第23話 小さな転生者! 1
ファイン達とタカビ山に行く約束をした1週間程後
アメリは神に呼ばれて社長室に向かっていた。
(今度は一体なんの用事だろう?なんか社長室に来るのも慣れちゃったな)
思いながら移動し、社長室の前に着きノックする。
「営業部のアメリです」
「どーぞ」
(相変わらず社長とは思えないテンションだな。
まぁ堅物よりはいいけど)
扉を開け中に入る。
「失礼します、どのようなご要件でしょうか?」
「やぁやぁ天使君、お久しぶりだね」
本題に入ろうとするアメリとは逆に、神は世間話を
始めようとする。アメリもそれに合わせる。
「試験勉強の方はどうかね?」
「はい、セニア先輩から頂いた情報をもとに、少し
ずつ進めています。社長、ありがとうございます」
「神の仕事を代行してもらったお礼に、試験に関して協力すると言ったのはワシだからね」
言われて、その時のことを思い出す。
(あの時は試験を援助してもらうためにやったけど
意外といい経験だったな)
その後も、近況について話を重ねる。
数分談笑した後、アメリが話を本題に移そうとする。
「ところで社長、私が呼ばれた理由をそろそろ教えていただいても?」
「うん、率直に言うと、また神様代行してくれない?」
向き合った二人の間に、静寂が流れる。
「おかしいな、聴力テストはいつも異常なしだったのに」
顎に手を当て考え込むポーズを取る。
「聞き間違いじゃないよ?」
「どうしてまたやらないといけないんですか?」
「うん、今度紅葉狩り行ってこようと思ってね。
その間の代わりをお願いしようと思って」
そう言って地上界の紅葉狩りスポットのサイトを見せてくる。その姿はさながらファインである。
「社長も行かれるんですか!?」
「も、ということは天使君も行くのかね?」
「はい、まだ日程とか詳しいことは決まってないんですけど、ファインちゃん達と行く予定です」
そう言って今度はアメリが神にスマホのサイト画面を見せる。
「そうだったのか、まぁとにかく頼むよ。
1度経験してるし前回もよくやってくれたじゃないか」
「それは、試験に関して何かしら協力していただけると言う事だったので」
「もちろん引きうけてくれたら、今回も何かしらの
協力はするつもりだよ」
再度静寂が流れる。アメリも、試験に関する協力付きとなると気に迷いが生じた。
「一日だけで良いから頼むよ、天使くん」
「分かりました、引き受けます」
迷いが完全に消えた訳では無かったが、やはり協力という報酬付きというのが大きく、引き受けることにした。
「ところで今回はどう誤魔化すんですか?
前回みたいに、風邪をひいたとは言えないと思いますけど」
「それについてはもう考えてあるのさ。天使くんは、転生希望者の待機施設でヘルプをするということに
しておくから」
(私用のために権力使いすぎでしょ)
呆れながらそれを顔に出さないように微笑する。
「1週間後にお願いするつもりだから、前日にまた来てね。よろしくー」
「分かりました。失礼します」
アメリは社長室を出て、営業部へ戻る。
すると、ファインが呼び出された事情を聞いてくる。
「なんか、来週待機施設のヘルプに行って欲しいんだって」
「へぇー、でもそのくらいならセニア先輩から伝えるだけでいいと思うんだけどな」
「そ、そうだね。どうしてだろう」
と言って誤魔化し笑いをする。
(こんなのでちゃんと、誤魔化しきれるのかな)
心配になりながらも、1週間後を待つアメリであった。
眠い




