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第十話 能力者の起源

昨日は体調が悪く更新できず、すみません!

みなさまも体調には気を付けて







「では今度は僕の番ですね。能力者に神という存在がいることは実はわりと最近知ったことだったのです。そしてその正体が家康殿であることは仮定にしかすぎませんでした」




 寧々子が自分のことを全て白状したので、半兵衛もまた寧々子に自分が持っていた情報を語り始める。




「なにで家康様、神様のことを?」

「運命を変えるための術について調べていたとき、集めた書の中に能力者と統率者の存在に関することが記載されていました。家康殿が神と予想したのは、彼の本姓が源氏であると聞いたときです」

「はぁ……その源氏とは……鎌倉幕府の?」

「いえ、それより前です。その点は寧々子殿の未来知識の方が確実では?」

「いや、勉強不足で……」




 つまりは分からないという寧々子の答えに苦笑を浮かべる半兵衛。


 歴史においては後に人の操作なども入ったりするので、下手に遠い未来よりは近い時代の方が未来では失われた文献が残っていたり、口伝とかあったりするのではないかと思うので未来に過信するのもいかがなものだろう。


 それを抜きにしても、戦国時代は改名が通例なところがあるので一人一人名前を追うところまでは……。




「では少し長くなりますが説明しましょう。


“ 源平藤橘 ” という四姓が、この戦乱の世になる前よりこの日ノ本には存在しています。過去偉業を成した歴史人物に、源氏・平氏・藤原氏・橘氏と呼ばれる方々が各時代にいますがまさにそれです。

 姓は天皇や皇子自身が名乗る、またはそれらの方に賜って生まれたものになります。


 その四姓の一つ・源氏。

 これが、家康殿が名乗っているらしい姓です」


「なるほど。それはつまり家康殿がめちゃくちゃ昔へ家系図を辿ると皇家に繋がるということ?」


「簡単に言うと、そういうことです。ですが、確証がありません。それに室町幕府将軍である足利義昭の方がまだ正当な源氏の血筋と言えましょう」


「確かに。少なくとも源頼朝の血は引いているはすですしね」


「そうです。ですが、源氏も二十一の系統があるし時代が進むにつれて子孫も増えて大分分かれましたからね。血をひいていないと断定もできない」




 なるほど、と返事をしつつ、懐から扇を取り出して口元を隠す仕草をとって思考する形をとる寧々子。


 なにか記憶の端にでも家康の家系図に関する知識がないか辿るが、実際に源氏の血統であるなどというものはなかったような気がする。




「それでも僕が家康殿を神と予想したのはなぜか。 ……正直、実際に家康殿を見かけたときに直感が働いたというのが事実です」


「あら。半兵衛ともあろう方が珍しい」


「軍師であるからこそ、直感は大事なんですよ? その直感を受けて、金ヶ崎から戻った後京にいたことを好機ととらえて能力者に関する書をすぐ読み漁り、家康殿に関する情報を急ぎ集めました。そこで源氏の姓のことを聞いてもしや? と思ったところで本人が訪ねてきました」




 それはきっと、私と会ったその足で行ったのだろう。


 向こうは半兵衛が能力者であることは筒抜けだし、術も使用していることも知っているのなら寝込んでいる理由も分かっていて様子見というところだろう。




「そこで聞いたのですね。私のこともさらりと言いつつ」

「相手がそういう立場であるなら隠すだけ無駄ですからね」

「ちなみに少し話は戻るのですが、なぜ源氏であるというだけで神に繋がるのです? 姓は四つあるのでしょう?」

「それは能力者の起源が、平安時代の武将・源頼光であるからです」




 新キャラ!

 源頼光……誰だろう。



 歴史といっても日本限定、しかも時代も戦国に限定している寧々子はさっぱりだった。




「聞いたことありませんか? 今昔物語集や御伽草子で酒吞童子や土蜘蛛退治の説話として有名な人物ですよ。雷光という異名もあります」

「知らないですね……」

「この方が家康殿同様、能力を与えたり奪ったりといった管理、及び統率を行っていたと言われています。この力の根源はどこかまでは分かりませんが、陰陽師・安倍晴明が生きていた時代です。なにがあっても不思議はない」

「安倍晴明と同じ時代の人!」

「そちらはご存じなのですね。この方には頼光四天王と呼ばれる家臣がおり、この四天王が能力者であると考えられます」

「じゃあ、能力者って全員で四人?」

「……多分家康殿ならばわかるかと」




 つまりそこまでは分からないということですね。


 ただの逆行転生だと思っていたのに、意外にも異能だの起源だの血筋だのと面倒な要素が張り付いていたもんだ。


 始まりは源頼光って人かぁ。


 そのうち調べてみようかな。




「この源頼光は源氏二十一流の一つ・清和源氏を盛り立てた人物でもありますので、能力者の神と源氏は密接であると考えていいでしょう」

「なるほど。源氏に注目する理由は分かりました。なんだか複雑なんですね」

「寧々子殿の時代にはそういう方はいなかったのですか?」




 寧々子って呼ばれた。


 一瞬心臓がキュンと跳ねるものの、半兵衛に白い目を向けられる前に気持ちを落ち着ける。




「いても知らないですね。そもそもそういうものの類はこの時代に比べればあまり信じている人はいないのではないかと」

「おや、そうなんですね。未来の世というものはどういう世なのかとても気になりますね」

「そんなに期待されるようなところではありませんよ。そのうちでよければ話しますが」

「ぜひ」




 子供のように目をキラキラさせて嬉々として答える半兵衛が可愛くてつらい。



 そこに、寧々子の部屋へ近づく足音。




「……人払いしたはずなのですが」

「あ、ごめんなさい。もしかしたら」




 寧々子が答える前に戸が問答無用で開く。








「姉さん、頼まれたものを持ってきた……よ…」









 入ってきたのは石田佐吉。

 寧々子の弟・三吉である。


 三吉は人払いされていたこともあり、室内に姉・寧々子以外に人がいるとは思わず素のままで入ってしまう。

 半兵衛の存在を認識して、一気に冷や汗が湧き出る。




「――姉さん?」

「あ、いや! 竹中殿、これは……!?」

「あ、半兵衛。石田佐吉は私の前世での弟が転生してるの」

「ええ!? 姉さん、それ話していいの!?」




 そこまで知ってしまった半兵衛はこれまでの寧々子と三吉の噂や秀吉からのバカみたいに面倒な奥さん相談が一気に脳内を駆け巡り、













「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」














 驚きと怒りが入り混じった盛大な声を出したのだった。


読了ありがとうございます。

ブクマ・ptよろしくお願いします!


この時代に関係ないですが、源頼光という方がでました。

せっかくなのでこの起源話も別タイトルでかけるといいかもなどと考えたり。まだ思案中です(笑)

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