第二十九話 影の忍び
いつもより早い投稿ですー!
ようやく忍びっぽい!!
武田へ情報漏洩を防ぐために、徳川家康に仕える忍び・服部半蔵へいつのまにか協力を仰いだ寧々子。
しかしその場で半蔵が能力者であることを半兵衛が問い、まさかの能力者であることが発覚。
流れるように言いすぎて全然気が付かなかったし、これまで能力者っぽいような部分もなかったし、何より同じ能力者ならおねねさまが起きないわけがない。
なぜ半兵衛は能力者だとわかったのだろう。
「あれれ~! お嬢ちゃんは隠せたからあんたにも効くのかと思っていたけどそんなことはないんだねぇ~!」
「どういうこと!? 半蔵殿なにか隠す手立てがあるということですか!? チャラチャラしてるのになにそのチート!!」
「チャラチャラしてるのに、は余計じゃん? まぁ俺の能力に含まれているんだけどねぇ~これがまた便利便利!」
「……それで、あなたの能力は?」
「軍師殿目が怖い。あんたらも能力者だしぃ、隠すことじゃないから言うけどぉ俺の能力は影になることだよ~」
「「ああ」」
「なんでそんな息ピッタリ」
見た目と口調のせいで、あまり忍びっぽくない半蔵だが、ようやく忍びらしい一面を見ることができて安心するぐらいだ。
「ただ影になるだけ?」
「そうだよん。いつもは家康ちんの影に潜んで必要なときに出てきてるって感じ。移動や暗殺面ではとても便利だねぇ。そして影を纏っている間は能力者であることも隠せるんだよ」
「影を、纏う?」
「こう、すぅーっと、な」
「ああもう結構です。そういう本人の感覚的なことでしか説明できないのなら何かに応用ができるわけではなさそうなので」
「この軍師ってば俺に結構冷たくね!?!?」
「それで寧々子殿、このチャラ忍使って何をするんですか」
「チャラ忍!?」
ここまで冷たい目や冷たい態度で半兵衛が誰かに接するのも珍しい光景で寧々子は肩を震わせて口元に手を当てて笑いをこらえている。
「何かをするっていうより託す感じね。情報漏洩しないように」
「本当に大丈夫なんですか?」
「軍師殿!! お嬢ちゃんより冷たい!! 見てろよ、今回の戦であんたをギャフンて言わせてやる!! 影という影を使って見張りして絶対に見つけてやるからな!!」
プンプン! と頬を膨らませて半蔵はそのまま立ち去って行った。
それを見て抑えていた笑い声を出してしまう寧々子。
「なんですかあの捨て台詞」
「アハハハ! マンガみたい」
「あなたは楽しそうですね。というか、影という影を使う、と先程あの者は申していましたか?」
「言ってたねっ、ふふっ」
「――ということは影さえあれば……」
そこで半兵衛は押し黙る。
寧々子は笑ったままだった。
その日の晩。
織田陣営では再び織田・徳川合同軍議が開かれていた。
その軍議が終わった直後、軍議に参加していた徳川家家臣・酒井忠次が織田信長に呼び出されて再び軍議をしていた場所へと戻っていく。
数分後、忠次が再び出てきた。
彼についてきた兵士が数名おり、途中でその兵士の一人が忠次のそばを離れていった。
「――うまくいったな。いい情報を得ることができた。これで主へ土産ができる」
徳川の兵の鎧を脱ぎ、身軽な服へと変化させていったその者は猿飛佐助。
武藤喜兵衛、のちの真田昌幸に現在仕えている忍びで主の命令で織田の陣営に情報を求めに危険ながら忍びこんでいた。
佐助はそのまま織田の陣幕を去り、戦場の北方面へと走っていく。
織田が布陣する領域を超え、武田の陣へとたどり着く前の辺りで佐助はなにかに足を掴まれて転んでしまった。
「わぷっ!? なんだ!!」
転んだ地点に目を向けるが、何もない。
しかし確かに足を掴まれた手ごたえを感じたし、掴まれた足には生々しい感触が残っている。
「?」
「――やぁ」
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次回は火曜更新です。
忍びたちのバトルマッチ!!




