第24話 登山! 5
来週はおやすみですが、別サイトで投稿した短編を
こちらでも投稿しようと思っているのでお時間のある方は読んでいただけると幸いです。
本社から山頂への道は木の板で整備されており
アップダウンが目立ってきた。
歩いていると、道はやがて土に変わり
山頂まであと少しとなった。
「痛っ」
突然ロナが足を押えながら痛みを訴える。
「とりあえずそこの石垣に座ろう」
オルデがロナに肩を貸しながら石垣に座らせる。
ロナの靴を脱がせ痛みを訴える場所を確認する。
「靴擦れしちゃってますね」
皮の剥けたかかと部分を見てアメリが言う。
「靴のサイズがあってなかったみたいだね」
「うん、外出なんて滅多にしないから靴を変える機会もなくて」
そう言って申し訳なさそうに下を向く。
「そんなに気を落とさないで。私絆創膏持ってるから、貼っておくといいわ。少しは楽になると思うの
だけど」
カバンから取り出しながらロナをなぐさめる。
セニアから絆創膏を受け取り
「ありがとうございます」とだけ返事をする。
それに続いてオルデも「ありがとうございます、セニアさん」とお礼を告げる。
「気にしないで。それよりロナちゃん足はどう?
まだ痛むかしら」
ロナが絆創膏を貼り終えたのを見て、セニアが聞く。
「はい、結構痛みもなくなって楽になりました。
本当にありがとうございます」
「それなら良かったわ。一応少し休憩してから行きましょうか」
セニアの提案に従い一同は数分休憩してから、再度歩き始める。
やがて道はアスファルトに戻り、今までで1番の日光が見えてきた。
「着いたーーー!!!」
山頂に着くなり、ファインは景色が見えるところまで駆け寄っていき、オルデとロナは腕を大きく上に伸ばしながらファインの所へ向かう。
それを後ろから見ていたアメリとセニアが同じことを思う。
((子供と仲良し夫婦?))
ロナとオルデは兄妹であるにもかかわらずその言葉がしっくり来てしまう光景だった。
「ここから街が一望できるよ!」
ファインが指を指す方向には住宅街から、高層ビルまで色々な建築物が見えた。
それを背景に何枚か写真を撮る。
場所を変え、今度は山脈の見える所に来た。
天候がいい事もあり、遠くにはトミシ山の山頂が見えた。
一同は、石垣に座り休憩をとる。
ファインはいつの間に買ってきたのか
味噌田楽を食べている。
「ファインちゃん、さっきお団子食べてたよね?」
「歩いたらまたちょっと小腹がすいちゃって」
そう言って1口またひと口と食べ進めていく。
「お昼食べられなくなっても知らないよ?」
「大丈夫、お昼は別腹だから」
「そんなデザートは別腹のノリで言われても・・・・」
風で木々が揺れヒラヒラと落ちる紅葉を楽しみながら長めの休憩をした後、下山を始める。行きと帰りで
見える角度が変わり、同じ場所でも2度楽しめるところが多々あった。
そんなこんなで歩いているうちに、ケーブルカーの駅まで下山してきた。
と、すかさずファインが
「さぁさぁ、あの長蛇の列に並ぼう!」
そう、登りの際に帰りに並ぶと決めていた天狗焼き屋である。
予想ははずれ、列が短くなっていることは無かった。
「どのくらいで順番が来るのかしら?」
自分たちよりも前に並でいる人数を見ながら
つぶやく。
「30分はかかりそうですね」
「まぁでも、みんなで話してればきっとすぐね」
各々が上りでの出来事を振り返りながら楽しく会話をしていると、セニアの言う通りすぐに時間は流れ
順番がやってきた。
各自1つずつ購入して、近くのベンチで食べる。
「すごいカリカリしてる!」
ファインの言う通り、少し噛んだだけで音がなりそれだけでも美味しさが伝えられるようだった。
「中の餡もぎっしりで美味しいです」
「「ロナちゃんが、食レポをしている」」
イメージとは違ったのか、ロナの食レポに驚いた
アメリとファインが声を合わせて言う。
すると、ロナは恥ずかしそうに
「なんですか、別にいいでしょ美味しいんですから」
それを見てさらに
「「かわいい~」」
とロナを子供扱いする。それに対してロナが拗ねるような態度をとったものだから、これの繰り返しである。
そんなことをしながらも食べ終わった一同は
ケーブルカーで下山する。
「勾配が凄いわね」
「ケーブルカーの中だと1番の勾配らしいですね」
前方の窓からの景色を見ながら呟くセニアの言葉を
聞きとったオルデが言う。
「それはすごいわね」
ケーブルカーはまもなく登りのケーブルカーとのすれ違いポイントに差し掛かった。
登りのケーブルカーには子供が沢山乗っており、窓からそれを見たアメリは微笑ましくなって手を振る。
すると子供も手を振り返してくれたので、より微笑ましくなった。
数分後、ケーブルカーは麓に到着しアメリたちは下車する。そのまま予定していた昼食の店へと入店する。こちらは予想通りお客が減り始めており、すぐに案内された。
「何にしますか?」
アメリは皆にメニューを見せながら聞くが
「僕はとろろ蕎麦かな」
「あっ、私もそれがいいです!」
「私も同じものにするわ」
「私も同じもので」
と言った感じで全員が同じものを頼むことになった。
通路側に座っていたセニアが近くの店員を呼び注文する。少し待つと5人分のとろろ蕎麦が1度に運ばれてきた。
「わー、美味しそう。いただきます!」
ファインを筆頭に皆一斉にそばをすする。
「体が温まるわね」
「疲れがどんどんなくなっていくね」
その後はそばを味わうかの如く、黙々と食べる。
そして全員がほぼ同じタイミングで食べ終わる。
「ごちそうさまでした、すごく美味しかったですね」
アメリが言うとまたもや同じタイミングでうんうんとみなが頷く。
会計をすませ外に出ると、気温が下がっており少し
寒さが増していた。
タカビ山駅の近くのお土産屋さんで買い物をした後
電車で帰路につく。
グループではたくさんの写真が共有され、ひとつの
アルバムが完成しそうだった。
オルデとロナは、乗り換えのためすでに分かれ、
アメリ、ファイン、セニアの3人が並んで座っていた。
「今日は楽しかったですね」
「久しぶりに運動したよ!」
「ふふ、そうね。紅葉もじっくり楽しめたしとても
いいリフレッシュになったわ」
そんな他愛もない話をしているうちに、電車はいつもの駅に到着する。
「それじゃあ、また会社で会いましょう」
「はい、さようなら」
「さようなら!」
3人も解散しアメリはすっかり暗くなった道を家に向かって歩く。外的な寒さとともに内的な温かさを感じるアメリであった。
実際の高尾山だとケーブルカーは麓で片道か往復の券を買うのですが、今回は話の展開的に事実を曲げてしまいました。申し訳ないです。
さて、眠いので寝ます




