第二十話 長篠城ピンチ!
長篠の戦い、開幕戦です!
天正三年五月。
武田勝頼率いる武田軍が徳川家康の領地内にある長篠城を包囲していた。
武田軍は一万五千の大軍。
対する長篠城守備隊の数はわずか五百。
武田の長篠城攻略は数の上では有利かと思えるが、実際はそうはいかなかった。
「うてぇぇい!!」
ドドドン。
鉄砲が放たれる音が戦場へ響き渡る。
武田を裏切り、徳川へと降った長篠城主・奥平貞昌は与えられた寡兵と武器で迫りくる武田軍を相手に鉄砲隊を用いて耐えていた。
「おおおっ」
「ぐあっ」
「うっ」
鉄砲を受けた武田軍は次々に屍の山を築くが、それでも怯む様子はない。
数の有利は圧倒的に武田軍にある。
このまま攻められてはいずれ鉄砲の弾も尽きるし、兵糧も長くは持たない。
それでもあらゆる歴戦をくぐり抜けてきた精強な武田軍を相手に鉄砲でこれだけ凌げているのは地形が長篠城に有利だからだ。
長篠城は周囲を谷川に囲まれており、城へ入るには橋を渡るしかない。
なので、橋から迫りくる者を追い返せばいいので、守りは固い。
しかし同時に、援助を受けにくいというデメリットもあるため、籠城をするにはそれなりの物資が必要となる。
つまり、兵糧が必要不可欠なのだ。
長篠城が鉄砲隊のおかげで大分生き永らえているので、兵糧蔵には少し多くの兵を配置することができている。
これならばしばらくは持つだろう。
貞昌はそう考えていた。
しかし数多の戦をくぐり抜けてきた武田軍が敵の兵糧を見逃すはずもなかった。
「申し上げます! 兵糧蔵が燃やされました!」
「なにっ!? 十分な兵を配置していたはずではないか!?」
「それが、兵糧蔵の位置を武田側の忍びに発見され、あえなく火計を……」
「火計ならば火矢でも炮烙玉でも投げれば火がつくので戦う必要もないか。やられた。このままではこの城は落ちる」
このまま諦めるか……と貞昌が覚悟を決めたそのとき。
「殿、某が援軍を呼んでまいります」
「お前は……鳥居」
最終手段を考え、決断を迷っていた貞昌に家臣の鳥居強右衛門が援軍要請を申し出た。
「お前の申し出はありがたいが、これだけ武田軍に囲まれ警戒されている状況で援軍など……」
「この鳥居が武田の包囲を抜け、必ず援軍を連れてくると約束しましょう」
力強い眼差しと口調で言い切る鳥居に、貞昌は賭けることにした。
「鳥居、頼んだぞ」
「はっ! お任せを!」
鳥居はその後、夜になるのを待って長篠城を出る。
近くの川へと潜り、見事武田軍の厳重な警戒網を突破して最寄りの岡崎城まで走り、援軍を求めにいった。
彼が岡崎城へと着いたのは翌日の午後のことだった。
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援軍を求めに出た鳥居は果たして援軍を無事得られるのか……!!




