#1 異世界
俺の名前は、佐藤太郎。突然だが俺は今、異世界にいる。経緯を話すと長いのでざっくり言うと、神様(笑)に突然飛ばされた。特に話は聞いていなかったが、楽しんで来いだそうだ。
で、早速楽しもうかと思ったのだがそうもいかない。なぜなら、今俺の目の前には、体長が6メートルはある虎のようなものがいるからだ。
「お、おぃ、や、んの、かぁ」
とりあえず威嚇してみた。
結果は…お分かりの通り、怒って襲ってきたよ。
(オワタ…)
せめて、最後の抵抗として右ストレートをお見舞いしてやるか。
「っくっくっく、食らうがよい、魔の黒龍に支配されし右手から放つ大いなる脅威…暗黒龍打!」
最後は中二病全開で終わるのか。これが高2男子の最後。笑える…
「じゃあな!くそ虎!」
バゴーン!
「かっ!?」
な、なんだ!?なんで俺ではなく虎のほうがおさらばしちゃってんの!?しかもあいつの体がはじけ飛んだぞ。どんだけ力あるのおれ。
ピコーン!
「え、レベルアップ?」
ピコーンという音がし、目の前に【レベルアップしました】という表記が出てきた。
「えっと、ステータスってどうやって表示するんだ?」
悩んでいると、視界の隅に歯車マークのようなものがあることに気づいた。
そこを押してみると、『ステータス表示』というバーが現れた。他にもバーがあるが『?』の文字が表示されていて選ぶことができなかった。
なので早速俺は目当ての『ステータス表示』を押した。
すると目の前には、
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名前:太郎 種族:人族 職業:学生 年齢:17
Lv.99999
HP:999999999/999999999
MP:999999999/999999999
攻撃力:999999999
防御力:999999999
魔力:999999999
精神力:999999999
体力:999999999
属性:獄炎 神水 神風 地滅 闇黒 神癒
スキル:無詠唱 詠唱実現 精神攻撃無効 状態異常無効 鑑定 無限収納
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と表示されていた。
「ええぇー!」
とりあえず驚いてみた。別にこの世界の平均能力値がわかるわけでもないのに。
「さ、適当に歩くか」
といい、森を抜けるのだった。先ほど倒した虎がこのあたり一帯の魔物の統率だったとは知らずに。
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「陛下!」
「何事だ」
「南の森の統率、キングタイガーが何者かにより倒されました…」
「まことか!EXランクの冒険者でもおったのか!?」
「大事なのはここからでございます。統率がいたことで保たれていた均衡が今、崩れつつあります」
「なんと!?…そ、それでは…」
「ええ。魔物たちが、1、2週間後には大群で押し寄せてきます!」
「な、なんてことだ・・・なんてことだ・・・た、ただちに公爵たちを集めろ!緊急会議だ」
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