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第五話 仕組みを理解するんですね

エルジュの世界には魔法がある。

しかしそれは誰でも使えるものではない。

魔法を使うためにはその技術が必要なのである。

それを『スキル』と呼ぶ。

スキルを取得したものにだけ魔法が使えるようになるのだ。

スキルの取得方法はただ一つ…


「『拾う』です!!!」


また胸を強調してソプラは立つ。


「いやだから、どやあって顔されても反応に困るから!

…ってことは俺の力もどっかで拾ったってことか?記憶にないけど。」


「そうです、航ちゃんは『絶海ぜっかい』をどっかで拾ってるんですよ。」


「基本的にはどこらへんで拾うんだ?」


「道端とか…ですね。」


「そんな雑でいいのかくそ白ドラゴン!」


「いいんですよ。そのためにレア度が存在するんですから。

スキルにはレア度というものが存在していて、レア度1から7まであります。

レア度7が一番高くて、そのレア度がによって拾える確率が異なるんです。

簡単に言えば、そもそもそのスキルの個数が少ないからレア度が高くて、

個数が少ないから拾える確率も下がるって感じですね。

全スキルの内、レア度2のスキルが10%って言われてて、

そっからレア度が上がるごとに0が一個減っていくって言われてます。

レア度3で1%、レア度4で0.1%ってことですね。

レア度の高いものはモンスター、

あ、さっきの熊みたいな『ベアール』とかの化け物を総称して

モンスターっていうんですけど、

そういうのが多くて強しなところに落ちてることが多いんです。」


「つまり俺の『絶海』はレア度5だから…0.01%!?」


「だからすごいって言ってるんですよー♪

しかも初めて手に入れたスキルですし、たぶん道端で拾ったんでしょうし、

特に『絶海』は回復と強化の両方の効果を持っている混合スキルですからねー、

運がいいんだか悪いんだか。」


スキルには大きく分けて4グループがある。

単純に魔法の威力を駆使して相手にダメージを与える、攻撃スキル。

魔法の力で味方の身体の技術や能力を強化する、強化スキル。

逆に魔法の力で敵の身体の技術や能力を弱体化する、弱体スキル

そして傷や魔法を使うための魔力を回復する、回復スキル。

これらの効果が複数あると混合スキルと呼ばれる

一人一人扱いやすいスキルが異なり、その特徴をあらわしたものが

役職やくしょく』として示されるのである。


役職も大きく4グループに分けることが出来る。


戦士せんし』系は主に近距離かつ高威力の攻撃スキルと

自身の強化スキルに長け、接近戦をすることを得意とする。

騎士きし格闘家かくとうかさむらいなどがここに属する。


術士じゅつし』系は主に遠距離かつ広範囲の攻撃スキルに長け、

後方からの戦闘に向いている。

魔導士まどうし弓士ゆみしなどが属する。


援士えんし』系は主に強化スキルと回復スキルに長け、

味方の戦闘を補助することが多い。

支援者しえんしゃ賢者けんじゃ研究者けんきゅうしゃなどが属する。


幻士げんし』系は主に弱体スキルに長け、相手を困惑させながら戦う。

道化師どうけし幻術士げんじゅつしなどが属する。


こちらも、特徴が複数ある場合、複合役職となることもある。


「てなわけで、航ちゃんが最初に取得したスキルから考えて、

役職は援士系だと予測はできますね。

残りは『能力値のうりょくち』についてですね。」


『能力値』とはその生物のすべての力を総合的に数値にしたものである。

スキルの発動に必要な力『魔力まりょく』。

攻撃の威力を示す『火力かりょく』。

攻撃を受けても耐える力『耐久力たいきゅうりょく

移動の速さを示す『速力そくりょく

スキルを使いこなす力『知力ちりょく

自身の傷を癒す力『回復力かいふくりょく

それ以外を考慮した『他力たりょく

それぞれを数値として出し、それを合計したものが能力値である。


「スキルも無限に持てるわけじゃないんですよ?

能力値に比例して持てる個数が増えていくんです。」


「全てをはっきり知るためには、えっと、あれ。」


「『識別しきべつ』ですか?」


「そうそう、それしか方法がないのか?」


「そうですね。『識別』しかないですね。

でもこのスキルはレア度6の超希少なレアスキルなんで、

持っている方が少ないんですよ。

スキル内容が

『物の真実を見極める力。相手のステータス、スキルの情報を手に入れる。』

ってなってるんで、村長とか人事のトップになってる方がお持ちみたいですね。

それに『識別』でも能力値はわかりますが細かい内訳まではわかりません。

レア度7の『しん識別しきべつ』ならいけますが、

お持ちなのはファクト様のみだと思います。」


ソプラ先生はわざとらしくスキル辞典を開け、

伊達だてメガネをくいっと右の人差し指で上げながらそう言った。


「ってことは俺の能力を知るためには、

とりあえず村長とかに頼めばいいわけだな。

くそ白ドラゴンにあう方法はわかんねーからな。」


「そういうことになりますねえ♪」


「何で嬉しそうなんだよ。」


久しぶりに旅が出来そうな予感に胸を躍らせていたソプラは、

航大に言われると慌てていつも通りを装った。


「と、とにかくですね、村長のいるところまで旅しなければいけない

ということなので、早く行きましょう!

えーっとですね…ここから一番近い村は…『アサイファ』ですかね!

行きましょう!」


「…その前に、俺、死ぬわ…。」


ソプラの目の前で航大が倒れる。


「…あ、『絶海』使ってもらってたの、忘れてました。

魔力切れましたか。」


急いで航大に魔力を回復する魔力液を飲ませた。


「…しばらく休まなきゃですね。

しかし私が忘れるくらいまで魔力が持つなんて、

私よりもよっぽど魔力値が高いんですかねー。」


そういいながら、ファクトが紙に書いてくれた自分のステータスを見る。


【ソプラ=クワーティ】

役職:格闘家

能力値:433

―魔力:56

 火力:82

 耐久力:67

 速力:98

 知力:43

 回復力:37

 他力:50

称号:転移者

スキル1:全速力ぜんそくりょく ★★★☆☆☆☆

     己の力の限界で走る力。

     自身に

     速力強化(特大)

     を付与する。

     持続時間が長くなるほど、消費魔力が増える

スキル2:火炎猛打拳かえんもうだけん ★★★★☆☆☆

     燃え盛る炎のごとく拳を打ち出す。

     一定範囲内の敵に火属性のダメージを3秒間与える。

     発動時の消費魔力によって、1秒毎の攻撃回数が増える。


ソプちゃんのステータス大公開!

え!?って思うことがあるかもしれませんが、ぐっとこらえて待ってください(笑)

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