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在るべき形へ・A story for everyone  作者: 黄昏誘捕
一章・闇は直ぐそばに
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第二話...拾った少女

毎日投稿、あと二日

 俺達は意見を言い合い、少女を助けようにも七家の仕事の関係上は人に怨みを買う事が多々くあるので触れらずにいた。

 早よ助けろって話しなんだけど、触れたら大爆発とかは流石に死ぬ。

 俺がタフいと言われていても塵一つも残らない。



「体内に爆弾を付けられて御大七家への攻撃に使われたのか、可哀想になぁ!」

「変な事を言わないでよ!普通に家を間違って......気絶したんだよ!いや心臓麻痺とかで死んでる!?ウムムム......生きてる?触っていいかな?」

「焦るな黒兎、全然普通に普通じゃないから......多分」



 ん?今気付いたが、何故捜月は少女が倒れている事に驚かないんだ?元々知っていたのか?

 とんだブラックジョークをカマせるくらいは余裕がある、と言う事は知っていて放置していたって事になる。



「少女がここに倒れている事を知っていたのか?」

「2時間15分前に事切れたかの様にばたりとっね。丁度零人が機動隊員の一人、若葉義将(わかばよしまさ)にイライラしていた時だね」



 コンビニ突入前、機動隊のリーダーらしい男にゴミやらカスやら異能者の事を言われたんだっけか。

 捜月なら殴ってるわ此奴、とか思ってたけど......此奴、知ってやがったのか。



「は?御前はその時何をしていた?」



 軽く圧をかけて睨むが、捜月は当然の事の様に舌を出して答えた。



「女子高生の父親が殺されたと言うので調べていたが?キレないでもろて」



 何で遠くの場所にいるのに知る事ができた?どうせ彼奴の能力を乱用しているからに違いない。捜月の能力は汎用性が高いし、殺傷能力もピカイチだ。

 能力を使用し続けると鼻血や吐血、最悪の場合には一時的に能力を使用出来なくなる。まぁ、常に能力を使用し続けられる能力は殆どないけど。



「今は聞かない、半吸血鬼の体が壊れない様にな。元々身体弱いのに......」

「......ここ二ヶ月間一睡もしていないって話し聞く?血人形を3756体を同時操作しながら仕事。情報収集の為に女を騙して彼女にし、ネット犯罪を犯す馬鹿共を特定する為に子供ズレ主婦を造ってたり...」

「僕はもうお腹いっぱい......」

「此奴を一応は家の中にいれるか?敵だと俺がここ周辺こど爆発する」

「辞めてくれ......頼むから......」



 捜月は右手の掌をナイフで傷を付け、鮮血を流す。傷口から白い蒸気を吹きだしながら、蒸気を塞ぐ様に肉の筋が編まれ、跡形もなく消える。残るのは紅い捜月の血液だけだ。



 その光景を見ながら「痛そう」と黒兎が言葉をこぼし、内心でもう自身を傷付ける抵抗が全くないなっと思いながら、灰色の髪の少女を持ち上げ、俺達のシェアハウスにようやく帰宅する。



 帰宅すると皆の「お帰り」が聞こえ、長い一日が終わったのを感じる。

 カウンターキッチンには捜月の彼女の衣明が洗い物をし、衣明の妹の歌檎(かご)はソファーで寝転びながらバニラアイスを食べ、自身が出演したテレビを見ている。



 歌檎はアイドルで、シェアハウス唯一御嬢様学校に通っている。姉と同様のアルビノで人気も高く、衣明と他のシェアハウスメンバー(女子メン)は歌手をしているので、偶にシェアハウスに不審者がやってくる。

 捜月が出るととんでもない事に発展するけど......。



「ただいま、(なな)朝乃(あさの)は?」

「お前達にお土産の灰色髪の少女だぞ」

「変な事を言わない方が僕は良いと思うけど」

「二階で勉強しているよ、今さっきまで階段ら辺にいたら帰ってきたのは知ってると思うよ」

「聴こえたから分かってる」



 俺は歌檎に説明して退いてもらい、灰髪少女をソファーに寝かす。毛布を被せて、二階の自室に居る二人を呼びに行く。

 シェアハウスは自称十兆円を持っている捜月が建てたもので、三階建てに加え地下室(シェルター)もあり、壁も鋼鉄を凌ぐ硬度を持ちながら分厚く、昔使われていた核兵器の爆発も耐えられる様に作られている。



 窓硝子も固く、俺の能力を使用し、異力を込めた反転した力アッシュリベレイションをも防ぎきる耐久力を誇っている。

 不満点があるとすれば捜月の眼が夜中光るのは、無茶苦茶辞めて欲しい。捜月の眼は本来白目である場所が黒く、黒目が真っ赤く染まっている。

 瞳孔は黒いと言う寄りも、赤黒いっと表現できる。ぶっちゃけた話捜月が虫の居所が悪い時は、瞳孔が猫の様に細く、レッドアイも関係しているのか暗闇で見る光る紅い瞳に絶句する。



 その瞳は世界一美しい瞳と言われ、情報収集や変装の時はカラコンで誤魔化しているらしい。当たり前の事だが、猫の様に瞳孔が細くなるのは誤魔化せないらしい。

 声が聞こえる朝乃(あさの)のドアをノックし、灰髪少女の事を説明して降りて来る様に伝えて、一足先にリビングに向かう。



 黒兎はパソコンを操作して遠くの人間の手術を、捜月は警察の話を聞いて、自分の推理を聞かせている。俺はすることがないのでスマホをいじり、時間を潰す。

 気が付くと、左眼から涙が零れ頭の不快感中で「また、掴めなかった」と後悔の念が推しおせてくる。時計を確認すると二時間程寝ていた様だった。



 灰髪少女の方に視線を向けると、少女は衣明達と共にココアをのでいる。テーブルに置かれたココアが六つとブラックコーヒーが湯気を立てて暖かそうだ。



「少女の名前は?」

隷歌(れいか)ちゃんだよ」

「本人曰く、奴隷の隷に、歌だとよ」

「酷い名前だよね」

「可愛い子だよね、捜兄ぃ」

「だな」



 隷歌。うん名前は気になる所はあるけど、俺の分のココアは?見たとこなくね?俺の分ないのか、それとも隷歌が俺の分を......?

 それは無い、寝ていても流石に俺の分は要してくれているはず!



「俺の分のココアは?」

「見るな、観察しろ。隷歌が使ってるコップはお前のだ」



 この可愛いパジャマ姿探偵野郎...偉そうに、こちとら寝起きだぞ。今の時期ココアはどうかとか思ってたし?お茶でも飲むかな。子供ポイしな、高校二年にもなってココアとか、どうかと思うわ。

 悲しくない、うん。哀しくは......悲しくなってきたわ。



「そうそう、隷歌は御前の部屋で寝るからよろしくな」

「僕達は何時仕事入って来るか分からないし、衣明達は孅弱しね」

「孅弱い?衣明が...」

「お前達は嫌なだけだろ!」

「嫌だぞ、これ以上仕事増やすなよ」

「俺の所為じゃなくね!?」

「時間も遅せぇから自室行くぞ」

「言い忘れてたんだけど、三人共明日空いてる?」



 突然歌檎がソファーから立ち上がる捜月に尋ねた。俺は頭をモヤモヤな気持ちを抑えて頷き、黒兎達もタブレットをスクロールしてから頷く。歌檎は嬉しそうに「ありがとう」と微笑んだ。



「明日ね、護衛を闘わせるとかのイベントでね。異能者同士を闘わせるの、普通は執事とか何だけどね。私は捜にぃのおかげで通ってるから」



 正直三人とも得意分野ではあるが、皆が皆、手加減を知らない。俺達七家は模擬練習などは一切合切せず、十歳になった時から命を懸けた実戦。

 手加減をミスって首でもへし折ってしまいそうな半吸血鬼や新たな現象を作り出してしまう創造者、あとエネルギーを操る俺。さてと、手加減は無理だな。



「ルールはなんだ?」

「1チーム3人で、決闘させるの」

「殺してもいいの?」

「一様手加減してもらって良い?」

「相手の態度で決めようか、やったことないけど」

「まぁ、実力差を見せてやろうぜ。じゃあ解散」



 隷歌を見て、仕方ないと思いながら隷歌自分の部屋に入れる。シェアハウスは一階に部屋が六部屋、二階は五部屋、三階も四部屋ある。

 俺の部屋はヒーローモノの漫画や映画が戸棚に並び、仕事に使っている四画面のパソコンが窓側に置かれている。



「隷歌はベットで寝てくれ」

「分かった、けど......良いの?」

「小さい子は遠慮しない方が得だぞ?」

「......うん」


 この時、初めて俺の前で隷歌が微笑んだ気がした。棚から毛布を取り出し、自分の腹に当てて寝転ぶ。腕を組んで枕にし、右手で漫画のページをめくっていると隷歌が話しかけてくる。

 慣れないんだろう、男の部屋だと言う事もあるのか。



「何だ?」

「私が此処に来たのは、何処か懐かしい気配を探知したから」



 懐かしい気配、七や朝乃が懐かしい気配なら二人の事だから覚えてる。彼奴らも同様の理由。俺は施設で五歳まで酷い環境で育ち、七歳までとある大企業の娘の所で、コロシアム的な所で二年闘い続けて七家に養子。



 俺の人生で余り俺より歳下の子供との関係はなく、七家の中でも次男坊の俺は仕事が多い方だが、もうすぐ昨日の事になるコンビニ強盗事件での少女を含めても少数だ。



「成程、な。でも俺は探偵でも、助手でもない。眼が紅い人に頼りな」

「うん......そうする、よ」


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