第五話...泡沫の情景
遅くなってすみません、アッチ書くのが楽しくて......
先刻の戦いを終えた俺は一人、屋台が並んだ運動場で黒兎達を探していた。校舎内に全体図がなければ危うく迷うところだったが、運良く見付けて運動場に帰ることは出来た。
そして、俺は彼奴らの現在地を知らないことを思いだし、お腹を空かして歩き回っている。
えーと、彼奴ら何処行った?まさか屋台で、俺抜きのままメシ食ってんの!?老兵と戦って体痛いってのに。......居た居た。
「何俺が探している最中に探しにも来ないで飯を食ってんだ」
「......これ、美味しい?よ」
「隷歌ありがとう、先ずは捜月この野郎!俺じゃ無かったら死んでるぞ!」
「魔法の事か?アレでも魔術を使用する魔法陣に刻まれてある魔術回路と体内の魔力補給機関がズタズタにされてたからマシだったはずだが?」
は?何言ってんのコイツ。IQに差があると会話が成立しない、ってやつなのか。それとも俺が無知だからなのか。
弱体化していた、と言う事なら全盛期の話を奴は言ってるなら奴は俺より強いの意味が納得行く、信じたくないけど。
「説明よろ」
「超端的に言えば、凄く弱体化している」
「彼奴魔術?に固執してたけど、技術で戦いたかったよ」
「そうか。死体は?」
「消し飛ばした」
「次だれ?」
「僕はどっちでもいいよ。焼きそば食べ終わったし」
「じゃあ御前行ってこい」
焼きそばをゴクンっと飲み込み、ゴミ箱に器を投げ入れる。その後は屋台で串カツを購入し、食べ歩きをきながら黒兎はフラフラと校舎にある受付へと向かって行く。
俺達はその姿を横目に、屋台に向かっていく。
「御店、沢山あるな」
「あるよ、アッチにはリンゴ飴が有ったよ」
「今はゲームやりたい......って忘れてた」
ポケットから伊達眼鏡をを取り出し、かける。眼の能力を封じる為には何かで眼を覆う必要がある。無理矢理覚醒させる事はできる、数日動けなくなるけど。
「眼鏡必要あるの?」
「必要だよ。遠くの景色とか、文字とか見えなくなるからな」
当然嘘だ。信用していない訳じゃない、昔この能力を教えてしまって眼玉を抉られそうに成った。それ以来俺はこの能力を誰かに教えたことは無い、友人や親友であっても。
__決して、コレは誰かに話すものじゃない。
俺は、あの時、誰かに教えられ今は生きている。
「ゲーム......ねぇ?」
「やるか?」
「一度でも俺に勝てた事があったかい?」
「やってろうじゃねぇかこの野郎!」
数分後、俺は的当てゲームや輪投げ等で完膚なきまでに敗北した。
人外に体を使うゲームで戦おう何て無謀だったのかしれない。などと考えていると、歌檎の名前が半壊した校舎に映し出され、Victory!!っと大きく表示される。
「何だ、俺やらねぇのか」
「被害が出なくて良かったよ、普通は要らない犠牲は出したくないだろ」
「私は零君に大きな傷が無くてよかったよ」
「顔面に一撃貰った様だがな。恐らく閃光弾で不意打ちを狙ったが、カウンターを食らった......まぁそんなところだろ」
「正解だよこの野郎......!」
「よっ......と」
氷を足から生み出し滑りながら移動し、跳躍して俺たちの目の前で着地。無傷の学生服を見てるに、余裕だった事が分かる。ここだけ見ると、氷の能力者みたいだな。
長年いる黒兎の能力の全貌は俺達でも100%、知っている訳じゃないが、常人や天才でも意味が分からない能力だ。
「帰ろうか」
「まだメシ食ってないぞ」
「レストラン奢ってやるよ。隷歌も初めてだしな」
「隷ちゃんは何歳?」
「ん?......8歳?」
「言おうと思ってたんだが、DNAを調べて貰う。良いか?」
大丈夫か、捜月なら情報を守ってくれるだろうけど。遺伝子情報ってシークレットの中でも秘密がバレた時にデカい爆弾見たいな物、それも異能者なら尚更の事だ。
それ程、彼奴は家族で暮らして欲しいんだろう。表上は。
__それより隷歌はまだ小学生二年生?遺伝子とか分かるかな?俺達は教えられたから知ってるけど......中学で習ったけな。
「情報管理は信用して貰っていい。君の親戚を探せるかも知れない、君の様な子供はまだ親の愛情が必要な時期だ。親の記憶が無くても、だれからか愛されるべきだ」
「そうしてもらう」
「.........そうだな、俺もその返答が聞けて嬉しいよ」
幼い頃は親の愛情を求めていた時期があった。まだ8歳ならやり直せる、俺達異能者とくらす寄り、血の繋がりがある人達に愛された方が良い。
差別社会だけど、血の繋がりを持たない奴らと関わるより、隷歌の為だと思う。
ある、一点を除けばの話し。
「後で血を貰うよ、隷歌。俺は校舎に用事があるから」
捜月はポケットに手を突っ込み、校舎に向かって行った。エリさんは歌檎に頭を下げた。
「い......今まですいません。今回は私の負けです、次は勝ちますから」
「大丈夫だよ、今度は友達として遊んでね」
「捜月が帰ってきたら帰ろうか」
その後捜月と合流し、シェアハウスに戻る。ソファーに座ると脱力感で意識が遠くなり、眠ってしまう。
異能を使い過ぎると疲れる、今日は二つの能力を使ってしまった。明日、筋肉痛でも可笑しくない。
「零人は...寝ちまったのか」
「能力を余り使ってない零人だからね」
「い、異能力ってそこまで体力、つ、使うの?」
「使うよ。強い能力を弱体化させても、使用する体力は減らないからね。零人の能力のエネルギー操作?吸収?は強力だから大分消費するじゃないかな?」
僕の能力_創造主の力は例外。体力では無く、精神的に疲れると表現できる。捜月の能力_緋色の自傷血漿は僕と同様に精神、そして体力を消費するらしい。
僕の能力の誕生が例外、捜月の能力も僕と同様の理由が有って更に能力を強化しているからなのか、精神的にも体力的にも疲れるらしい。
「隷歌ちゃんは異能者なの?」
「捜月お兄にいさん?には伝えけど、記憶がないの。最後に聞いた言葉は、"殺し合え"って......」
「殺し合え......かぁ」
こんな幼い少女に...殺し合いなんて。何でそんな酷い、誰だそんな事を教えたのは......!まさか......いや、有り得ない。
でも、関係が有るなら僕達と関係がある可能性がある。
「あの一週間を思い出すね」
「......あの事件に関係するら、鬼城戦旗全員が動く事になる。二ヶ月後にDNAが分かるから、どうすっかな」
「遺伝子って調べるのにそこまで時間かからないでしょ?」
「信頼してる仲間が外国でな。情報を隠してあれこれするのに二ヶ月、仕方さ。異能差別は酷い、ソレに加えて異能者のクローンなんて作られてしまうと......分かるな」
「差別社会だもんね。異能者の遺伝子情報保護は難しいのか...」
「まぁな」
「......僕が相手した相手、赫能移植型メモリーを使用していたよ」
通称メモリー。非能力者が能力を手に入れる事がでいる、最悪の薬。麻薬寄り中毒性が強く、精神が崩壊するのが一段と早い。
「死体は?」
「生け捕りにして、憑李に渡したよ」
「なるほど、例のアイスの袋があのお嬢様学校でも落ちていた。袋がトイレと屋上に上がる階段付近に」
「社会の闇はそこまで浸透している、のかな」
「販売人を捕まえてもL〇NEの名前が頭文字だから一斉に星共を片付ける事が出来ない。T〇itterでも野菜やアイスって調べるとゾロゾロと出てくるからな。俺達も動かなければ成らない、零人も。固有結界を習得させる必要がある、もしかしたら習得しているかもな。異能で、魔法の領域に踏み込めるなら」
次回から個人的に未知なる一章です、それはこの前のアカウントで制作していた一章は何と3話で終わったのでね。
と言う理由で制作に時間が掛かります、今回からこの物語に専念する予定です。それはこの物語は実は俺の中でも集大成?的な感じの話で、この物語を完結しないと死ねないとか、次回作作る当たりにこの話しを完結しなければネタバレなんですよね。
キーマンが多いこの物語を終わらせます、高校卒業かも知れませんし。一章が終わる様にストックし、終われば毎日投稿するのでよろしくお願いします。