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転生支援株式会社!  作者: 黒梨恵夢
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第8話 アドバイス!

営業部に戻ってきたアメリたちは

スキルの受け渡しが完了したことを報告する。


「おつかれ〜。2人とも今日はもうあがっていいわよ」


「分かりました、お疲れ様でした!」


アメリが自分のデスクに帰るとファインが

話しかけてきた。


「おつかれ。大変だったね」


「ありがとう。でも、いい経験ができたよ

それに、ロナちゃんとも仲良くなれたと思うし」


「良かったじゃん!」


顔をあげるとロナがセニアに挨拶をしている。どうやら もう帰る支度ができたようだ。

そういえば、とファインを見てみると帰る素振りが全く 見えない。


「ファインちゃん、もう少しで定時だけど帰る支度しないの?」


「うん、今日は少しだけ残業してから帰ることにしたんだ。」


「そうなんだ。頑張ってね」


「うん、ありがとう!」


そういうとファインは少し伸びをしてから作業を再開する。

普段はダジャレを言っているような元気で明るい印象だが仕事に対するファインの態度はとても真剣であった。

オンとオフをしっかり切り替えられる事に感心しているとそれを気にしてかファインが話しかけてきた。


「どうしたの?私の顔になにか付いてる?」


「ううん、なんでもない!また明日ね」


「うん、おつかれ〜」


ファインに挨拶をしてから、セニアの元へ向かう。


「先輩、お疲れ様でした。お先に失礼します」


「あ、天使ちゃんおつかれ〜。聞いたよ〜、なかなか良い対応してたって。先輩としての素質があるんじゃない?」


冗談めかして、微笑みながら言う。

アメリも微笑みながら

「先輩だなんて、まだまだ先の話ですよ」と言う。


「そう思ってても1年はあっという間に過ぎちゃうから、今を大事にね。少しでも楽しんで、少しでも得意なことを増やして、少しでも苦手を克服して。

そうやって培った"少し"はいずれ"大きな"何かを掴むために絶対に役立つはずだから。これ、先輩からのアドバイスだぞ!」


そう言ってまた、冗談めかして微笑む。

セニアもまた、オンとオフをしっかり切り替える事のできる人間だ。しかし、態度的にはさして変わらない。仕事中は後輩の指導をしっかりとし、日常においてもまた先輩としてアドバイスをしたりと後輩のサポートをする。


セニアはオンでもオフでも先輩として行動している。そんなセニアをアメリは目標とすると共に先輩としてのセニアでは無い、セニアとしてのセニアを見てみたいと思うのであった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日


「おはようファインちゃん」


「おはよう〜、天使ちゃん」


アメリが出社すると珍しくファインが先に

出社していた。


「ファインちゃん今日早いね?」


「昨日の続きをやりたくってね。結局中途半端なところで終わっちゃって」


どうやら昨日の残業で終わらなかった分を

やっているようだ。邪魔をしては行けないと思いセニアに挨拶をしに行こうとする。

しかし、ファインに呼びかけられた。


「あっ、昨日残業中に思いついたなぞなぞがあるから答え当ててみて!」


昨日の集中力は果たしてどこに行ってしまったのだろうか・・・・。

まさか、なぞなぞを考えていたから残業をしても終わらなかったんじゃないかと思いつつもアメリは了解する。


「問題です。置くと順番が次の人の番になっちゃうものってなーんだ?」


目の前ではファインが「天使ちゃんには難しすぎるかな〜」と言いながらニヤニヤしているが、アメリは既に答えを導き出していた。


「答えはタコでしょ?」


「ほほぉ、その心は?」


「置くとパスでオクトパス。だからタコ」


「くっそぉ、なかなかいい出来だと思ったんだけどな〜。やはり手強いね・・・・」


あっさり答えてしまったことに申し訳なく思ったがそんな気持ちは「もっと難しいのを考えないと」などと言っているファインを見て一瞬で無くなった。


「私セニア先輩のところに行ってくるね」


席を離れようとした本来の目的を思い出し、セニアの元へ向かう。


「先輩おはようございます」


「おはよう天使ちゃん」


挨拶を済ませて、昨日思いついた事を

伝えようとする。


「先輩あの、えっとその・・・・」


「ん?どうしたの?」


「今度のお休み一緒に出かけませんか!」


先輩を誘うということに緊張して、思わず勢いづいて言ってしまった。


「そんなに頑張って言われるとちょっと照れちゃうわね〜。いいわよ、行きましょう」


「ありがとうございます!」


伝えたかったことを伝えられてニコニコしながら席に戻るとファインが話しかけてきた。


「何かいい事あったの?」


「うん!実はね今度のお休みに先輩と一緒に出掛けられることになったんだ〜!」


「ずるい」


「へ?」


ファインの声がいつもより、一回りほど低かった。


「私も行きたい、私も連れてってよ」


そう言うファインは声こそ低かったものの

顔は駄々をこねる子供のようであった。


(かわいい・・・・)


「分かった、ファインちゃんも一緒に行こう?」


「やったー!そうと決まればどんどん仕事終わらせちゃうぞ!」


驚くべき集中力。一体何が彼女をここまでさせるのだろうか。そのうちプ〇フェッショナルに出演できそうだ。

そんなことを思いつつアメリは今日も

仕事をこなしていくのであった。

また忙しくなってきたので、今回から週に一回

の更新となります。大変申し訳ありません。

更新頻度は減りますが、今後も読んでいただければと思います。よろしくお願い致します。

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