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ヒューマンドラマ

南天の赤と白

作者: みなはら

小片詩 -かけらのうた-


おまけの欠片


-◇-◇-



『南天の赤と白』



-南天は飾るとき、赤よりも白を上にするのが正式だ-


-だけどな、木は白より赤の背が高い-


そう言いながら、

山の親父は南天を切って葉や枯れた枝を落とし、

花瓶に差しやすいよう、飾りやすいように形を整えてくれる



-大根は凍っているが、

そのまま土にけて置けば凍ったままなら大丈夫だ-


-ジャガイモは凍らせないようにすれば、

萎びた方が味が良くなる-


-白菜もそうだ

凍らせなければ何ヵ月もそのままで食べられる-


山の親父はそう言って、

抱えきれないほどの、山で取れた野菜を持たせてくれた



山からの帰り道

車を運転しながら、言葉少なに語った山の親父の言葉を思い出し、

想いが込み上げて、胸が一杯になる



人に生かされている

人からいただいたものに……


生かされているのだ

さまざまな想いたちに……



一人でただ生きているわけではない……

さまざまなものから、たくさんのものをいただいて生きている


いただけたいろいろな想いで生かされている


そんなことを思いながら、

山ほどの想いを抱えて、所々が凍った山道を下る



ひさびさの冷えきった山の空気と、

たくさんの想いを感じた日



冷たく澄んだ空気と、熱い気持ちをいただけた

そんな日のことだった





---


〈南天の赤と白、山の親父さんからいただいたものです〉


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 人と人とのつながりを感じる優しい話ですね♪
[良い点] どれだけいただいているのかを見つめ直す良いきっかけになりました。
[良い点] 白い南天の存在を知りませんでした。 生けてあるの、キレイですねえ! 白の方が背が低いけど、赤をそれより短く切って飾るんですか? う〜ん、意味ありげ。 人と全く関わらず生きることは不可能で…
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