第26話 社中泊!3
翌日
アメリが目覚めると会議室の時計は6時を示していた。隣ではまだファインが寝息を立てて眠っている。
「ファインちゃん、そろそろ起きるよ」
呼びかけながら肩を揺する。
ファインはまだ眠いのか、目をこすりながら
身を起こし腕を上に大きく伸ばす。
「おはよう、天使ちゃん」
2人は寝具を片付けてから服を着替え、朝食をとるために近くのカフェへ向かう。このカフェもファインが
見つけた店だ。
店には2人の他にも朝食をとりに来ている客が居たが
席には余裕があった。
座席の場所は自由だったので窓側の席に座り
モーニングセットを注文する。
「会社から近いと、こんなにゆっくり朝を過ごせるんだね。なんか、大人の余裕って感じ?」
そう言ってファインは短い髪を手でなびかせる。
「そうだね、これからもたまに来ようかな」
「いいね!その時は私もちゃんと誘ってね、天使ちゃん」
「うん、気が向いたらね」
「気が向かなくても誘ってくれると嬉しいな〜」
そんなことを話しているうちに、注文したモーニングセットが運ばれてくる。
控えめにシロップが掛けられたフレンチトーストからは甘い匂いが漂っており、朝の空腹を刺激する。その甘さをさっぱりさせるためのミニサラダと、コーヒーも付いている。
「盛り付け方もオシャレだね」
ファインは色々なアングルから写真を撮る。
アメリも1枚だけ取ってからトーストに手をつける。
程よい甘みが口に広がったかと思うと、次の瞬間には
口の中から、トーストの存在が無くなる。
「すごく美味しい!ファインちゃんも早く食べなよ」
「うん」
ファインもトーストを口に入れる。
「うまい、美味すぎるよ」
トーストの味を気に入った2人はあっという間に食べ終えてしまった。とはいえ、朝食であるため満腹感は
確かにあった。
始業時間まではまだまだ余裕がある。
コーヒーを飲みながらのんびりとしていると、アメリのスマホにセニアからメッセージが送られてくる。
「天使ちゃん、泊まるための道具なんだけどこれ以外に必要なものあるかしら?」
そのメッセージの後に、セニアが用意したであろう物が箇条書きで送られてきた。
「はい。一応防寒用具はもう少しあった方がいいかもしれないですけど」
「そうね。ありがとう」
「今日も頑張りましょう!」
「ええ、また後でね」
アメリはスマホを閉じ、窓の外を眺めながら
コーヒーを飲む。
やがて始業時間が近づき店を後にする。
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会社に戻ってくると既にセニアが出社してきていた。
「おはよう2人とも」
「「おはようございます」」
「泊まる用の荷物を置きたいから、案内してもらえるかしら」
「はい」
アメリとファインはセニアを会議室に案内し
荷物の整理を手伝う。
「そういえば、どうして先輩も会社に泊まろうと思ったんですか?」
ふと、ファインが尋ねる。
「実を言うと私も前々から泊まってみたいと思ってたのよね。それに私だけ仲間はずれなんて寂しいじゃない」
「そうだったんですか。さすがに断られると思ってお誘いしなかったんですけど、それでも聞いてみればよかったです」
「確かに会社に泊まりたい人間なんて、そうそう居ないわよね」
セニアのその言葉の後3人は互いの顔を見合って、同時に笑い出す。
「少なくともここに3人いますけどね」
「そうだったわね」
それから3人は営業部に戻り、資料の山と
戦い始めた。
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終業10分前、アメリは神に呼ばれ社長室に向かっていた。もうこの部屋に入るのにも慣れたもので緊張など一切なかった。
「失礼します」
「おぉ、すまんね呼び出したりしちゃって」
忙しいのは神も同じのようで、パソコンをカタカタと操作している。
「いえ、それで今日のご要件は?」
「昨日会社に泊まってみての感想を聞いてみようと思ってね」
「感想ですか?」
と、アメリは昨夜の状況を思い返す。
「そうですね、寝ているのが床の上なので少し痛かったです。寒さに関しては、カイロ等でどうにかなりました。朝起きてから始業まで結構余裕があるので
そこは良かったかなと思います」
「なるほど、なるほど。ありがとう参考になるよ」
神の返答が気になったアメリは首を傾げる。
「何の参考になったんですか?」
「まぁ、ちょっとね。それと、残業してくれるのは有難いけどあまり遅くまでやる必要は無いよ。体調を
崩したら元も子もないから」
「分かりました、お気遣いありがとうございます」
その後アメリは、今日はセニアも止まる旨を伝え営業部へ戻った。
寝落ちしてしまった。てへっ
現実的なことを言いますと、今後は忙しくなるためお休みが増えてしまうかと思います。
それでも良いという方は引き続き読んでいただければと思います。
時間を守れない作者ですがどうぞよろしくお願いします。




