第四十五話 僕の事忘れてない?
正直作者が忘れかけてました。
ありがとう三吉。
羽柴秀長。
羽柴秀吉の弟にして優秀な補佐官と言える人物。
主に政治や戦略面に優れている。
これまでは秀吉が戦に出る時は秀吉の居城である長浜城の城代として寧々子に扮装しているやや姫と共に留守を預かっていた。
メガネをかけ、チャラチャラしている秀吉とは対照的な真面目君といえるような印象を与える秀長。
転生する前の、かつての三吉を思い出させる風貌をしているというか。
約三年前にあった長島一向一揆に秀吉の代理人として出陣したのが初陣。
腹心の部下にあの藤堂高虎がいる。
藤堂高虎についてはまた今度。
「秀吉様の弟君である秀長様ならば立場的にも問題ないでしょう。それでは秀長様を竹田城攻めの大将とし、攻め落とします」
「ちなみに官兵衛、先程言っていた竹田城とは別にもう一つの要所となる城とはなんじゃ」
「上月城です。現在、赤松政範が城主で、毛利と、というより宇喜多と仲が良いですね」
「上月城は官兵衛殿の話を聞く限り毛利方への肩入れが強いので、先に狙うのは愚策と言えましょう。まずが竹田城を手に入れ、竹田城を元に上月を攻めるべきです」
「半兵衛と官兵衛の両名が揃って同じ意見であるならばそれでよかろう。竹田城攻めは秀長、お主に一任する」
「はっ! 兄上、お任せを!」
秀吉に命じられ、秀長はキリっとした表情で返事をした。
竹田城攻めには、秀吉はもちろんのこと両兵衛も参加せずで、次の上月城攻めに備えることになった。
仮にも半兵衛の部隊直属の身である寧々子、半兵衛の身体状況や病で死なないならば殺される可能性もあるため、側を離れるわけにもいかないので大人しくしていた。
しかし秀長様のことが気にならないわけでもない。
「うーん、どうしたものかな」
「何を考えているの」
「その声は――」
独り言に質問を受けたが、聞いたことがある声をして驚きながら振り返ると、
「三吉! いたの!?」
「いたよ! 今回の戦は長きに渡るだろうから秀吉様の小姓としては参加しないといけないんだよ。平馬もいる」
「全然気づかなかった」
「姉さんここ最近半兵衛さんのことに着目しすぎで周りが見えてないんじゃない? あ、ついでに追加の薬を渡しておく」
寧々子の片手を引き寄せて手の平に薬の入った小壺をポンと乗せる三吉。
それをありがたく受け取り、懐にしまいながら「あはは面目ない」と乾いた笑いで返事をする。
「それで、何に悩んでたの」
「秀長様大丈夫かなぁって。上月城攻めまでは敗北戦なかったはずだからきっと大丈夫なんだろうけど、私が少しずつ死ぬはずの人を生かしたりとかして歴史を改変しているから絶対大丈夫ともいえなくて」
「確かに。なら、僕がいくよ」
「え」
「え?」
確かに寧々子が休戦していた二年間、秀吉の出陣する戦に三吉は参加してきたが、それでも当たり前だが寧々子とくぐってきた年数が違うので本当に大丈夫だろうかと心配になる。
それを肌で感じ取ったのか、三吉がムッと不機嫌になる。
「確かに姉さんほど強くないし、戦うより味方が戦がしやすい環境を作る方が得意だけど別に全くできないわけじゃないよ。そりゃ最初は人を殺す度に吐いてきたけど、今は、吐きはしなくなったよ」
「慣れろって言いたいけど、慣れるってのも嫌な話よね。頼んでいいの」
「受けよう。忘れられているかもしれないけど、僕が生存することが目的の転生なんだからそれができるように気を配っていかないとね」
そういえばそうでした。
つい身近な人間が死ぬ、という事実に悩んでいたがそもそもはそれだ。
「それじゃあ頼んだわ、三吉」
「任された」
二人はそこで役を交代するかのように自然なハイタッチを交わした。
読了ありがとうございます。
ブクマ・ptよろしくお願いします!
次回から三吉が戦う!
そして、更新についてお知らせがあるのであらすじ確認をお願いします




