第七十三話 荒木村重という男
日付変わってしまった!!すみません!!
荒木村重の回。
彼は一体どういう人物だったのでしょうか。
荒木村重は、少年時代から同い年の者たちに比べて力が強く、武術の鍛錬を好み、大食で、常に誰かと勝負事をする、ポジティブでまさに男らしい男の子であった。
その後、お家争いや戦の場で数々の武功を上げ、のちに織田信長へと仕えた。
数々の武功をあげ、勇気と才能に溢れた彼を信長は高く評価し、重用していた。
――だが、彼はとても優しい人物であったという。
お家騒動でクーデターを起こしたり、戦で敵城主を捕獲したり、味方に裏切る者がいても彼は、追放やあえて逃がしたりなど、絶対に自分と敵対する者の命を奪うことはしなかった。
そこが、時々残虐性を見せる織田信長や羽柴秀吉との違い。
そして、その優しさゆえに、ポジティブさを持ち合わせているがゆえに、たまにひどくネガティブな思考に支配される時がある。
そして、この中国征伐の時こそ、まさにその時であった。
村重は信長に仕えてはいるが、信長と敵対関係にある将軍・足利義昭や僧兵・本願寺顕如とも親しい間柄であった。
そして、信長に内緒で彼らに物資の支援をしている。
今のところかなり信用されているので村重が敵にそんなことをしているなどという考えは信長に一切ないようだが、バレたら無事ではいられまい。
その時のことを思うと、村重は不安で仕方がなかった。
不安材料をなくすなら支援を取りやめればいいだけなのだが、村重自身は彼らと仲が悪いわけではないのでやめることができない。
信長に信頼されている自分なら例えその件が明るみで出たとしても恩赦をいただける可能性も……。
いや、それに最初からすがるようではいけない。
やはり、危険な綱渡りをしている状態であることは変わりない。
「―――」
三木城に籠る別所長治に兵糧を届けているのは毛利もだが、本願寺顕如や足利義昭も支援者にいるだろう。
三木城を攻略し、別所長治を討ち取ることを命じ、命じられた信長や秀吉を間接的に裏切ってしまっている自分の行動は許されることであるまい。
「やはり……」
村重の思考に不穏な影ができる。
これから高砂城と魚住城を攻める戦が始まるというのに、戦に身が入る気がしない。
溜息を吐く村重は、自身に近づく影の気配に全く気付かなかった。
「荒木殿」
「……っ! ……おぬしは秀吉殿の小姓の……」
「大谷平馬です。今回の支城攻め、お供させていただいても? 武名名高い荒木殿の武勇を間近で見てみたいのです。荒木殿もかつては信長様の小姓勤めから今の地位まで登られたと伺いましたので」
「おぬしは俺と違って頭が良いように見受けられる。今回の軍議での提案といい、俺より竹中殿や小寺殿に指示し、戦略をもっと深めた方がよいと思われる」
「そのように思っていただけて光栄です。未熟な身ですが、今後とも精進してまいる所存です。ですが、この戦国の世を生き抜くには知力だけでもダメなのです。やはりある程度は生き抜くための武力がいります」
「――ふむ。そうだな。あまり参考にはならぬかもしれぬが、俺で良ければ」
平馬の向上心に溢れた言葉や行動に村重は昔、信長の小姓だった時代をふと思い出して表情を緩ませる。
主君の役に立つため、また自分を認めてもらうために一つでも多くの武功を上げんと努力していた日々が懐かしい。
この青年も自分とは違った形で主君に認められ、立派な大名へと出世していくかもしれない。
村重は平馬の言葉や行動を純粋に受け取り、感動していた。
「ありがとうございます。それでは参りましょう」
「うむ」
平馬はこの高砂城と魚住城攻めの間、内心では三吉を心配しつつもずっと村重と共に行動した。
ルートや部隊指示の提案や敵の刃から守るなど、時には村重の手助けをした。
そして彼もまた、そんな平馬を純粋に向上心ある若者として見ていた。
――これが軍師・竹中半兵衛の仕込んだ一手であることを知らずに。
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