第二章第十話...破滅の始まり
いやぁ、うん。少しストックします。
砂嵐で前が見えない砂漠。現代化学で制作され、心地よい車内で俺は装備を整える。車内と言っても一般車両ではなく、異能者が素材となった素材で制作されている赫兵器。
正式名称は知らないが、学科の顧問(戦車オタク)はトリケと呼んでいる軽戦車を基盤とした自走砲。
真上には蓋の様なドアがあり、上半身を出させる。俺の眼と相性が良い車両。
「なぁ?武流先生、前が見えません」
「そりゃあ砂漠だし、軍事学校の俺達と同じ魔術刀戦科だろ?活躍を期待してるぜ!」
「零人、成長してるんのかぁ?」
「してますよ!」
あれは数週間前、隷歌が勝利したあのバトルロイヤルの後、後頭部の痛みに耐えながら体育館にも似た場所に呼び出され、コミュ障には後悔処刑とされる自己紹介をさせられたのだった。
三百位が理事長を見つめ、紫色のカーテンに隠れた俺達に数人気付いた様で、此方を見詰める奴がいる。
ローブを被った奴らや腰にナイフや剣を構えた青年達。
男女問わず縦列に並び、科に寄って分けれているのは制服の胸に付けられたバッチに剣士やらローブ姿の魔法使いが描かれ、武器で何となくは分かる。
舞台に俺達が現れると空気が代わり、圧迫した空気が体育館を包み込む。
灰髪の男女、誰もが幹部の席を狙うライバル。他国に移籍するスパイの役目を持つ彼らにとっては、俺の様に部外者は最も嫌う者だろう。
「説明、よろしいかしら?」
「はい。俺は灰神零人、俺は修行の為に来た。まぁ、仲良くしてくれ」
「ど、ど......うほっ!」
「落ち着け、隷歌。ジャガイモだから、彼奴らは取るに足らないジャガイモ。人間じゃない、野菜だ。壁に喋ってる感じで喋るんだ」
「うん、隷歌です、よろしくお願いします」
拍手が俺達を包み、特別な魔術刀科を告げられた時、俺はポカーンとしたが、周囲の雰囲気は哀れな人物を見詰める。
「なんだ、この雰囲気は?」
魔術刀科は学校で一番厳しく、魔術を知識ではなく、身体で覚えさせると言うスパルタ学科だった。死にそうな毎日、そのおかげで異能力の放出口も大きなり、身体に留められるエネルギー量も大きくなった。
教団の解体を急ぐべく、俺達魔術刀科は海外のエジプトに自走砲をサハラ砂漠で走らせ、現在、戦争中。
戦争中に過激化宗教何て攻撃したら、エジプトの軍や戦争中の国が攻撃してくる訳で、困り果てている。だって、俺達の戦力はこの自走砲一台。
「相手露とか、恐ロシアなんちゃって〜」
「死んでどうぞ」
「おい夜土、叉悠黐捨ててこい」
「レンジャー」
「了解じゃない!装填手の私がいなくなったら誰が弾入れるの?!ね!切和ちゃーん!!」
「どうでも良い」
「えっ......」
「装填手の叉悠黐、操縦手の切和、五月蝿い。中は広いと言っても、皆が戦闘。何時でもダッシュできる様にしときなさい」
「シャキナ先輩まで......」
「砲手、涛霞?問題ない?」
「問題なし」
五月蝿いぞ、此奴ら。俺達もそうだが、天才って代わり者多いんだよなぁ。何故こんな変人と何時も何時も食わされるんだ......。
これ、皆近接武器使うんだから、戦車使う必要ないんじゃないかな?まぁ、趣味何だろうけどさ。
「ムッ、反応が多いな。百台以上、か」
「我々死にますかね?」
「俺達に百台以上の価値あるかね?ないだろ?可笑しいぞ」
「様子が可笑しいね」
「敵を俺が殺す、百台の戦車なら充分だ。重戦車四割、中戦車三割なら軽戦車は見たとこないから、自走砲だけ気おつけろ。零人の能力で危険は少ない、でも油断はするな。強い奴が、二人いるからな」
「了解」
「双子だろうな、双子って色々神やら何ならとで関係付けられるんだよな」
香柴武流、年齢32歳の傭兵。桜満黒兎が率いる八咫烏メンバーの幹部であり、魔術刀科顧問。魔術と刀を合わせて戦う戦闘スタイルの考案者であり、黒兎直属の執事長でもある。
左腰に吊るされた二刀を鞘から引き抜き、塚を拳の血管が浮かび上がるまで握り、重戦車に向かい駆け出す。
「大丈夫か?」
「良く見てろよ、黒兎様のスタイル、いや、鬼城戦旗の戦闘スタイルを構築した人間だぞ。基盤にしただけで、あの人と同様の戦闘スタイルを取るのは俺達だけだけどな」
「第一魔術陣、展開!第二魔術展開開始っ!」
「あれが、俺が至る極地」
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円卓に集まる各国首脳、居ないのは一国だけ。名は日本、今回議題に出す重要国であり、危険な国でもある。
本来軍を持たない国だが、あの国には我らアメリカを寄生虫と罵る七家、鬼城戦旗の部下達がいる。
だから、今回の会議で七家の殲滅かを決める。
「皆も、もう分かっているでしょう。紅井捜月の病気を」
「彼の牽制がなければ、そろそろ解体可能でしょう」
「そして、鬼城戦旗と七家が現在手薄だ。ヨハン、どうするつもりだ?」
「先ず、鬼城戦旗の部下を潰す。アンチマテリアルライフルで、兵器で戦力を減らし、我らの自由を守ろうじゃないか」
えーうん、戦闘描写を捨てていけば良いか、うん。書くけどね?今回は!




