第五十七話 悪巧みの中身は
前回火曜更新と書いたのですが、明日予定があり更新ができませんため、本日更新いたします。
いつもよりとても速い更新ですので三連休最終日のお供にでも(≧▽≦)
小話回。
一足先に姫路城に到着していた竹中半兵衛と寧々子、服部半蔵は今後中国攻めで長きに渡って手を焼くことになる存在の一人・別所長治の離反を止める(?)べく、なにか悪巧みを考えたのだった。
毛利が播磨へ攻め入りに来るつもりとはいえ、主力を率いている元就の息子・吉川元春と小早川隆景は元々別の作戦の都合で別の場所にそれぞれ陣を構えている。
毛利家当主・毛利輝元と合流して上月城へ攻め入るにはまだ数か月の時を要するだろう。
その間の繋ぎか、輝元は毛利本隊とは別の大軍を上月城へ送り込んできた。
毛利が先導隊として送り込んできた大軍についてはあとから到着した秀吉と小寺官兵衛と三吉に任せ、三人は別行動を起こした。
「別所長治が具体的に離反する時期って寧々子殿、覚えていますか?」
「毛利の大軍が上月城へ攻め寄せた時だったはずだから、小早川隆景と吉川元春と毛利輝元が揃う四月だったはず」
「しがつ?」
「あ、旧暦の言い方だと、卯月?」
「今は睦月だから三月後ですね。改めて別所長治離反理由をまとめると、秀吉様が中国攻め総大将に抜擢されたこと、おそらくすでに終わっている軍議のいずれかで長治名代の家臣の意見が無下にされたこと、で間違いないですか?」
それに首を縦に一つ振って肯定の意思を伝える寧々子だが、一つなにかを思い出したようにポンと手を叩く。
「そうそう、それともう一つ忘れていたけど上月城での虐殺もまた怒りのきっかけの一つだったはず」
「だとするとこの前上月城の城兵を宇喜多直家に全て譲ったことで理由の一端が防げていたのですね。意外な効果も発揮しましたね、あれ」
「偶然の産物だけどよかったわ。でもそのほかはどうにもなっていないわ」
「そもそもの話、秀吉様自体をあまり快い目で見ていないように見受けられますね。服部殿、実際に別所長治を覗いてきたのでしょう? どういう人物でした?」
「家康ちんに比べるのもおこがましいぐらいにはちっちぇー男だわ。あれに呼応して周辺の奴らが寝返るとかみんな見る目ないわけ?」
「そういう言い方はよくないわよ、半蔵。できる人間に見分けがつかないのか、立ち上がる理由はなんでもよくて、利用されただけという考えもあり得る」
「お嬢ちゃんもなかなか辛辣だよね」
半蔵からの評価もよくない様子の別所長治。
この中国攻めにおいて秀吉が期待していた人物だと記憶している寧々子だが、どこにその要素があったのだろうか。
地元人の根強い信頼でもあったのだろうか。
どちらにせよ、会って話してみないことにはなにも分からない。
「それで昨日半兵衛が言ったことだけど、半蔵の影を使って別所長治の元に潜入して離反のきっかけがその家臣の一押しならその家臣を暗殺、そうでないなら本願寺顕如か毛利側から調略の手が伸びるはずだからそれを阻止する、てことでいいのよね?」
「はい」
「潜入するのは楽しそうだけどさ? やることはえぐいよねぇ~。暗殺なんかしちゃったら真っ先に疑われるのは間者で、こっちがやったと言うことになりそうだけども」
「ええ。ですから、もし暗殺実行ということになれば細工がいります。織田、ではなく、毛利、がやったようにね」
そのための下準備がいるのだという。
二人は潜入前ギリギリまで半兵衛にこき使われるのでした。
別所長治の離反まで三か月。
この間に、離反を防ぐか、離反することを前提としてその後の味方への被害をいかに減らすか。
それがこの潜入作戦にゆだねられたのだった。
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