第23話 小さな転生者! 3
ちょっと急ぎめに投稿したので、誤字脱字があるかもしれないです。申し訳ございません。
それから何人かの手続きを終え、昼休憩の時間を迎えた。いつもは弁当をファインと食べていたが、今日は念の為に一人で食べることにした。社長室の机を借りて食事を開始する。
「一人で食べるの意外と寂しいなぁ。家では大丈夫なのになんでだろう」
そんなことを思いながら、静かな社長室で食事を進める。ファインと話さないからだろうか、いつもより早く食べ終わった。
(午後の始業まで結構時間あるなぁ)
特にすることも思いつかずスマホに目を向けると、ファインからメッセージが届いていた。
「今何してるの?」
「ちょうどお昼食べ終わったよ」
「早いね、私は今からだよ。なかなかキリのいいタイミングが無くて」
泣き顔のスタンプと一緒に送信されてくる。
「天使ちゃん、待機施設の仕事はどんな感じ?」
「裏で事務作業だから、いつもと余り変わらないかな。きっと神様の配慮だよ」
と、怪しまれないよう予め用意しておいた内容を送信する。
「そうなんだ。良かったね!」
「うん。それより早く食べないとお昼休み終わっちゃうよ」
「はーい」
ボロが出ないように、早めにトークを終わらせた。アメリは次に、スマホをしまって社長室を散策することにした。本棚には辞書ほどの厚みのものが多く並んでおり、題名だけで難しい本ということを表していた。
その本棚の隣にはまた別の種類の棚があり、A4サイズのファイルが整理して置いてあった。
その中に、あることに関する資料を見つける。メモを取ろうとした時
「始業時間デス、午後モ頑張リマショウ」
と、機械のアナウンスが流れた。
やむなく元あった場所に戻し、スイッチを押して白い部屋へ移動する。
(今日中に写しておかないと)
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「こんにちは!」
突然の大きな挨拶にアメリは思わず驚く。
いや、それよりもその体の幼さに驚いたのかもしれない。とにかく、アメリの心が乱れたことは確かだ。
(そうか、転生希望ができるのは不運な死を遂げた人がほとんど。当然と言っていいのか分からないけど、子供もいるよね)
深呼吸をして心を落ち着かせ、できるだけいつも通りに接する。
「はい、こんにちは。挨拶できて偉いね」
「うん!僕ママにいっつもご挨拶はちゃんとしなさいって怒られてたから、ちゃんとできるようになったんだ!」
「そうなんだ・・・。ところで、君は将来なりたいものってあるの?」
男の子を怖がらせないよう、いつもより口調に気を遣い、少しづつ資料を作っていく。
「ヒーロー!ヒーローになって困ってる人を助けてあげるんだ」
「いいね、そのヒーローはどんな力を使うの?」
「とっても力持ちで、荷物を持ってあげたりするの」
具体的なスキルの内容を引き出すことが出来た。他のことも、上手く引き出し書き終える。だが、アメリはその資料を提出せずに白い部屋の机の上に置いた。
「ちょっとお出かけしようか」
そう言って男の子の手を取り、社長室へと戻る。聞き取りは終わったが、このまま一人で施設へと転送させても困惑してしまうだろうと考えたからだ。
「すごい!今の何?」
男の子が周りの景色が一瞬で変わったのを見て興奮する。
「内緒」
「お姉ちゃん、意地悪」
「ごめんね」となだめるように謝った後、
始業時間に見ていたファイルを開いてメモ帳にあることを書き写す。
それが完了した後2人は徒歩で施設へと向かった。途中で誰かに見られるのではないかというアメリの心配は杞憂に終わった。
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「ちょっとお姉ちゃん、用事があるから待っててね」
そう言って受付に行きとある人物の部屋番号を聞く。それから男の子と共にその人物へ会いに行った。
「ちょっと外で待っててね」
男の子を部屋の前の椅子に座らせ、要件を済ませるためノックし部屋に入る。
「こんにちは咲さん、先程ぶりです」
そう、午前中に対応した高齢の女性だ。
「あら、神様。先程ぶりです」
「実は咲さんの旦那様が今どこにいるか分かりましたので、お伝えに来ました」
「まぁ、本当!」
社長室にあったファイルには、異世界ではなく天界に転生した者の住所のようなものが記載されていたのだ。アメリは先程のメモを咲さんに渡す。と、同時に小さな影がアメリの脇を通り抜けた。
「やっぱり咲おばぁちゃんだ!」
「あら、翔太ちゃん。どうしてここに」
「僕もよくわかんない」
「そうなの・・・・。ちょっとお姉ちゃんとお話があるから廊下で待ててくれるかしら?」
「はーい」
やや落ち込みながらも先程と同じく廊下の椅子に座る。
それを確認してアメリが話を切り出す。
「あの、失礼ですがどういった繋がりなんですか?」
「翔太ちゃんの家とはお隣同士でね。ご両親が仕事で忙しい時は、私が代わりに面倒を見ていたんです。それで神様、ここに居るということは・・・・」
アメリは認めたくないかのように小さく首肯し現状を伝える。
「まだ小さな子供ですから、一人で異世界へ転生させるのは心配でどうしたらいいか分からず、とりあえずここに連れてきたんです」
それを聞いて咲さんは暗い表情になるが、それは一瞬でなくなり、今度は明るい表情になる。
「もし良ろしければ、私が面倒を見ましょうか?」
「え?」
「それが一番翔太ちゃんにとって安全であり、安心できると思うんです」
「ですが、」と言うアメリの言葉を遮って咲さんが続ける。
「神様はおじいさんの居場所を教えてくださいました。幸せを与えてくれたんです。ならば私はその幸せを別の誰かに分けてあげなければいけないんです。
だから、お礼ということでどうか、引き受けさせてください。翔太ちゃんのためにも」
咲さんの表情は柔らかく人あたりの良さそうな感じが出ているが、その目は至って真剣でただアメリだけを見つめていた。
「すみません、そうしていただけると助かります。私だけではどうしようもなくて」
「気にしないでください。私は私のやりたいことをやっているだけですから。さぁ、神様というのはさぞ
お忙しいでしょうから後のことは任せてください」
そう言って咲さんは廊下の翔太君を呼ぶ。
「さぁ翔太ちゃん、お姉さんにサヨナラして」
「お姉ちゃんバイバイ」
何も知らない男の子は純粋な心でアメリに別れを告げる。
部屋を出る際、深々とお辞儀をして施設を後にした。
(たまたま咲さんという人がいたからどうにかなったけれど、もしいなかったら私どうしてたんだろう)
(時々、翔太君のところに遊びに行こう。それくらいしか出来ないけれど、少しでも楽しく過ごして欲しいから)
そう思いながら、会社へと足を向けた。
眠い、、、




