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今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】  作者: 柚ノ木 碧(活動休止中)
5章 今日も周囲も人間関係もゴタゴタしていますが、国内の紛争やら暗殺やらで物騒な最中、恋人が出来て戸惑いつつも鑑賞致します。
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今回レナは名前のみ参加。

 

 ***ケインside


「ケイン様!」


「わ~かってますよ~っと!」


 前方には流石と言うか王都の『鬼神』と異名を持つレナちゃんのお兄さん、ジーニアス様がなだれ込む様に襲って来る襲撃者達に向けて猛攻撃を仕掛けて居る。


 って、ホント凄いよね。

 アレで魔法を使って居ないって、一体どうやってやるのやら。

 襲撃者が8人掛かりで火魔法を使ったりしてジーニアス様を攻撃しているのに対し、そのジーニアス様は剣技一本で風圧を起こして火を鎮圧。更には剣の風圧で風魔法と同等の威力を発生させて数名の襲撃者を吹っ飛ばし、身体強化魔法を駆使して館の壁を走り抜けて上段からの袈裟斬り。


 その後の一言が凄かった。


「チッ!コリンが居ねえから勢いが足りん!」


 え~本当に?!

 と言うか意外と口が悪いねジーニアス様。


 顔は男の僕が言うのも変な話しだけど、男性的だけど整理されたように綺麗に整っていて、王城に父の仕事の手伝いに訪れた時見た光景は、城内の女性達はほぼ全員ジーニアス様の事を話していて第一王子のガーフィールド様よりも人気があった。

 ジーニアス様が騎士団に勤めて居た時訓練場の前を通った事が何度もあるけど、ジーニアス様のファンの女性達がタオルやら差し入れやら何やら手に持って大勢詰め掛けて居て、異様な空気が出ていて物凄かったもんなぁ。


 レスカも結構口が悪い所があるけど、それ以上じゃない?

 ああ、だからか。

 レナちゃんも時折口が悪かったりするけど、ジーニアス様に似たのかな?もしかしたら僕は会った事が無いけど、レナちゃんのお父さんと長男が口が悪いのかもしれないね~。だって次男のディラン様は物腰柔らかくて穏やかな口調だったし。


 うんうん、きっとレナちゃんはお母様に似たんだね~。

 普段は柔らかく笑うし、人懐っこいし~可愛いし。それに学園のカフェテラスで働いている時の一生懸命な姿は見ていて可愛いなって思っていたんだよね。


 あ~あ、何だかそう思うとニキが羨ましい。

 一回ぐらい僕とデートしてくれないかな~ってもう無理だろうねぇ。ニキも嫌がるだろうし、何よりレナちゃんが拒否しそうだし。うーん何とか出来ないかな~。

 でもやったらニキに殺されそ…うん、やめとこ~と。

 友達大事、命大事、コレが一番。


 それにしてもジーニアス様、「クソ共シネ!」って、うわ~…

 剣から出て来た風圧を前方に飛ばし、後方に居た魔術師らしき襲撃者を遥か彼方に…ああ、ボチャンって音がしたから海まで飛ばした?うわ、なにそれ怖っ!

 ここから何キロ離れて居ると~っ!?

 なんて飛距離。滅茶苦茶過ぎ!

 アレ、下手したら打ち所悪くて…ああ、だからシネ!なんですね~。


 そして僕、ケイン・ノスタルジア・ジアスの背後には嬉しそうにガハガハ笑いながら、何故か全身土だらけで爆笑しているこの国の騎士団団長アルビオン・モイスト様。


 …なんで其処で豪快に笑ってるんですかね~この人。

 今どういう事態か理解してる~?


「あーやべ、息子が一端(いっぱし)になっとったわ!」


 そしていや~な笑い声。

 ヒヒヒなんて笑ってるよ~この騎士団長。

 まさか変なこと考えてないよね?


「おいアルビオン、てめ何で此方来てる」


 わ~レスカがすっかりお冠。

 仕方無いか、ユリア様が怒っていたもんねぇ。


 “隣国が侵略して来るって分かっているなら、何故レナを町にやったのです!”


 ってね。

 でも知らなかったんだよね~可能性があるって程度では分かっていたけど。ってそれだけ知ってたから怒ってるんだろうけど。

 だからこそ何だろうなぁ、国王と僕の父が敢えて僕達を王都から離れたカモーリに寄越すなんて変だと思っていたんだよね。そりゃぁ汽車が駄目になったのは本当だろうけど、隣国が可笑しな動きが多い最中あえてガーフィールド第一王子ではなく、第二王子であるレスカを此方に寄越すなんてどう考えても…


 国王様謀ったよねぇ。

 それを察したからユリア様は余計にお冠、と。


 其処でドドドドドーーンッと盛大な音を立てて城館に入って来た襲撃者を、ジーニアス様が手に持った…


「あれ、剣だよねぇ~?」


 何だか剣から妙な魔力?みたいなモノが刀剣を拡大した感じで広がって、4メートルぐらいの長さになってない?ナンカ一人だけ人外の域に達してるけどぉ~!?

 いやほんと、この人なんで人間やってるの?僕味方でよかったー!


「うげっジーニアス怒ってる」


 って、僕の背後でレスカが驚いてるんだけど、どゆこと?


「レスカ~!ジーニアスが怒ってるって?」


「ああ、てかあのアホ王子居ないし…」


 うん?そう言えばジーニアス様って、レスカが隠れてアホって言ってるアレクサ様の護衛だよねぇ?それが何故今一人なんだろう?何処かに隠れてる…って感じじゃないよね?隠れてるならこんな敵陣の真っ只中にジーニアス様は突っ込んで来ないだろうし。ジーニアス様ってば意外と忠義な所あるから、レスカの言いつけは確り守るしね。


「やっぱりアレクサが関係してやがるのか」


「レスカ」


「この襲撃だよ。ほら、海の方見てみろ」


「ええー!うわぁ」


 僕が海が見える窓際まで寄ると、そこからかなり先の方には何隻もの…


「ウィックローの所の船だな、恐らく今迄沖で停泊して様子でも窺って居たんだろう」


 そんな事が可能?と思ったけどレスカ曰く、


「大方前方の大型船で様子を窺って、好機と為ったら狼煙でも上げて背後の高速船達が来たんだろ。ほら、後方はほぼ攻撃力が無い船ばかりだ」


 恐らく前方の船で鎮圧をし、後方の船は支援及び陸に着いたら人数を多く詰め込んで居るから其処から雪崩れ込むって寸法だろうと告げる。


「なんつーか見事な位、穴だらけの作戦のようだけどな」


 と言ったのは、ニキの父親のアルビオン騎士団長。


「寧ろボコボコ穴空いてるだろ」


 トドメを刺したのがレスカ。


「この作戦、穴だらけだが敏速に行動出来る様に仕上がってるな」


「裏にアホ宰相ノア・バーンドが絡んでるだろな。出撃の粗さは若造が計画かね。どう思うレスカ殿」


「修正がノア・バーンドだろうな。で、口出しするなって言ったアレクサの裏をかいて修正って所か。ただ全部は出来なかったって奴だな」


「青いねぇ」


「青いな」


 二人に言われるアレクサって。

 笑ったら駄目なんだけど、ちょっと僕は笑ってしまった。でもなぁ…


「町に居るレナちゃん達は大丈夫なんだろうね?」


「一時は持つだろ。ニキだって居るし、何より『鬼神』の相方の『夜叉』コリンが居る。その間に領館に来た招かれざる客、イヤ違うな、居座ろうとする馬鹿共は粉砕する」


 レスカがそう言って口角を上げてやや腹黒く笑う。

 けど、レスカってあまり戦闘経験無いんだよね。

 と言うか無いんじゃないっけ?訓練とかは良くしてたけど。一応王家の第二王子だし。でもな~変に勘が良いし、頭も働くし、何より僕まだレスカに勝てないんだよね。体術とか魔法訓練とか、下手すると時折戦術も。


 嗚呼もう、悔しいなぁ!

 これじゃあレナちゃんも僕に振り向かない筈だよね。

 ま、レスカにも振り向かなかったけど。

 レスカ自身もチョッカイは掛けてなかったから当たり前だけどさ。

 は~…ニキみたいな一直線な所が僕には無いからな。

 まぁそれが僕で、当たり前な事なんだけど。


 どうでも良いけど、コリンさんって『夜叉』だったんだね。イメージが何時でもニコニコしているから何か違う感じがするんだよなぁ~。でもあの人も戦うとイメージ崩壊するから、『夜叉』ってあってるのかも…


「どの道そろそろ片付くだろ?『鬼神』が暴れてるしな」


「…確かに」


 しかも怒ってる。

 相当イライラしているみたいで、時折正当な剣技ではなく豪快な蹴り技が炸裂してるって、アノ人近衛兵だよね?しかも王家所属の。

 近衛兵ってこの国だと王道と言われている剣技を習得し、使えないと部隊に入団出来ない筈なんだけど。特務部隊だとまた違うらしいけど、流石に其処から先は秘匿されているから僕は知らないんだけど。レスカなら知ってそうだけど、ウッカリ知ると在籍させられそうだからスルー1択だよね。


 僕影なんてタチじゃないし。


「おーあの技はジージ殿の技に似てるか。やはりジーニアスは指南でも受けたのかもな」


 うん?ジージ殿って元学園の…


「ジージ教授~っ!?」


「そ。昔な、かなり腹黒い事を仕出かし、『王家転覆計画』に加担した学園長一派をぶん殴って全治一年以上にし、結局その学園長達どころか『国家転覆計画』に加担した奴等は何もかも壊滅させられたって言う、あの伝説の人」


 僕達が生まれる前にあった事件だよね?


「確かまだ学園にあっただろ?焼却炉の側の壁にヒトガタに凹んだ跡が。あれ、当時の学園長がメリ込んだヤツだよ」


 うわ~あの跡がそうなのか。僕知らないであの前でレナちゃんと変な形してるねって話てたよ~!だからレスカ微妙そうな顔してたのか。と言うか、当時の事を知ってる人ってもう殆ど居ないのでは?

 それにジージ教授の技を使うって事は、ジーニアス様一体何処で習ったんだろう?


「ーーで、アルビオン。アレスは何処に居る?」


「はっ、あの青臭いガキは丁度海がよく見える場所にいやがる。恐らく今回の事も気が付いていたんだろうよ、ったく。ヤダねぇ、頭のよく回る青二才ってのは、どうにもむず痒くなる」


「そう言うな。アレはもう病気だ」


「はは、病気ね。確かになー…てめぇの親父が隣国の王妃に手出して出来ちまった二卵性双生児。そして自身が双子の片割れってのにも気が付いていた様だしな」


 え?

 僕は慌ててアルビオン様の方を見ると、アルビオン騎士団長はニヤリと此方を見て笑い…


「アレスが何時から気が付いていたのかは知らんがな、アイツはアレクサと双子だ。似てないがな。その証拠もやっと掴んだ。そして今回の件と過去の国家転覆の件は年月が経過しているが絡んでるんだよ」



ジーニアスが居ると無双状態が……

そしてこの作品、基本レナが本編に不在だと裏の事柄が動きます。


もう少しで10月編に突入するので、一気にラストスパートに向かって突入していきます。が、あれ?何か忘れてる気がする…って人達もそろそろ動き出します。

何度も今迄名前が出てきていた人です。

ニヤリ(^m^)


◆◇◆

少し前から『誤字報告』設定を致しました。

誤字を発見しましたら是非ご協力お願い致しますm(__)m


12月3日修正

多すぎて涙目_| ̄|○

駄目過ぎて笑うしかw


ご協力有難う御座いました~!(^O^)/

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