見ると、「はぁ」と溜息を付いた。ドアを開けた秋影さんが「不服かな?」と質問するも、少女は膨れっ面で「別に」と溜息混じりで答えた。
「一体どういう事かな?解放者」
「いや、空夜の剣士と言った方が馴染み深いかね?」
「ラスタードゲーム組以外の所でその名は辞めてくれ」
「今回の依頼、僕は必要なのかな?紅井捜月が居ない時のセカンドプラン的な感覚で使わないで欲しいな」
「今回は機械系の話で、捜月じゃ駄目なんだ」
「それは違うね。奴は僕との二人で協力した時に、監視カメラのハッキングを余裕で行っていたよ。本人曰く「面倒臭いじゃん?」らしいが、もう一度聞くが僕は必要かね?」
「必要なんだって!彼奴と違って一人...するな。捜月と比べて性格面がマシだし、女の子というのは仕事で便利じゃないか」
「なら協力してあげようじゃないか!でも、私と捜月は仁が書く探偵譚の物語でかなり有名だぞ?」
探偵って、自分が納得しないと働かない奴等なのか。捜月も自分が思った事を刑事に馬鹿にされると、キレし。
以外にプライドが高く、自分が納得した事でしか素直に聴かない。そして、どうもキャラがこいヤツらが多いなあ。
「俺達はまだ飯が間だだからレストランに寄ってもr」
「昨日も食べただろ!そんなモノより犯人を探す方が人々を数多く救え、地海女性も一秒でも早く救って貰える事を君達に期待しているのではないかね!」
秋影さんの言葉を遮り、とても早口で喋る少女は膨れっ面から、何故か楽しそうにしている。こんな状況を、俺は知っている。
捜月も黒兎に対してこんなセリフを並べて、仕事に向かって行った。二つ名を持つ優秀な名探偵は皆、空腹寄り自身の好奇心を満たしたい様だ。
「コンビニを少し寄ろう、まだ夕方の五時だ」
「接技理、御前も腹はすぐだろ?」
「ぺろぺろキャンディを二ボックス、下の名前の継葉と呼んで貰っても構わないよ、諸君」
「どうも、灰神零人です」
「なるほど、灰神零人君。いや、さんか。零人さんは二頭一対の剣、いやナイフだね。違う、捜月と一緒の左利きで偶に右でナイフを持つ。もしかして両利きだったりするかね?」
「よく分かるね」
捜月と初めてあった時を思い出す。確か、手に着いているマメで推理したんだっけ。似ている、探偵は皆変人が多い。
いや、変人でないと命に関わる仕事の探偵なんてやらないか。
「マメで、いやその反応からして、奴がもうしているらしい。これはこれは、何とも言えない気分になるな」
「すげぇ嫌そう」
「僕は二番煎じが一番嫌いなんだよ、奴の様な二番煎じを踏む事を信念としている奴とは合わないよ。決して、ね」
と、言いながらも案外嫌いじゃない?捜月なら嫌いな奴の名前を出すと「出すな」と言うから、結構好き?似た者同士か。
「僕からも探偵を紹介しようか?」
「頼める?」
「出来るとも、僕は奴に比べれば友人が沢山いてね」
「有り難い、継葉」
「疾風探偵...いや、迅は仕事で忙しいだろう。青空探偵の青空は...朝で無いと来ないから、探偵ではないが、引き籠もりの彼女を連れ出そう。彼女なら手伝ってくれるだろうし」
「引き籠もり?」
「まぁ、我々探偵が知識がない事もある。窓のない見えないビルが有ってね、それは魔術も異能の通さない者でね。元々人だった...これは必要ないね、必要な情報はその高層マンションレベルの図書館がある。そこに住んでいる女性は、我々探偵に尽くしてくれる」
仁さんの小説に出てきたビル、そして継ぎ接ぎの少女が今何となく分かった。そう言えば接技理は苗字だけ、小説に出て来てある事件を解決していた。
二人の共闘、あれは架空の探偵では無く、本物だったのか。
「もはや何でもさんの様な者だよ、探偵も似た様な者だがね」
「優秀なのか?」
「勿論だ、プロなのだから。僕や捜月が君達に頼らず、司書に任せているのが寄り良い証拠だ。我々探偵が頼りずらいのが、家族や友人だが。良く我々を頼るへっぽこ刑事寄りかは、マシだと言えよう。まぁ、感性が我々探偵と違って凡人寄りなのが玉に瑕だがね」
「そろそろコンビニだね、零人君は何か欲しいモノは?」
「ジュース四つ、それ以外はお菓子を」
「私も追加でブラック珈琲と、果物グミと目薬...サクサクパ〇ダを三十袋頼めるかい?」
サクサクパ〇ダ、探偵の中の流行りなのか。そして話からして、探偵達は良く連絡を取り合っているのか。
探偵達って、可愛いモノを好むらしい。
「案外可愛い物を頼むのね」
「五月蝿い、今我々はコンプリートを狙っているのだよ」
「飽きず、可愛げのある見た目だし、一口で食べれるのが我々の中ではとても嬉しい。糖炭水化物をとれるのは、少食の我々の味方だ」
白檜さんとメイドさんがコンビニへと向かい、取り残される俺と秋影さん。捜月と同じ感覚で話せば良いのか、でも中学生の少女。
「継葉は今どんな仕事をしている?」
「今は、捜月と数宮殺理、立花仁と共に恐喝王と言われる存在を、今日消した所だ。まぁ、我々は調べただけで、仁が顎を広げて脳髄を取り出していたよ。全く、惨めなモノだよ。だが、クズが死ぬのは惨めな方が、相応しい。そして、仁は殺るのが早すぎる。ビジネスと言われただけで「次の、次のビジネスなどあるか!私が止めてやる!!」とブチ切れて殺るとはな。アレでも捜月の助人とは...」
ニヤリと笑って見せるが、仁さん...こわひ。落ち着いた人程怒ると怖い、これは本当の事なのか。正義の為でも女性は傷付けない、でも女性を傷付ける奴は最悪の手をもってソイツを消す。
普段は損得感情なしに動く良い人だから、キレると怖いんだな。
「す、凄いな」
「彼の殺った事に、我々三人は引いていたよ。その分、信用できるが」
「すげぇよな...」
「零人さんは何か夢でもあるのかね?」
「昔は、何かを目指していたんだけど、もう忘れたわ」
「返ってきた様だ」
袋を幾つも持つメイドさん達と、珈琲を配ってくれる白檜さん。ぺろぺろキャンディを咥え、カボチャのクッションに身体を預けて、タブレットPCを膝に置いて仕事を始める継葉。
パソコンを弄り、執事と打ち合わせしている秋影さんと白檜さん。俺は何も出来ないので、駅まで仮眠。
元々人であったあの塔は、出番有るのだろうか?そして、探偵達は元々の性格を偽った人物が多いいです。9割位の確率。