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第三十話 佐助VS半蔵

忍びバトル勃発!!





 武田軍所属、武藤喜兵衛直属の忍び・猿飛佐助は徳川軍兵士に扮装して織田の陣営に忍び込んでいた。

 そこで得た情報、織田信長が皆に秘匿して徳川武将・酒井忠次へと命じたこと。

 佐助が求めていた情報をまさに手に入れることができ、無事に織田陣営を抜けだし帰路についた。

 だが、その帰路で謎の人物に声をかけられたのだった。




「武田のやり手だという忍びだな。えっと、猿?」

「猿飛佐助だ!! サルじゃない!!」

「おうおう、威勢がいい忍びだな。俺とはまたタイプが違うな。漂う小物臭」

「お前には言われたくない。ナンパ忍」

「俺っちの噂ってあちこちでそんな濃い感じに伝わってるわけ? てか、よく忍びだってわかったねぇ」

「徳川に忍びらしくない忍びがいるとは聞いていた。どこから現れた」

「忍びだけに、影から」




 ドヤ顔で語る半蔵に、半眼で見返す佐助。




「まぁそんな細かいことは置いといて……ここを通すわけにはいかないなぁ?」

「――願うことも頼むこともしない。通るだけだ」




 チャラい態度から一変。

 半蔵は表情を無くして鋭い目つきになり、それまで封じているとさえ思わせなかった殺気を放つ。


 あまりの変貌ぶりに佐助は戸惑うが、佐助も退くわけにはいかなかった。

 織田の陣営で入手した情報を必ずや主の元まで運ばなくてはならない。

 しかも、時間が決まっているのだ。



 織田信長が徳川の家臣・酒井忠次に命じたこと。



 ――別動隊を編成、率いて武田へ奇襲。

 決行は今夜。



 これを早急に伝え、奇襲作戦を失敗させなければ武田に先がないことを直感が告げている。

 なんとしてでもこの男を排除していかねば。



 佐助は腰の短刀を抜いて構えると同時に苦無を投げた。

 それを半蔵も素早く腰から抜いた短刀で弾き、相手の懐へ飛び込むように跳ぶ。



 キン!



 金属のぶつかる音が響く。

 重なった刃が前後していた。互いの力で押し合いになっている。

 しかし埒が明かないので佐助から弾き、再び攻撃を仕掛ける。

 互いに一歩も引かぬ斬り合い。


 時々、苦無や手裏剣を投げ、相手の隙を生みだそうと試みるが、やはりだめである。


 しかしこの勝負に決め手を出したのは半蔵だった。




「これでしまい」




 半蔵はわずかな隙を見つけてそこを突いた。

 思いっきり短刀で切り上げる。




「ああっ!!」




 佐助の悲鳴が上がる。

 見事な一撃だったので服が破れ、体に傷がついた。


 佐助は倒れ、自身の周りが己の血で赤くなる。




「さて、忍びに情けは無用。覚悟――っ!?」

「……?」




 いよいよ己の死を覚悟して目を閉じ、きたる痛みを受ける覚悟をしていたが、いつまで経ってもその痛みが来ない。

 恐る恐る目を開けると、眼前に半蔵の顔があった。




「きゃあああああ!?!? ななななに!?」

「……あんた、女?」

「そ、そんなわけな――」

「あまりになさすぎて気付きにくいけど、このわずかなふくらみはお――」

「誰がまな板だ殺す」




 即答で女だと認めるようなことを言ってしまい、はっと口元を抑える佐助。

 それを聞いて確信した半蔵はバツが悪そうな顔をした。




「あ~女か。くのいちだし、殺さないといけないけどぉ~う~ん」

「……」




 どうやら佐助が実は女であることが殺さずに済んでいる要因となっているようだ。

 ならばこの好機、生かさぬ手はない。

 佐助は近くのポケットにあった苦無を取り出して短刀替わりに振る。


 おっと、といって半蔵が避けるが、それによって佐助は己と半蔵との間ができた。

 傷を庇いながら体制を直して後ろへ跳ぶ。




「よくわからんが、お前はこちらに手を出せないようだ。ならば相手にする必要さえない」

「あっ! 待て!!」




 佐助は持っていた煙玉を地に叩きつけて煙幕を作り、それに乗じて去った。


 半蔵が再び自分の能力を利用して佐助の居所を掴むために影になるが、激しい頭痛に襲われた。




「チッ。限界か。家康ちんと離れすぎたな」




 半蔵の能力・影は、影となること、影を纏って能力や気配を封じること、影を自身の目や手足にすることが可能だ。

 つまりは影さえあれば遠方の情報を “ 視る ” ことができる。

 これが無限にできてしまうとチートなのだが、さすがに制限付きである。

 その制限とは、能力を与えた主・徳川家康から離れることとまたその時間が経過していくごとにどんどん力が弱まっていくのだ。

 なので、普段は家康にピッタリついている。

 ついている間は無制限に近い。

 それだけでもチートだ。

 そして今は武田の陣営寄りなので家康の元から大分離れてしまっているので能力の行使が難しい。


 見事に佐助に逃げられてしまった半蔵は「これはまずいな……」と独り呟いてすぐさま織田の陣へと走った。


読了ありがとうございます。

ブクマ・ptよろしくお願いします!


さてさて、半兵衛がみた未来視への道を歩み始めました!!

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