第五十六話 姫路城へ急行
年明けからゆっくりする暇もないとか戦国時代しんどいですね
あと半蔵の人気に嫉妬。
羽柴秀吉が主君・織田信長に播磨・但馬攻略の褒章を賜るために年末年始の間、長浜へ帰還したが、年も明けて天正六年を無事迎えた一月。
秀吉不在の間に中国地方で動きがあった。
毛利が動いたと報せがあり、秀吉は播磨へ急行。
半兵衛は秀吉よりも先に報告を受けていたので秀吉への連絡は伝令兵に任せて寧々子を連れて一足先に中国地方へとワープを使って移動した。
一足先に姫路城へ行くと官兵衛が待っていた様子で出迎えた。
「報せてから随分早く来たな」
「ちょっといい道を知っているだけだよ。しょっちゅう使える道じゃないけど。状況は?」
「毛利輝元が小早川隆景と吉川元春、つまりは元就の息子たちを率いて自ら出て備中松山城に陣を構えるつもりで今準備をしているそうだ」
「へぇ。毛利本隊が相手か。備中松山城に陣を構えているということは上月城の奪還が狙いか」
「今、上月城には尼子氏のみが守護している」
「え? 宇喜多の家臣が一人いたはずだけど」
「尼子氏が秀吉様の家臣と代替で入城すると聞いて面倒事になるのを避けたのか、元々いた秀吉様の臣が出ると同時に宇喜多の元へ戻っていった」
「それで今、上月城には尼子のみと」
官兵衛からの状況報告を受けて半兵衛はチラッと横に並ぶ寧々子に視線を送る。
寧々子もまた官兵衛の報告を聞いて思った。
上月城はこのまま一度見捨てよう。
「秀吉様はあとから来るのだろう? 尼子を救援するか?」
「うーん……官兵衛殿はそっちやっておいて」
「? 半兵衛はなにをするのだ」
「尼子よりも面倒な方だ」
そう言い残すと半兵衛は官兵衛の前を辞して姫路城で自身に与えられている部屋へと向かった。
半兵衛の部屋に着くと、中にすでに一人待ち人が座っていた。
「やぁやぁ軍師殿とお嬢ちゃん。遅かったねぇ」
「無茶ぶりしたのに随分早く動いてくれたのね、半蔵」
「まぁ~デキる男だから仕方ないねぇ~!」
「無駄口はいいです。影で荒木村重と別所長治を見張れたのですか?」
「できたよ。距離があるからめっちゃしんどくて二日寝たきり状態だったけどサ」
「数日寝込むことを見逃せば随分ズルな能力持ちですねぇ。忍びにはもったいない能力だ」
「それはわかるぅ~!」
チャラい。
そんなことはさておき本題へと入れ、と黒い顔の半兵衛が目で訴えていた。
「本願寺顕如、だっけ? 確かに接触してたよん。荒木はすぐに考えを変えるつもりはないのかすぐに突っ返していたけど、別所は長治自身よりは長治の家臣が秀吉を好かないみたいですごい離反を進言してその考えに乗ったわ」
「なにをそんなに秀吉様を嫌っているのですか」
「今回の中国攻め総大将に抜擢されてこととこれまでの軍議中に長治の名代で来ていた家臣が自分の意見が受け入れられず官兵衛殿ばかり目にかけるからそれが気に入らないみたいだよ」
「うわぁ、ちいさいな。まさにモブ」
「寧々子殿の世界で、それだけ小さい器の人間相手に時間をかけられていたのも問題ですね。先手を打ちましょうか」
「どうするの?」
寧々子の問いに半兵衛はニヤリと黒い笑みを浮かべて二人を手招きする。
ひそひそと、策の内容を伝えると、半蔵と寧々子の表情がコロコロと変わる。
しかし最後には納得し、子供が悪だくみをするような表情へと定まる。
「いいね、やってみよう」
読了ありがとうございます。
ブクマ・ptよろしくお願いします!
次回火曜更新予定です~!




