ウイズコロナ、次元とコロナ
■登場人物
サキ(以下S):ヒロコの従姉、姉的な存在で仲がいい。
理系物理学科卒、サイエンス系の雑誌、webのライター、編集者
ヒロコ(以下H):大学生2年生、実家暮らし。
サキのことを尊敬している。
カナ(以下K):大学2年生、独り暮らし
ヒロコとはバイト仲間、のちに友達になる。
表向きは社交性に問題はないが内に貯めこんでしまう性格でまた誰かに甘えるのも苦手。
■次元の話
座標を書いているS
S:次元を上げて考える、それは大事。
H:そーなの?なんで?
S: 2次元ではわからない現象も3次元にすればわかることもある。
H:どういうこと?
S:量子力学、シュレディンガーの猫とかそんな話につながるけど、、、わからないよね。
2次元では同じように見えても、実際には違うものってあるよね。、、、例えば円の描き方、普通にペンを持って書いたもの、ペンをコンパスのようにして書いたもの、出来たものは同じように見えても、やり方の違いがわかるということもある。
H:違いを理解する必要(性)ってあるの?
S:、、物理だとそういったものはとても大事よ。
S:ちなみにこの世界は何次元だと思う?
H:3次元でしょ?3Dとかっていうし。
S:それはTVなどだと縦、横しかない2次元だけど、特殊なゴーグルとかで縦、横、高さというのを表現しているだけの話だよ。時空という言葉があるけど、生物は年を取るから、この世界は時間という軸も存在している。
H:じゃぁ、4次元っていうこと?
S:ううん、今の研究だともっと多い次元が必要だと考えられていて、
M理論というものだと11次元で存在するとされているの。
H:11次元?11個?、、そんなに必要?
S:今もそれが研究中って感じかな、専門でもないし、はっきりとそうだということはできなかな。でも、まぁ、そういった考え方、コロナにも大事だなぁって思う。
H:コロナにも? なんで?
S:そうだね、コロナもまだ解明されていない部分もあるし、未来というのもわからない。
さっきの話や、氷山とかで例えられるけど、見えない部分に大事なことが隠されているということはある。
コロナも単純な感染被害だけでなく、1年後、2年後、、さらに5年後10年後に影響がでるものもあるんじゃないかな。そういったことも考えていかないといけないんじゃないかな?
Sを真剣にみつめるH
■屋上(H,K共にマスク着用での撮影)
バイト先から帰ろうとするH,バイト友達のKが屋上でぼんやりと立っている。
H: K、おつかれ。
反応しないKに近付いて、肩を叩く?触れる?H
H:お疲れ。
K:、お疲れ。
H:駅一緒だよね?一緒に帰ろう。
K:うん。
■Kの部屋
K:ありがとう。
H:急にどうしたの?
K:去年さ、声かけてくれて、、仲良くしてくれて、、、
H:別に特別なことはしてないよ。
K:そんなことはないよ。一緒にいてくれた。
K:私、一人暮らしだから、、、自粛ってなると一人になっちゃうことが多くて、、、 コロナの状況もあって、考えてしまうこと、多くなって、、昔の嫌な思い出とか、バイトがなくなるんじゃないかとか、何かネガティブなことばかり考えちゃってた。
K:あの時、声かけてくれてなかったら、どうなっていたか?
H:見えない部分か、
K:、何?
Hの回想のS
S:植物も同じようなもので、見た目では綺麗に花が咲いていても、根が腐っている、ダメになっているってこともあるわ。
H: 根、見えない部分を意識することは大事。
H:そんなこと、言われたの。
K:私も振り返るとなんであんな精神状態になったのか?って思う。
でも、独りで住むのも(完全には)慣れていなかったと思うし、いろいろ経験?人生経験、、みたいなものも足りないし、、、
K:見えないものかぁ、、未来もわからないよね。
K:未来が分かっていたら、もっとポジティブにいられたのかも。
H:「幸せはあるのではなく、つくっていく」
Kを見るH
H:好きな小説の一節なんだ。
H:でも、私、幸せだけでなく、未来も同じように思ってる。未来も作っていくものだって。
K:未来をつくっていく、、いい言葉だね。
K:未来かぁ、、、どうなっちゃうんだろうね?
H:自分も未来は作るもの、って偉そうに言っているけど、どうなるか?って考えることあるよ。
H:人と人との距離が物理的に離れることが増えているし、日本だけじゃないけど、大きなダメージがある。コロナ前までは漠然とした未来を予想できたけど、今は就職もどうなるか不安になることもある。少し先の未来のことも見えなくなっちゃう、
(ナレーション):アフターコロナの世界はどうなっているか?今はまだわからない。