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今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】  作者: 柚ノ木 碧(活動休止中)
5章 今日も周囲も人間関係もゴタゴタしていますが、国内の紛争やら暗殺やらで物騒な最中、恋人が出来て戸惑いつつも鑑賞致します。
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 そもそもまだ(・・)ニキとの婚約は成立していない。

 ここ暫くゴタゴタが多過ぎたのと、バーネット様とモニカ様の婚約が成立し、王都に帰ってからゆっくりと等と思って居たからだ。

 それにもう少しだけニキとの親睦を深めたかったからと言う理由もある。

 来年学園に入学するのだから、その前迄の期間少しでも二人の関係を育みたかった。


 ニキのこと、まだあまり分かっていないからね。


 友達として過ごしていたからと言うのもあるけど、何故ニキが最初から私に「デート」だの何だのと言っていたのか、スキンシップが多かったのか理由が聞きたかった。


 まさか一目惚れって言うのは無いと思うけど。


 彼に会ったのは学園の厨房で働いていた時が始めてだったと思う。

 何時だったのかは私にはさっぱりだったけど。

 厨房は忙しくて目まぐるしくて、厨房でトレーにご飯を乗せて渡した時なのか、それとも返却口で返された時なのか。テーブルを拭いていた時なのか。まさか仕事を覗いていたってコトはないよね?

 どれだけ考えてみても、私には残念ながら覚えが無い。

 ただ途中で「(ふお~攻略対象者だ!)」なんて思っていた事は何度もある。

 その時かな?時折彼が話し掛けて来ようとして、その度にアメリー嬢に声を掛けられて中断してしまっていたし、レスカ様達に呼ばれた場合もある。

 今思い出すとあの時のニキはほんのりと頬を染めていた…気がする。


 う、うーん。

 やばい、記憶の中だからあれだけど、もしかして私ニキの事が好きだから記憶に妙なフィルターが掛かっている、とか。いやいや…あるかも。

 うわ、思い返してみると結構ある!

 ニキと二人っきりの時とか、結構頻繁にあるじゃないか!

 知り合いとか友達だとか、学園の学食に来る子だとかって思っていて特に意識したコトは…攻略対象者ってコトぐらいで考えたこと無かったけど。

 うわ、もしかして私って鈍感だった!?

 ゴメンニキ。大好きだから許して!

 鈍感な私を許してー!

 何だかとっても申し訳ないーっ!


 って、今思い出している場合じゃなかったー!!


「うーん歯牙にも掛けられていない、っと。これは手厳しいね~」


 ニヤニヤと笑うジン様。

 うへぃ、やっと此方を見たと思ったら完全にこの状況を楽しんでいますね、その笑顔。


「それだけニキって男が好きだと。妬いちゃうよ?」


 そう言う話は兎に角。

 何言っちゃっているの、この人。

 自分の今の状況分かっているの?変態だよ、痴漢だよ。

 しかもドが付いちゃうエロ方面の。

 変態紳士って呼んじゃうよ。


「あー…ごめん、私も男だからね。紳士的な行動を取った方が良いのだろうけど、どうも視線がソコにいっちゃうな」


 と言って目線を離さない。

 うん、信用度ゼロ。

 よって、多分今の私の目は…


「死んだ魚のような白い目で見ないでくれる?君のその目、結構心臓に来るんだよねぇ」


「だったら私を開放して帰して下さい」


「無理だね。君を帰しに陸に上がった瞬間、君のお兄さん容赦なく私達の首を狩りに来るだろう?」


「ですよね~」


「そ。それに『あの場』で君を盾にしないと、どうやっても私達は本国に帰れなかったからね」


『あの場』。

 ドボンと盛大な音を立て、アレクサ様の顔面をクリーンヒットさせて海に殴り飛ばした。

 やっちゃった事に意識を飛ばして呆然としていたその時、私のすぐ隣に誰か居る!?と思った途端、あっという間に意識を刈り取られた。恐らく腹を一発殴られてしまったのだと思う。

 そして目が覚めたら殴られたと思わしき腹痛&吊り下げられた状態となったワケだ。

 最も服がボロボロなのはどういう経過を得たのか突っ込みたいような、そうでないような。中々怖いものがあるのだけど、下半身に鈍痛があるのがお腹だけなので無事ではあるのだろう。


 …何処がとは聞かないで欲しい。


「ちなみに君の服がボロボロなのは、君が気を失った時に多少なりとも戦闘があったからと、この牢屋に君を入れた後、アレクサが腹立ち紛れに意識を失っている君に此処からナイフを投げ付けて居たから。…発見が遅れていたらもっと酷いことに成っていた、ごめん」


 怪我をさせてしまってと謝られて驚いて顔を上げると、複雑そうな顔付きで此方を見ている。


「今のアレクサには本国に帰っても居場所も無ければ命の危険があるからね、本心は帰りたく無かったのだろうね。だけど、帰れなければこの船に乗っているアレクサを慕って付いて来ている者達が帰れない」


 つまり、私はアレクサ様に八つ当たりされたワケだ。

 …もっと力を込めて蹴り飛ばしておけば良かった。


「君が今何を思っているのかその顔を見れば分かるけど、彼も可愛そうな人でさ。国に帰れば今は『血を分けた実の父親』がもう一人の兄弟の父親、つまりアレクサにとっては『義理の父親』であるノア・バーンドに王位を乗っ取られて傀儡にしているし、『実の父親』そっくりのアレクサはそのノアに命を狙われて居る、もしくは傀儡として狙われて居るって状態なのさ」


「…私に何故国内の機密を聞かせるの」


「ん~それ、ね。理由は簡単なのだけど」


 コツコツと牢屋の格子に歩み寄り、ジン様はニヤリと笑う。

 少しやらしい笑みな気がするのは多分気の所為出はない。

 スッと格子越しに私に向かってジン様は指を3本程立て、


「理由は3つ」


 やや切れ長の色素の薄い青い…アクアマリンの瞳をスッと細めた。


「一つは単純に一人ぐらい隣国の人に知って欲しかったって言う理由。二つ目は君をこれ以上アレクサの八つ当たりの的にしない為。今の話を君にしたとアレクサに言っておけばこれ以上酷いことはしないからね。…少なくとも私が君を守れる。3つ目は…君を守るため」


「私を?」


「今は無理だけど、私が無事に帰してあげるよ。その為にはちょっとばかりパフォーマンスが必要でね」


 うん、何でしょ?


「私が君を口説いているってこと。そして君が返事を渋って居るって言うことかな」








 * * *








 あんぐり。

 今の私の状態を言うならこの言葉がぴったりだと思う。

 他には『開いた口が塞がらない』という言葉ぐらいだろうか。

 どっちも妙な言葉になるのだけど。


「うーん見事な驚きっぷりだねぇ」


 クスクスと楽しそうに笑うジン様。

 いや、あのね。うっかり、たのしそうで何よりと言いそうになってしまうのですけど!?


「言っとくが冗談ではないよ。そして返事も聞こうとは思っていない」


「は、はぁ」


 やだなぁ~笑っているけど、目が笑っていないよ。

 こういう人って普通の人と違っていて思考が怖いことが多いよね。腹黒とかさ、貴族社会の世界に片足突っ込んでしまったから今ならわかるけど、相当な修羅場を掻い潜って来ているって事だもの。十代でまだまだ幼い筈の未成年なのに…

 前世なら中学生辺りで友達とワイワイしている最中なのに、この世界の貴族達は熾烈だよね。

 勿論のほほんと『俺が一番』なんて言って、領土でふんぞり返っている馬鹿もいるけど。

 うん、ウチの親父と長男カイデンのことですが何か?


「正確には言う必要がない、だな。それは一重に君をウィックロー国に置いて身の安全を示す言葉になる」


「ええと」


「何簡単なことさ。何度も言うが「返事は言わないでくれ」。命令調で言うと「言うな」だよ。言ったが最後、君の命は危険に晒されることになる」


「返事をするとですか?」


「そう。今はまだ良いけどね。私が人目に付く所で君に求婚するから、君は戸惑うだけで返事をしないでくれ」


「はい?」


「私がウィックロー国に置いて、そしてこの船の中に置いて君を守る術はコレしか無い」


 えーと、つまり。

 船の中も隣国であるウィックロー国に降りても、「ジン様が求婚した」と言う『事実』が私を守るという事、と。何だかややこしい。


「良いかい、我が祖国であるウィックロー国は君の国の敵国。そして君は既に囚われた囚人であり、敵国の人間だ。我が国に入った以上、君の身の安全は保証されない。更に君は女の子であり、周囲は男だらけ。幾ら身分が低い男爵とは言え敵国の貴族の令嬢を、しかもウィックロー国内で貴族の子息である私が求婚している令嬢を危険な目にはあわせないよ、普通はね」


 それって普通じゃなければ…うわぁ。ヤバイ想像は停止!


「言っておくがアレクサに救いを求めても無駄だから。アレクサの国内の状況はさっきも伝えた通り現在窮している。国王がノアの傀儡である以上、アレクサは狙われている身だ。そんな彼には救いを求めても答えることが出来ない。言いたいことはわかるね?」


「は、はい…」


「例え君がニキ君を思って居ても口に出さなければ誰も何も言わない。という訳で、今から私の前でニキ君の事を言うのは禁止、ね?」


 うわぁーその顔―っ!

 片目瞑ってウインクって、何だか似合いすぎ!

 一応女の私が霞んでしまいそうだよ!


 ニキ…

 怪我大丈夫なのかな。

 お腹深く刺されてなかった?刺された後倒れてしまったから見えなかったのだけど。モニカ様は大した怪我は無く、気になるのは髪の毛と魔力が無くなっている状態だって事だけど、それは休憩出来れば大丈夫。

 だけどニキの場合血が…

 この世界って献血とか輸血とかと言う概念が無い。

 そもそも医療に関するコトもだけど、兎に角前世とは違っていて何もかもが遅れている。乙女ゲームの世界の設定上なのかも知れないし、ソレとは別なのかも知れない。

 確かに魔法はある。怪我などを治療する魔法も。

 でも血を増やす魔法は無い。

 代わりに何故か増血剤はあったけれど。


 何だか医療技術とか魔法とか、汽車とか。色々技術の発展の仕方が違いすぎて妙に感じるんだよね。


 ニキ無事、かなぁ…。


「ああ、それとね。君が懸念しているニキ君だけど、先程私の密偵が教えてくれてね?命に別状は無いってさ。ただ暫くの間はベッドの住人となるらしいけど」


「本当ですか!!って、痛…っ」


 拘束されているのも関わらずつい力を入れて前のめりになり、同時に腕に痛みが走る。


「駄目だよ、そう興奮しては。傷が増えてしま…「そう思うなら彼女の拘束を解け」あ~…君のもう一人の王子様がどうやら迎えに来たみたいだねぇ?」


 ジン様が傷がって言った辺りで急に視界が暗転し、驚いた瞬間にジン様の首筋になんだろ?今まで見たことが無い奇剣、三ヶ月型の剣?とか思っていたら、ジン様が「うわーショーテルなんて初めてみた。かっけぇ」と言い出した。

 成程、アレス様が手にしてジン様を拘束し、首に突き付けている武器はショーテルと言うのか。って、冷静に言っている場合じゃない?


「え?ええ?アレス様がどうして此処に!?」



多分年内はこの話が最後になるかと思われます。

間に合えばもう一話と「ダンジョン」の方も書きたいのですが遅筆具合が酷く、代わりに何故か縫物(パッチワークキルト)を持つ手がエライスピードで進むと言う矛盾を目の当たりにしております。ソファーカバーがそろそろ古くなって来たなぁと思ったのが運の尽きなのかも知れません。

いやぁ、縫物好きなので…ゴニョゴニョ。


そんなワケで東北では連日気温がマイナス突破して「やべぇ、寒い」と猫達とチビーズとイチャコラしていますが、皆様風邪等にお気をつけ下さい。

ではでは、少し早いですが…

来年も宜しくお願い致します。

m(__)m


追記

元旦に活動報告にて「新年企画」の駄文を載せますので、ソチラも宜しくお願い致します。

(*´ω`*)b

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