第24話 登山! 4
少し歩くと特徴的な形をした木が見えた。
「凄い、タコみたい!」
ファインが興奮しながら近づく。
「たこ杉って言うらしいですよ。天狗が道をひらくために神通力で曲げたと言われてるらしいです」
ロナが近くにある看板の説明を読み上げる。
「天使ちゃん、写真撮って!」
ファインは、たこ杉の前に立ちポーズを取る。アメリはスマホを取りだして何枚か撮影した後、ファインに写真を送信した。
「こっちにもひっぱり蛸というものがあるよ」
オルデが、たこ杉のすぐ近くにあるのを見つける。
「頭を撫でると運が引き寄せられるみたいだね」
「本当ですか!?よーし!」
そう言ってファインはこれでもかと言うほど、ひっぱり蛸の頭を撫でる。
「このくらい撫でればいいかな!」
満足したのか手をひっぱり蛸から離し一息つく。
アメリたちも適度に頭を撫でた後、足を進める。
すると今度は階段と坂道の分岐点に着いた。
「せっかくだから階段からいってみようか」
オルデの提案で階段の方へ向かう。
ファインは「1、2、3……」と段数を数えながら
登っている。
「ここも紅葉が綺麗ね」
「そうですね。ここまで何回も見てるはずなのに
その度に感動しちゃいます」
セニアとアメリが話していると、やがてやや強い光が見えてきた。どうやら階段が終わるようだ。
最後の1段を登り終え、後ろを振り返ると、登りとは
また違った風景を楽しめた。
「ちょっと写真撮ってもいいかしら」
他の登山客の邪魔にならないよう、できるだけ端に
寄りながら写真を撮った。
「先輩、後でグループに送って貰えませんか?」
「えぇ、もちろん」
アメリとセニアがそんなやり取りをする一方、ロナがファインに質問する。
「そういえばファインさん、階段の段数いくつだったんですか?」
「あー、途中で疲れてきちゃって数、分からなくなっちゃった」
それを聞いてロナがため息をつく。
「ちょっと!それなんのため息!?」
「いえ、なんでもないです」
ロナは何かを諦めたように歩き出す。
ファインはそれを追いかけながら「ねぇ、なんのため息なの?」とひたすらに質問している。
それを見てアメリたちも歩き出した。
次に見えてきたのは木々に囲まれた立派な山門だった。それをくぐり薬王院の、大本堂と呼ばれる場所まで行く。他の登山客で参拝列ができており、アメリたちもそれに並ぶ。
「やっぱりここは人気なのね」
辺りを見てセニアが言う。
「パワースポットですからね。でも、流れが早いからそこまで待たずに参拝出来そうですよ」
オルデが言う通り、少し談笑しているとすぐに順番がやってきた。
アメリは賽銭箱にお金を入れ、作法に則り顔の前で手を合わせる。少しして、一礼してから端によける。
「私、行きたいところがあるんだけれど行ってもいいかしら?」
そういうセニアについて行き、たどり着いたのは八大龍王堂と言うところだった。
「ここでお金を洗うと金運が上がるらしいの」
財布から取り出した小銭を、置いてある小さな籠に
入れ湧き水で洗う。それを見てアメリたちも、小銭を洗う。
「これでお給料上がったりするかな?」
「そんな邪心を持ってると、ダメかもね」
一同は洗った小銭を各々タオル等でくるんで保管した。
「次はお守り見てもいいですか?」
アメリが皆に聞き、了解を得る。
目当てのものは既に決まっており、合格祈願守を購入する。
「それ、昇級試験に向けてですか?」
ロナが聞いてくる。
「うん。勉強はもちろん頑張るけど、こういうのが
あったらなんだか落ち着くし安心できるかなと思って」
「あぁ、なんか分かります。試験頑張ってくださいね」
「うん、ありがとう」
一同は本堂の脇の階段をのぼり本社への参拝も終えた。




