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第十四話 RPGによくあるアレが戦国時代に

いよいよファンタジー感出てきた。

移動は楽になりたい。






 竹中半兵衛の脅し……お願いを渋々受けることになった寧々子。


 しかし秀吉の元を不在がちにするとまた浮気発生の危険性があることを危惧した寧々子に半兵衛はとある提案をする。




「ねねさまの能力は召喚術だと伺っていましたのでそれを利用してパッパッと移動できるように準備をさせていただきました」

「パパっと移動できる? それは一体」

「この祭具を利用します」




 そういって半兵衛は懐から包みを取り出す。


 包みを開けると、中には現代でいうところのコンパスのようなものが入っていた。

 コンパスにしては少々大きい。




「これは南蛮の商人から買った “ 羅針盤 ” なるものです。方位を調べる時に使うもので普段は船乗りのような海に出る者が使用する物だそうです」

「羅針盤! 本物だ!!」

「これがコンパスになる前のもの……結構大きいんだね」




 自信ありげにドヤ顔で羅針盤の説明をする半兵衛とは別に羅針盤に釘付けになる二人。




「それでこれが祭具って言っていたけどどうやって使うの?」

「この羅針盤を始めの地点とし、軸とします。例えば寧々子殿が三河に行って用件を済ませてすぐに戻りたいとき、ねねさまに頼んでこの羅針盤まで一気にとんでもらう。空間転移みたいなものですね」

「……姉さん、僕ちょっと分からなかったから現代語で訳して」

「RPGゲームを想像して。よく町から外に出る時に採取やボスを倒したあと、歩きじゃなくてパッとすぐ町に戻りたいときにアイテムを使ってワープするだろ? 多分あれ。この羅針盤はスタート地点に置いてある印の役割を果たすということだろう。で、私はねねさまさえ中に存在して起きればワープできるわけだ」

「なるほど」

「僕には何を言っているのかさっぱりですが、多分あってます。この羅針盤があるところにいつでも帰ってくることができるので夜は戻って昼間は出るとか可能です。逆にこちらから行きたい場所へ行くときはこの針の示す方向へ飛ばせるようにしてます」




 つまりこれからは何かしら使い事が今後も発生した時、寧々子は半兵衛のいいように使われてしまうということに他ならない。


 そこに思い至ると寧々子は顔を青く染める。




「というわけで、これで家康殿に会いに行ってくださいませ」

「……会って何をしろと?」

「戦のきっかけを探してきてください」

「戦は、起きないなら起こさない方がいいんじゃないかしら?」

「ええ、確かに。ですが、歴史上起きてしかも有名なものなのでしょう? そういう戦であるなら起きない方がおかしい。出遅れることが一番被害拡大を引き起こします。味方の被害を減らすためにも必要なことです」




 圧倒的、圧。

 寧々子は敗北した。




















「――なるほどなるほど。それで我が家の庭に落ちてきたのですね」




 家康はうんうんと頷いていた。


 寧々子はお縄につきながら家康同様うんうんと首を縦に振っている。




「状況はよくわかりました。縄を解きますね」

「ありがとうございますッッ!」




 家康は寧々子に近づいて手際よく寧々子を縛っていた縄を外す。



 なぜこのように家康に捕まっていたかというと。


 半兵衛が用意した羅針盤を使ってさっそく移動を試みることになった寧々子。

 普段は眠っているねねさまは半兵衛が、同じ能力者が近くにいるので起きており一通り話も聞いていた。

 ねねさまと寧々子が入れ替わり、ねねさまが出てくると半兵衛から羅針盤を受け取って三河方面へ針を合わせた。

 そしてその羅針盤にねねさまの力を載せたら、ねねの体はその場から消えた。

 気が付いたら家康の居城・浜松城の庭に落ちて気絶した。

 そこを偶然、のほほんと一人でいた徳川家康に見つかってなぜか縄を縛られて待たれていたのだ。


 一応徳川の大将だし、もしかしたら知らない人である可能性も考えたのかな。

 それはそれで悲しい。




「見つかったのが偶然にも家康様一人で助かりました。城なのにあまり人通りがないんですね?」

「何もなければもう少し人がいるのですが、今はちまちまと武田と戦をしておりまして」

「武田と!?」




 予想もしていなかった家康の発言に寧々子が全力で食いつく。




「先の時代ではあまり聞かないのですか?」

「大きい戦は名が通りますが、細かいところまでは己で調べねば知らないかと。かくいう私もそこまで詳しいわけでは」

「なるほど。して、此度は半兵衛殿からなんと言われて?」

「使いっ走り前提として認識されてることが悲しいです。家康様が武田家とのことでなにか困っていることなどないかを聞きにきました」

「おお、それはよいところに。信長殿にちょうど使いをだそうとしていたのです」




 これは出戻りの予感では? とまだなにも言われる前から「とほほ」と涙を流す寧々子。

 家康は懐から巻物を取り出すが、そこで制止してなにか考えだす。




「寧々子殿、結構戦えますよね?」

「え、そんなことはありません。結構ギリギリですよ」

「ご冗談を。姉川では一人で奇襲してきた朝倉軍を翻弄していたというのに」




 謙遜じゃなくて冗談、と言いましたかこの人。




「やはり信長殿への使いも実際の現場を見ないことには詳細な報告はできませんから、徳川の疲弊ぶりを己の目で見ていただくことにしましょう」




 寧々子、長篠の戦いの前に名もなき戦へと出陣決定。


読了ありがとうございます。

ブクマ・ptよろしくお願いします!


名もなき戦ですが、これが発展して長篠の戦いになるので、これもまた必要な戦。

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