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転生支援株式会社!  作者: 黒梨恵夢
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第19話 成長!

10月某日

アメリは暇な時にデスクに来るように、セニアに言われていた。

そこで昼食を終えたあとの時間でセニアの元へ向かう事にした。


「先輩、お話ってなんですか?」


「あぁ、これを渡そうと思ってね」


そう言って1枚の紙を渡してくれた。


「これは?」


「あなた、ランク昇格の試験を受けるのでしょう?

私なりに勉強した方がいいと思ったところをリストアップしておいたから参考にしてちょうだい」


アメリは入社時から出来るだけ早く天使から大天使へとランクアップすることを望んでいた。本来なら何年か経験を積んでから受けるものだが、アメリは初年度から挑戦することにしていたのだ。

何度でも受けられ、アメリのように初年度から受ける者もごく稀にいるらしい。


「先輩、私が受けること知ってたんですか」


「えぇ、この前神様に色々と手伝ってあげるように

言われてね。その時知ったの」


「そうだったんですね、ありがとうございます!

大切に使います」


アメリは自分の机に戻りその紙をファイルに綺麗にしまい、業務に戻った。

ーーーーーーーーーーーーーーー

次の日

アメリは資料作成のため転生希望者の元へ訪れていた。


「失礼します、転生支援株式会社の天使です。いくつかお聞きしたいことがあったのでお伺いしました」


いつも通り転生希望者に挨拶をする。

部屋の主は20代後半の男だ。

髭は伸び、体は服を着ていても骨の形が分かるのではと言うほどやせ細っていた


「人の役に立てるスキルをご希望という事なのですが、具体的な内容を教えて頂けますか?」


「うーん、そう言われても人の役に立てるなら本当になんでもいいんです」


そう言うと男は生前のことを話し始める。

この男は、高校まではごく普通のゲーム好きな青年だったが、大学受験失敗を機に一気に堕落。

今に至るまで引きこもりのニート生活を送っていたそうだ。

近くのコンビニに買い出しに行った帰り、トラックに轢かれそうになっていた母親を助けるために身代わりとなったという。


「神様に、母のその後を見せてもらったんです。

そして母が泣いているのを見て、こんな僕のことでも愛してくれていたんだって思うとなんだか嬉しくなったんです。それで助けてよかったなって。

だから、せっかく1からやり直せるなら今度は人の為に生きようって思ったんです」


男の話に感動したアメリは瞳に涙をうかべる。


「とてもいいお話ですね。人のために生きるなんて

素敵です。ところで嫌なことを思い出させてしまって申し訳ないのですが、確か第一志望の大学は医療系でしたよね?」


「えぇ、幼い頃に祖父が病気で亡くなったのを見た時に医者になろうと思ったんです。

とても良くしてくれていたので、ショックも大きくて」


「それなら回復系のスキルなんていかがですか?」


アメリが提案すると男は少し考え込む。


「ゲームだと回復ポーションがありますけど、向こうの世界にもあるんですか?」


「ありますよ」


「それなら、ポーション作成のスキルにして頂けますか。冒険について行ける気がしなくてね、お店でも

開いて生活していこうと思います」


「かしこまりました」


紙にメモをしてその他の事項を再確認する。


「色々とありがとうございました。生前は親に迷惑をかけて、まるで悪人のような生活をしていましたから、転生先では善人として生きていきます」


「お言葉ですが、あなたは別に悪人では無いと思いますよ。確かに他人に迷惑をかけるのは良くないことですが、最後にあなたは母親を助けたじゃないですか。

それは悪人のすることではないでしょう?

過去の過ちは変えられないんです。だからこそ、人は同じ過ちをしないように変わろうとする。悪い癖を治したり、生き方を変えたり。人はそれを成長っていうんです」


アメリの話を聞き、男は頭の後ろの方を掻きながら

優しく微笑む。


「僕よりも年下なのに、僕よりもしっかりしている。すごいね君は」


「すみません、偉そうにしてしまって」


自分が説教まがいのことをしていたと思い慌てて謝罪する。しかし男はまた優しく微笑んで


「いや、いいんだ。年齢で決めつけるのは良くなかったね、すまなかった。僕もまだまだ成長が必要なようだ。来世でゆっくりと成長していくよ」と言って

部屋から出るアメリを見送ってくれた。


外に出ると、この前まで暖かかった風が少しずつ冷たくなっているのを感じた。それは昇格試験が近づいていることを知らせているようだった。

試験が始まるのは1月の後半。

アメリは勉強の計画を考えながら会社に戻った。

久しぶりの1回投稿で完結タイプです。

毎度の事ながら短い文に凝縮しております。

ご了承くださいませ。

それではまた来週

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