第3話 初仕事! 2
「うーん・・・・・・」
アメリはかれこれ30分程資料とにらめっこしていた。
「どうしたの?天使ちゃん。困ってるみたいだけど」
「実は""転生希望者が所望するスキルの概要"の欄に
何を書けばいいのかわからなくて・・・・・・」
アメリは書類に書くための情報が少なすぎるため
作業が進まずにいたのだ。
「それなら、セニア先輩に聞きに行ってきなよ。
気軽に声をかけてねって言ってたし。」
「うん!そうするよ。心配してくれてありがとう!」
礼を言ってからセニアの元へ向かう。
「先輩、今大丈夫ですか?」
「あら天使ちゃん、どうしたの?」
「ちょっと困ったことがあって。」
アメリは事情を説明する。
「なるほどねー。たまにあるのよ、神様が転生希望
の方に聞きそびれちゃう時が。」
「そうなんですね、それでどうすればいいですか?」
「転生希望の方がスキルを渡されるまで待機して
いる施設があるの、そこに行って詳しい内容を
聞くしかないわね。
一緒に行ってあげたいんだけど今少し忙しくて。
悪いんだけど1人で行ってきてもらえる?」
「わ、分かりました。それじゃあ早速行ってきます!
相談にのっていただきありがとうございました!」
アメリは必要なものを持って会社を出た。
「あっ!施設がとこにあるのか教えるのを忘れてたわ。天使ちゃん無事に着けるかしら・・・・・・。」
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10分後、アメリは迷うことなく目的の施設に
到着していた。
会社の近くに建てられたのは、アメリのように会社から施設に行かなくてはならない社員のことを思ってなのだろうか。
施設に着いたアメリは受付へと向かった。
「すみません、こちらの方をお呼び出しして欲しいのですが。」
「かしこまりました。少々お待ち下さい。」
受付の人がアナウンスをかけると5分程して
目的の人物がやってきた。
「なんすか〜?呼び出しって。中学以来だな〜。」
20代前半の若い男だった。
「初めまして。私、転生支援株式会社の天使アメリ
と申します。幾つかお聞きしたいことがございますので、少々お時間よろしいでしょうか?」
「あ〜、了解っス。立ったまんまは疲れるんで
俺の部屋来てもらってもいいですか?」
「分かりました。」
男の部屋で、欲しいスキルの概要やその他諸々を
聞き取りメモしていく。
全ての質問を終え、会社に帰る支度をしていると
男が話しかけてきた。
「いや〜、迷惑かけてすみませんでした。
でも、これでちゃんと俺の要望は通るんすよね。
アメリさんどうぞ宜しくお願いします!」
「はい!全力で支援させていただきます!」
笑顔で挨拶して、アメリは会社に戻った。
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「天使ちゃん。ごめんなさいね、場所を教えずに
行かせちゃって。無事に着けた?」
会社に帰ってきた途端セニアが何度も謝ってきた。
「大丈夫です、聞きたいこともちゃんと聞けましたし」
「本当にごめんなさいね」
「先輩、本当に大丈夫ですから!」
問題なかったことを伝えセニアに報告をする。
「あの、書類作り終えたので確認お願いします!」
「うん、確認しておくね。そろそろ定時だから今日は
もう帰宅していいよ。あと、本当にごめんね。」
セニアが再度謝ってきたが、自分がここにいる限り
この連鎖は終わらないと思い、ファインに挨拶してから帰宅した。
第3話はここで終わりです。
時間が無く少しずつしか書けなかったので
今回は2部構成(?)という形で投稿させて頂きました。もし、転生希望者向けの施設があったら
転生やめてずっとそこで暮らしてたいですね笑
皆様に楽しんでいただけたのなら幸いです。
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