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今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】  作者: 柚ノ木 碧(活動休止中)
5章 今日も周囲も人間関係もゴタゴタしていますが、国内の紛争やら暗殺やらで物騒な最中、恋人が出来て戸惑いつつも鑑賞致します。
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「国王の妾、キャメロン殿が王城で襲われて亡くなった」


 昨日、バーネット様が言われた言葉を思い出す。




 ごめん。

 爵位授与式の時のキャメロン様しか知らないからイマイチ分からない。

 正直に今の心境を言うと、実感が無い。


 私ってば…冷たい人間だったんだなって思う。

 あの時の固執した瞳に驚いては居たのだけど、私には王城へと入れる訳も無いし、まして国王の妾と為ると尚更接触出来るわけが無い。無い、のだけど…


「生前キャメロンが『ガルニエ家』に執着して居てな」


 うへぇ。何だか凄い言葉をレスカ様から聞いてしまったのはつい先程。


「どうも何かを欲している…いや、ガルニエ邸に固執していたのかもな」


 うん、レスカ様や。

 思いっきり嫌そうに左手に持った王家の刻印入りの手紙をピラピラと振ってって、ほんとーに嫌そうだなこの人。分かりやすいと言えばそうだけど、それで良いのか王家の第二王子だろう。そんな簡単に人様に表情出しちゃって大丈夫なワケ?


「あのな、言っとくがこの場にはモニカとバーネットにニキにケイン、レナにそれと護衛のコリンだけだからな。だからこうやって分かりやすいように態度に出している。と言うか、身内みたいなもんだからコレぐらいさせろ。んじゃねーと気が休まらんっ」


 って、うわーうわーレスカ様すっかり地が出てる。

 と言うかここまで地を出したのって初めてじゃ無い?


「レナはニキの女になったからな。だったら身内同然だ」


 ってナンテこと言うかなこの人はー!

 そして思わずチラリとケイン様を見てしまったよ。

 おい、そこの第二王子。釣られて一緒にケイン様見るな。


「ぷ。レナちゃん相変わらずだね」


 って笑うケイン様。

 あ~…ごめん、何だかごめんって言葉しか出て来ない。だって、どっちかって言うとこの中に居るメンバーの中で一番可愛い容姿のケイン様の目の下に隈だよ、クマ。微かじゃないんだよ、クッキリだよ。ほんとゴメン。美容に悪すぎだよ。


 で、その隈を作らせた当事者は当然モニカ様だよね?

 そのモニカ様は先程から何度も数枚の書類を見比べていて唸っている。


「やっぱり駄目だったわ。ケインもでしょ?」


「はぁ~無理ですね。僕にはあの『魔法』のやり方はそもそも出来ませんし。と言うか~そもそもアレは魔法なんですか?僕には理解出来ないです~」


 ふ~…と溜息を付いて居るようだけど、何の話?


「レナちゃん、今回のキャメロンが亡くなった事だけど、私はアレス・バーンドが裏に居るんじゃ無いかって思っていたの。でも違ったようね」


 ええええ!?

 って、あれ。えーと…


 ソウイウノ、乙女ゲームであったっけ???

 そもそもシナリオから既に脱線しまくっている状態だし、それにその…

 然りげ無く確りと私の横にいる、大好きな人であるニキを伺うと「ん?」という感じで此方の様子を窺って来る。


 と言うか、そのー…あの。

 何故ケイン様の視界から私を遮るようにして立っているのかな?私そんなに信用無い?そしてその状況に気が付いたケイン様は肩を震わせて笑い、レスカ様は何とも言えない顔をして「アホか」と悪態を付いて居る。更に言うとモニカ様はな~んか嬉しそうにニヤリと含んだ顔をしてるんだけどぉ?


 これ、後でネタにされるんじゃなかろうか。

 バーネット様は堪えきれずに爆笑して机に突っ伏している。これは多分笑いの壺に入ったんじゃない?意外とバーネット様って笑いの沸点低いよね。今なんてお腹抑えてるし。笑い過ぎですよ全く。


「あ、ヤベ。ニキの嫉妬が笑える」


 とか言ってるよこの人。

 そしてレスカ様はレスカ様で、


「もしかして私も似たような事してるのか…うげぇ…」


 とか言ってるけど、してるから。断言出来ますよ?

 似てるかどうかは微妙だけど、嫉妬はよくしてるからねレスカ様。

 つか自覚しろ。

 そのせいでユリアが困っているんだぞ。毎度毎度パーティーの度にとか、レスカ様やらかし過ぎててユリアがどう接して良いのか、何時も戦場に向かって突き進む様な心境だってさ。


「…私はなんて事を」


 ああ、でもユリアは多分そんなレスカ様の態度も嬉しいと思いますよ?あの子何だかんだ言ってレスカ様の事大好きですからね。


「う、うむ」


 そこで薄っすら赤面して咳き込んでも可愛いだけですからねレスカ様。


「うわ~凄い流石レナちゃん、飴と鞭」


「これが言っていたレッティーナ嬢の手腕か。王家の男を誑し込むとは…」


 ケイン様のはまだ分かる。

 だがバーネット様、何言ってるか分かりませんよその台詞!

 そもそも誑し込んでいませんからーっ!

 と言うかレスカ様がチョロヒーローは事実なのだから仕方がないんです。そして何度も言うけど私は誑し込んでませんからね!?むしろ出来ませんから。


「レナ、他を見ないで欲しいんだが…」


 ちょ、誰今「ニキが馬鹿になってる」って発作みたいに大笑いしだしたのはってモニカ様か!そして私今真っ赤だよ!!何でそうなるニキ様っ!

 じっと見て来ないで~!

 ひーっ!

 これって拷問っ羞恥心を引き出すの拷問か!?

 ユリアってもしかして何時もこんな状態なのぉ?!


「あ~…その、すまん。ちょっと隣の部屋借りる」


 ガシガシと頭を掻いて少しバツが悪そうな顔をして。

 鍵貸してってニキ様が勝手知ったる何とやら?とやらで室内にあった棚の扉を開け、そこから鍵を取り出して…ん?何故私を連れて行くかなー…






 バーネット様の執務室を出て廊下に出た途端、盛大に響くモニカ様とバーネット様の笑い声。


 あぅ……


 なんてこったい流石婚約者同士&似た者同士、笑いの沸点が同じ二人ってこそっと思っておこう。

 そしてニキ様や、何故にこの部屋鍵が掛かって居るの?

 とか思っていたら、バーネット様の部屋全体に魔力が覆って行く。

 もしかして周囲に声を漏らさない様にしたのかな?モニカ様の魔力っぽいけど…うーんこの魔力私がウッカリ触ってしまうと吸収してしまいそうだなぁ。モニカ様ワザとそういう風に張っているのかな?何時もよりやんわりとした魔力だし。


「流石にまだ二人っきりってのは不味いか」


 一応貴族令嬢って事らしい私と、高位貴族のニキ様と二人だけと言うのは確かに不味い。まだ正式な婚約という形は取れていないし、取れていてもまぁ、言い訳等は出来ない。世間体って言うのは何よりも貴族にとっては大事なのです。


 そんなワケで廊下に居たこの屋敷で私の面倒を見てくれて居るメイドさんが、すかさずサササーと寄って来て下さいました。はい、有り難うございます。何だろうこの空気を読みましたって感じは。しかも我が家のメイドのパーシャさんならドヤ顔を絶対するのに対し、此方のお屋敷のメイドさんは部屋の隅に控えていて「the・空気」状態。


 物凄い優秀なんですけど…


 ねぇレスカ様、家に寄越したメイドのパーシャさんって本当に優秀なの?鼻血メイドなだけじゃなくて?って思ってしまうんだけど…


 単にガルニエ家だとそういった機会が無いのとパーシャさんの鼻血が強烈過ぎるからだったりして。何だかそんな気がしてしまう。


 そして差し出される紅茶。

 何時淹れたの!?って聞いてはいけない。

 何せ一人だと思ってたメイドさんが何時の間にか三人に増えていたからね。

 多分部屋に入る前に淹れて持って来たんじゃないかな?

 それにしても良い匂い。


「レッティーナ様がお好きだと言う林檎の皮を煮出し、そのお湯で淹れた紅茶です」


 アップルティーですね~ってこの世界アップルティーあったのか!

 それともココ港町カモーリの特産品の一つとか?

 なんて小首を傾げていたら、


「いや、レナが食堂で淹れていただろ?それが王都に浸透して、それから周囲に広がって行ったんだよ」


 …はい?

 今何言いましたニキ様?

 私の聞き間違い?


「俺はてっきりアレイ家の領地で伝わっているやり方だと思って居たんだが、違うのか?」


 えーと?


「ほら、カフェテリアのビビーネさん。あの人に聞いたんだけどな、レナがええーと皆におやつを振る舞った時にそのお茶を淹れただろ?それがカフェテリアの皆から伝わっていってな…」


 何でも、私が度々カフェテリア…学園の厨房で働き始めてから、時折大量に余った果物とかの皮とかから失敬し、お茶にしたりお菓子に混ぜたりしていた。

 そうしたら「食べたい」や「飲みたい」と言うビビーネさん達に一口与えてみたら、何故か次から賄いのおやつを作って欲しいと言われ、何度か作る機会が増えていった。

 それがどうやらあっという間に世間に浸透して行ったらしい。


 何時の間にか厨房のおばさま方から伝わったり、何故か貴族の間に伝わったりして来ているのだとか。

 ってもしかしてソレってレスカ様絡んでない?

 何時の間にかおやつの時に紛れている事があったし。

 そしてその一つであるこのアップルティーがカモーリにも流行り始めているのだそうでって、知らなかったよ!


「もしかして、ここに伝わったのって」


「レスカの事だ、移動先で自分で食えるのを増やしたくて普及してるだろうな」


 あ、やっぱりー?

 簡単に分かっちゃう位なんですけど。

 あの第二王子ほんっと甘いの好きだよね。

 それで移動しても食べたいからって理由で普及、と。何だかな~…あれですか、レスカ様は食道楽、ただし甘いものに限るって奴ですかね?


「学園に入学してから変だと思って居たんだよな。美味いお菓子とか見たこと無いお菓子とか普通に手にしていたし。俺はてっきり何処かからか輸入して来てるのかと思ったのだけど、ある時レナがカフェの厨房で皆のおやつを歌いながら作って居るのを見てな。で、レスカに問い詰めた」


 わ~…ニキ様問い詰めたって。

 そ、そして…


「歌って」


「ん?綺麗な歌声だった。でも聞いたこと無い発音だったんだが…」


 そりゃそうだよねーっ!

 記憶にある限りだと、アップルティーとかの時は確かアニメソング歌っていたし。でもこれって結構危険だよね?うっかり同じ様な前世の記憶持ちでしかも日本人だったりしたら、羞恥でちょっと穴に入って来るって言いたく為っちゃうし。

 と言うか黒歴史…


 今後は控えよう、是非そうしよう、うん。

 そして歌っていたの聞かれていたのか…は、恥ずかしぃぃぃっ!


「あれは何の歌だったんだ?」


「さぁ?実家の領民から聞いたので、幼少時から適当にうろ覚え程度に覚えて歌っていたのできちんとは覚えていないのです」


 よし、誤魔化した!

 だってアップルティー作っていた時の歌って、某国民的猫耳アニメソングだったからね!あーもぅ!どうして童謡とかを歌わなかったかな私。童謡とかならある程度誤魔化せたのに!

 動揺だけに。


 …今穴掘って入るべきかな。


「レナ?」


 ニキ様、ちょっと近寄って顔覗かないで下さいって近い近いちかいーっ!


「顔が赤いな、熱あるのか?」


 って額にニキ様の額をくっつけないでー!やだ余計赤くなっちゃうよ!そしてメイドサーンッ!へるぷ!とか思って見たら誰、今親指立てたの。って、何時の間にモニカ様が部屋の中にいたぁああああ!


「ぷ」


 そして目が合ったら笑われたーっ!!


「モニカ…」


「く、くくっ。やばい、レナちゃんの動揺が面白すぎ」


 はぅううううっ!


「あのなぁ。レナからかって遊ぶな」


 ニキ様もっと言ってやってー!

 ッテイウカ、あれ。ニキ様がオデコにコツンと額を重ねて熱計ってからからかわれ……

 あれ?ん?

 チラリとニキ様を見ると、「熱はないな」って。

 おー…からかったワケじゃないって事?でも何となーく…笑ってません?


「ニキ、ほーらレナちゃんにバレてるわよ?」


 やっぱりー!


「もう!ニキ!」


「ははは、ばれた」


「ばれたじゃなーい!」


 ポカポカと胸元を叩いて…あ、うん。そう言えば私結構力アッタンダヨネー。ほら、厨房で力仕事だって熟していたし?大鍋だって両手で抱えて持っていたから、ねー。

 ニキ、ほら。って逃げるなー!


「嗚呼もう、貴方達ほっとくと何時までも戯れてそうだからいい加減にして貰えるかな?お話さっさとして置きたいのだけど」


 イエス、マム!

 モニカ様には私、逆らいませんです、はい!







 * * *







「ふわ~…先日も来たけど、今日も凄いね」


「まぁな。ただ朝市は終わってて残念だったな」


「それは仕方無いかなー」


 あの後、モニカ様のご命令。じゃなかった、指示…うーん提案?で、もう暫く港町カモーリに居る事にした為、これ以上滞在してしまうならと学園側に頼まれた品等を送って貰うことにし、買い出しに来ました。


 レスカ様宛には即帰って来いという手紙が来て居たらしいんだけど、モニカ様に来た『魔法大臣ハリントン・ノスタルジア・ジアス様』からの手紙では、王宮は危険だから暫くの間は見合わせろと言う内容の手紙が魔法で届いたのだとか。


 手紙って魔法で届くんだ…一体どうやってなんだろう。


 そう思っていたら、説明を受けている間に次々とモニカ様の前に落ちてくる手紙。ぴらり、ぴらり…えーとその数8枚程。


 これが魔法で送られてくるって事?

 流石異世界。郵便局員も涙目の現象だね、配達員必要ないし。

 という事は郵便ポストも不必要か、局員赤字経営になっちゃうね。ってそれ以前に郵便局があるのかどうか知らないけど。


 それらをヒョイと拾って何枚か宛先だけ見て、一枚だけその場で切り裂き、


「あ~…成程ね」


 って頷いているんだけど?


「ニキ」


「ん?」


「あんた、城下でレナちゃんとデートしてきな」


 ぶふっ!


「な、ななん」


「んーそうね。あれよ、横恋慕して来るヤツの牽制ってやつ」


 モニカ様がそう言うと、嗚呼成程と納得するニキ。いや、なんで?って誰かニキに懸想をしてるってこと?って事は、シモーネ・キャムデン辺境伯のご実家とか?それとも他の高位貴族とかかな?


「違うってば、レナちゃんに対してよ」


「え?私?」


 誰か居たっけ??うーんと、唯一思い当たるのはロドリゲス家ぐらいだけど、この間ゲシュウは捕まったままだって聞いてるけど。あの人、何で何時までも捕まったままで保釈されないんだろう。モニカ様が何か絡んでいるのかなぁ?


「あー…これは、どの道望みは薄かったのねぇあの人」


 モニカ様が額に手を当てて唸っているけど、えーと誰かいましたっけ?


「ほら、ガーフィールド王太子」


「……………あ」


「レナ、完全に忘れていたな」


「うん、だってカモーリに来てから色々あり過ぎて、すっかり」


 忘却の彼方でした。はい。

 だってね、どう考えても存在が雲の上の人ですよ?

 確かに何故か人の家に来て贈り物とか顔を見に来られたけど、それはねぇ…単に毛色の違う女の子が珍しいだけだと思っていたんだもの。それに王太子だよ?どう考えても私じゃ釣り合わない。

 それ言ったら攻略対象者であるニキだってそうなるけど。

 でも、好きになっちゃったんだよ。

 これは、この気持はどうやっても止まらないよ。


「まぁ良いわ、レナちゃんがニキの事を心底好きってのがわかったし?」


 ひぃっそんな恥ずかしい事言わないで~!

 ボボボって言いそうな程酷く顔面が真っ赤になった気がする。あ、やだニキ此方を見ないで欲しい。羞恥で余計に赤面しちゃうよっ!


「レナ可愛い…」


 そんなウットリした顔で此方を見ないでっ

 目が離せなくなるんだってばー!


「うわ、物凄いバカップル…」


 モニカ様呆れないでー!

 そしてメイドさん、「初々しいわね」って顔してヤケにヌルイ眼差しで見ないでっ!底知れぬ羞恥心が出て来て、全身がプルプル震えてしまうから!

 ニキ、そこ、嬉しそうに抱きつかないー!


先日この話の前半部分を残して消去されてしまいました。

その後必死で書いたのですが、すっかり別物に…。本来ならレナ視点ではなくバーネット視点だったのですが、消えてしまって何度書いてもバーネット視点が出来ませんでした。

うう、ショック。_| ̄|○

ちくしょぅ~!

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