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エピローグその2 私達の宝物

 

 4年振りの日本。

 空港からいつもの様に新幹線に、でも今回はいつもと違う。

 私の隣には愛するリクと可愛い2人の子供達が座っているのだから。


「よく寝てる」


 ぐっすりと眠っているリクとその腕に抱かれている赤ちゃん。

 リュウタとショウタ。

 私達が決めた2人の名前、本当可愛い...


「こんなに幸せで良いのかしら?」


 幸せ過ぎて怖くなる。

 22歳になったリクは父親と学生を頑張ってこなし、私と同じ大学に通っている。

 両親の助けがあってこそ。

 育児は本当に大変だ。


 窓から見える景色を眺めながら私はこの間にあった出来事を振り返る。


 リクの留学が許され、私はリクと懸命に勉強を頑張った。


『リクが大学に受かるまでは行為禁止』


 パパ達から厳しく言われた。


『大学のランクを落としてはダメ?』


『ダメよ、イクコになんて言われるか』


 ママにもそう言われ、リクと私がブリティッシュコロンビア大学に合格するには2年の時間が掛かった


『よくやった!』


『頑張ったわね2人共』


 合格を報告するとパパとママはとても喜んでくれた。


『...もう良いよね?』


 合格パーティーの後、私はリクに....


「まさか一回で授かるなんて」


 計算外だった。

 まさか初体験で妊娠するとは思わなかった。


『どうして避妊しないの?』


 妊娠を報告すると呆れ顔でママが言った。


『ハンナらしいな』


 パパも呆れていた。

 私とリクは真っ赤な顔で頭を下げ続けたっけ。

 当然日本にいるリクの家族にも伝えた。


『あらま!』


 お義母様は一言叫んで固まってしまった。


『...そうか、まあ仕方ない』


 お義父様もそれ以上言葉が出ない様だった。


『やったね!!』


 ハナは嬉しさ爆発で叫んだ。

 そしてリクの実家にホームステイしているジャニスは、


『...男か?』


 ポツリと呟いた。


『まだ分からないわよ!』


『...どちらでも良いが、男を産め』


『何でよ?』


『...言わない』


 ジャニスは何を企んでいたんだろ?

 赤ちゃんが双子の男だと分かってジャニスに報告した時も、


『...でかした』


 そう言って笑った。

 ジャニスがあんなに嬉しそうな顔で笑うのは珍しいので印象深く残った。


「スーザンよね」


 問題はスーザンに報告した時だ。


『リクはグリズリーに召し上がられたのね、御愁傷様』


 リクに向かってそう言いやがった。

 今日あったら、とっちめてやる。

 そんな事を考えていたら車内放送が流れ、目的の駅が近い事を知る。


「リク、そろそろよ」


「...ん、ああ、ありがとうハンナ」


 眠そう目を擦るリク。

 子供達も目を覚ましたみたい。


「よいしょ」


 双子用の抱っこ紐に赤ちゃんを抱えリクは立ち上がる。

 私は2つの旅行鞄係だから、宜しくね。


「久し振りだな」


「そうね」


 4年前、ここに来た記憶が甦る。

 あの時はまだリクと付き合ったばかりだった。

 今回の目的は日本で結婚式を挙げる事。

 3日後でホテルの結婚式場は予約してある。

 パパとママは仕事の都合で明日日本に来る予定だ。


「リク!リョウタ!!ショウタ!!!」


 駅構内に響き渡るデカイ声。

 そんな大声出したら赤ちゃんが泣き出すだろ。

 で、なんで私の名前は無いんだ?


「スーザン、久し振り」


「久し振りねリク、可愛い!!」


 小走りでやって来たスーザン。

 早速赤ちゃんに釘付け、でも少し待て。


「スーザン」


「あらハンナ久し振り」


「久し振りじゃないよ、何か言うこと無いの?」


「またデカクなったね」


「そうじゃない!」


 なんて私の胸を見る?マイペースな奴だ。


「...ハンナ」


「ジャニス!」


 ほらジャニスは真っ先に私の傍に来てくれた。

 これぞ親友の在るべき姿だよ。

 でもリクの実家にホームステイしたのはビックリだったよ。


『...リクの家族になる』

 理由を尋ねたら、そうジャニスは答えたっけ。


『...ヤマサキ家の養子になればリクの義妹。

 ロマンスが始まる』

 ジャニスの馬鹿な妄言は実現しなかった。

 ハナが居るのに何が義妹だ!


「...お義母様」


 赤ちゃんの頬を突っつきながらジャニスが呟いた。


「は?」


 何の事だ理解出来ない。


「...ハンナは義母、リュウタは私の主人」


「貴女何を...」


 余りにぶっ飛んだ発言をするジャニス。

 まだこの子達は1歳だぞ?


「凄い姉さん女房ね」


「ハナ...」


 なんて事言うの、貴女の甥になるのよ?

 ジャニスが義理の家族なんて考えただけで悪夢でしかない。


「...私が37歳の時、この子は16歳。

 問題ない」


「あるわ!!」


「良いわね、私はショウタ」


「スーザン!!」


 何て馬鹿な事を!!

 大事な我が子を誰が貴女達に。


「それは...ごめん」


「リクも本気にしない!」


「...頼む」


 涙目で拝まないの!


「そうよ、ハンナまた次産みなさい」


「産む?」


「...そうだ熊は双子が多い」


「誰が熊よ!」


「いっそ犬なら良かったのに」


「おい!」


 スーザンとジャニスは遠慮が無いの?


「犬は多産だからね」


「ハナまで!」


 散々三人にからかわれる私達だった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] >『リクはグリズリーに召し上がられたのね、御愁傷様』 合法美少年を肉食獣の前にノーガードで差し出したら、当然の結末よね。
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