第7話 浮気劇第三幕「第二の男」
朝起きたら、目の前に美少女が!!
そんな展開は、現実にありません
秀吉が次に目を覚ました時は日が昇り始めた明朝だった。
自分の状況が全く分からないが、なんだかとても温い。
目だけ動かして周りを見ると、自分が布団の中にいることが分かった。
布団の中にいるということは、これまでのことは全て悪い夢だったということだろうか。
まぁいい。
なんだか人肌を感じるし、このままもう一眠り……と考え、体を横に向ける。
すると、目の前にめちゃくちゃ綺麗な顔があった。
「!?」
「……」
叫びそうになったが、相手はぐっすり眠っているようなので慌てて声を飲み込む。
こんなに綺麗な顔の人と会っていた記憶もなければ、そもそも女性に会いに行ったり、行く約束もしていなかったはずなのにどういうことだ。
必死に記憶を探ろうとしていると、その綺麗な顔の人が軽く動き出す。
「……ん………」
目を覚ますのかと思いきや、ほんとにわずかに動いただけでそのまま眠り続ける謎の人。
秀吉の心臓はドキドキと早鐘をうっている。
ちょっとだけ……と魔が差して、綺麗な顔の人に触れる。
おお……すべすべのお肌にサラサラめの髪。ほんに美しい女子じゃ。ちょっと、もうちょっとだけ……ムフフ。
そう思いながらも怪しい手の動きは止まるところを知らず、顔だけでなく眠っているその者の体にも手を出し始める秀吉。
「ムフフ……む? 少し硬めの体つき? というか筋肉があるのぅ」
「……それは俺が男だからだ」
「ほあっ!?」
突然の低音ボイスにびっくりして固まる秀吉。
対して、男だといったその綺麗な顔の人は目をカッと開いて秀吉を睨む。
「お、お主、蘭丸か!?」
「左様」
「な、なぜわしと共に寝ておる!?」
「……俺が聞きたい」
めちゃくちゃ怒りを含んだ目で秀吉を見つめる蘭丸にたじたじの秀吉は、そのまま後ろへ下がろうとする。
しかしガシッと蘭丸に強く掴まれて逃げられない。
「……どこへいくんです」
「いつも無口の蘭丸が今日は随分しゃべるんじゃな! むしろなぜ逃がしてくれないんじゃ!? わしは男と寝る趣味は無いぞ!」
「……この状況は?」
「わしが聞きたいーー!!」
どこまでが現実でどこまでが夢で、今もどこにいるのか分かっていない秀吉は大混乱だった。
それに追い打ちをかけるかのような、綺麗な顔をしているとはいえ男との添い寝をしていたという現状に女好きの秀吉はショックも重なる。
しかし蘭丸も状況をよく分かっていないのか、とりあえず秀吉が悪いと考えて覆いかぶさって押さえつける。
「……とりあえず信長様の元に」
「いやっ! それはっ! まずい気がする!!」
「……やましいことが?」
「ない! けど状況がおかしいじゃろ!! ……ん? ここは信長様がいるのか」
「…………」
秀吉の問いを聞くと、なぜか蘭丸は制止する。
少しの間があいた後ふいに秀吉を引っ張り、上半身を起こす。
それにされるがままでおり、蘭丸が背後に回るのを見送ると手刀が入れられた。
再び秀吉は気を失ったのだった。
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残念ながら少女ではありませんでした。顔はいいけどね




