第26話 社中泊! 2
来週はお休みします。
「ファインちゃん、今大丈夫?」
夕食を済ませた後、アメリは社中泊の許可を貰えた
ことをファインに伝える。
「うん、大丈夫。どうしたの?」
「神様にお願いしたら、会社に泊まっていい事に
なったよ」
「本当に!?というか、いつの間に神様とそこまでの仲になったの」
「色々あってね。それで、持ち物だけどファインちゃん寝袋持ってる?」
「うん。お父さんがキャンプ好きなんだけど、新しいのに変える時くれたんだ」
「そうなんだ。使ってるの?」
「全然。キャンプの仕方分からないから、なかなか行きづらくてね」
「なるほど」
その後、他に必要なものをお互いに確認したり
ファインから銭湯についての情報を教えて貰った。
そして、それを参考に荷造りを始める。
「えっと、寝袋はどこにしまったっけな」
独り言を漏らしながらクローゼットの中を探す。
すると、クローゼットの中に置いてあるプラスチックケースに入っているのを見つけた。
「最後に使ったのいつかな」
他の中身を崩さないようにそっと取り出し、バックに入れる。大きく膨らんだバックにカイロなどの
防寒用具を入れて荷造りを終える。
(明日も1日忙しいだろうし、今日はもう寝よう)
部屋の明かりを落とし、静寂に飲まれながら眠りに
ついた。
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次の日の定時前 ───
「今日も今日とて、ほとんど座ったままのはずなのに体力をごっそり持っていかれた」
そう言ってファインは、昨日と同じように机の上に頭を置く。そしてそこにセニアがやってくる。
「2人ともお疲れ様、帰宅していいわよ」
「あ、先輩私たち今日帰らないんですよ」
ファインが自慢げに言う。
当然意味を理解できないセニアは困惑した顔でアメリの方を見る。
「実は・・・・」と昨日の出来事を説明する。
「そういうことだったの。ねぇ、あなたたちさえ良ければ私も明日から一緒に泊まっていいかしら?」
「もちろんですよ、朝まで語りましょう!」
「ファインちゃん旅行じゃないんだから」
そんなやり取りをしている間に、定時を迎える。
「それじゃあ、また明日ね」
「はい!楽しみにしてます」
「お疲れ様です」
セニアを見送った2人は、業務に戻る。
2人の他にも残業をしている者は居たがその数も1人また1人と減っていき、やがて部署には2人だけになった。
「前回はこの時間でも結構な人が残ってたけど、帰宅指示が出てるからさすがにみんな帰ったね」
ファインが暗くなった部署内を見渡して言う。
「そうだね、いつもだったらこの時間に作業してる人いるのかな」
そんな雑談を挟みながら、山積みの資料を消化していく。
そして時刻は21時になろうとしていた。
「いやー、残業したけど本当に無くならないねこれ」
体感的にはかなり進めたはずなのに、資料の山の高さはほとんど変わっていなかった。
「うん、帰宅指示が出るのも当然だね」
「そろそろ切り上げて銭湯に行こうか。あまり遅すぎると、長湯できないし」
「分かった、準備するから少し待ってね」
アメリとファインは、入浴セットを持って
銭湯へと向かった。
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入浴を終え会社に戻ってきた2人は就寝の準備をしていた。神に使っていいと言われた会議室の机を整理し
寝床を作る。
ものの数分で2人が寝るには広すぎる空間が出来上がった。
「天使ちゃん、レジャーシート持ってきたの?」
「うん、床に直接寝袋っていうのが少し気になっちゃって。良かったらファインちゃんもこの上で寝る?」
「良いの?やった!」
そう言って自分の寝袋をアメリの寝袋に近づける。
「これで深夜まで語りやすくなったね」
「語らないよ、私もう眠いから」
寝袋に入り、ファインに背を向けながら言う。
「えー、お願い!少しだけでいいから」
どれだけ断っても折れずにお願いしてくる。
「じゃあ30分だけね」
仕方なく条件付きで承諾し、ファインの方を向く。
すると
「本当にそれだけで終わるかな?」
と、にやにやしながら煽ってきた。
「終わると思うよ」
冷静に返事をすると、ファインはより長く喋っているための話題を考え始めた。
そして5分後、アメリの隣には寝言を言いながら
スヤスヤと眠るファインの姿があった。
夢の中ではしっかりと語り合っているようだ。
「30分もかからなかったか」
そう言ってアメリも眠りにつく。
意識が薄れゆく中ふと、こんなことを思っていた。
(会社に泊まるってなかなかの社畜っぷりなんじゃ・・・・)
なぜ疲れているからと言って会社に泊まるのか
理解できない方もいるかもしれませんが、その辺は目を瞑って読んでいただければと思いまする。




