表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】  作者: 柚ノ木 碧(活動休止中)
4章 今日もお屋敷も学園もゴタゴタしていますが、働いて・学んで・そして何故か陰謀に巻き込まれつつ何とか奮闘致します。
55/110

48

 ぐぉおおおおっ!


「まぁ、よく似合うわレナちゃん!」


 喜々として微笑む美の女神。

 それに対して、声には出さないが内面で「ぐうおおおおおおおっ」と絶叫を上げたいのを何とか飲み込む。

 うっかり今息を吐くと「うおおお」って言いそうになる自信がアルゾ。

 勿論令嬢にあるまじき雄叫び付きで。


「お美しいですわ」


 あ、うん。お世辞はイイデス。


「是非鏡を見て下さい」


 いや、今顔上げたら内臓がデソウデス。

 うぉっぷ。


「もう少し緩めますね」


 アリガトウゴザイマス。

 私の状態を見て察して下さって。

 出来たら外して下さい。え、駄目ですか。そうですか。


 …地獄か。


「もう、レナちゃんってば」


 女神、そこな美の女神。

 其方もこの地獄を味わっている癖に平気なのか。


「言葉が変になっていますわレナちゃん。それと私は自宅から持参しておりますの」


 おぉう、裏切り者ーーーっ!

 あれですか、ソフトな奴ですか。

 緩やかな品ですかー!?


「きっちりとかなりキツク締め付けるモノをつかっておりますわ」




 やっぱり裏切り者ぉぉぉー!








 * * *









「うーみーーはぁーひろーいなぁああああああ~でっかーいどう~」


 音程とかひっちゃかメッチャカ。

 だって歌詞を此処までしか覚えてないし、しかも酷い替え歌になっている。そもそもこの世界の何処にもこの歌は無い。


 更に言うとココは現在私一人だ。


 ココ。

 港町カモーリの領主館、バーネット・カモーリ・サザーランド様の城の庭園。そこから数分先に歩いた場所にある海が見える場所だ。

 この場所を下から見た時に崖の様に為って居て、多分此処からなら海が良く見えるんじゃ無いかなって思って目星を付けていた場所でもある。

 今は夕闇が迫って来て居て、とても綺麗な風景が良く見える。

 後数分したら辺りは完全に闇に染まってしまうのだろう。



「何時に無く酷い歌だな」


 違った、居たよ。

 今何となく会いたく無かった人であるニキ様が。


「前に歌った時の歌のが良かった」


「アレとは別の歌なので…ん?」


 あれ、前に歌ったっけ?

 王都に来てから確か…鼻歌ぐらいしか無いと思ったけど?

 それも乙女としてどうかと思うけど、そもそも王都に来てからは余裕が無くて特に歌詞が付いた歌をキチンと最後迄歌った事は無かったし、それにこの世界の歌って言う歌は領土に居た領民達に聞いた歌ぐらいしか知らない。


 前世での歌なんてコッチの世界の人はわからないだろうし、それに翻訳もしにくいのでかなり適当になるからほぼ鼻歌なんだよね。

 特に「英語もしくは外国語」=「日本語」=「この世界の言葉」に直して翻訳何てやってられません。

 難し過ぎます。


「ニキ様の前で歌った事ってありましたっけ?」


「え、あー…偶々聞いた」


「何時?」


「…忘れた」


 んん?

 おかしいな。


「なんの歌唄ってました?」


「聞いた事が無い歌だったな。…今のドレスアップした姿のレナもとても美しいが、その…負けず劣らず美しい歌だった」


「ん~?」


 今なんかイワレタヨウナ。

 それは一先ずスルーしよう。

 ほっといたらドンドンと口説いて来そうだし。


 そして、美しい歌ってなんだろう?

 冗談で実家に居た時に歌った「魔笛」では無いとは思うけど。

 夜の女王のアリア歌ったら、カイデン兄さんドン引きしてたので嫌な事をされた時とかにカイデン兄さんが寝る前に嫌がらせで何度か歌ったら逃げ出していたし。

 勿論魔笛はキッチリとオドロオドロしい歌詞で。

 途中でこの世界の言葉を翻訳するのが難しくなり、原曲とか鼻歌で歌ってしまったりしたけども。


 割とビビリなんだよね~カイデン兄さん。小屋とか怖そうに飾り付けしてた癖に。

 私もビビリで幽霊とか怖いけどさ。



 明るくて美しい歌なら…


「il Bacioかな?」


 それぐらいなら歌った事あったかな?

 あ、あった。

 確か食堂で、芋の皮むきが上手く出来て嬉しくて何度か歌ってたわ。

 とは言え鼻歌とかだけど。


「タイトルは分からない。あの時初めて聞いたからな」


「歌詞で?」


「…」


 何でそこで黙るかな。

 確かにこの歌は…ちょっと、否かなり恥ずかしいけど。

 この歌前世でのイタリア歌曲で日本語で訳すと「くちづけ」ってタイトルだものね―…






 ・


 ・


 ・






 もっの、すっごーーい恥ずかしかった!

 だって歌詞が、かしがぁぁぁぁああああ!




『甘い口づけを君に与えることが』


『ときめきを聞きたい』


『君の口づけは私の宝』





 歌なんだけど恥ずかしい!途中で気が付いてひぃぃぃ!って叫びたくなったよ!

 ほぼ鼻歌にしちゃってたけども!

 全曲鼻歌以外は羞恥プレイーっ!


 ま、こっちの言葉に直して歌ったわけじゃないし、ほぼ鼻歌だったから解って居ないんだろうけど。救いはそれだけとも言うけどね。


「相変わらずレナの歌は美しいな」


 何言ってるんだろ?

 相変わらずってそんなニキ様の前では歌った事なんて無かったと思うんだけど?


「気が付かなかったのか?学園の食堂で上機嫌で良く鼻歌を歌っていたぞ」


 げげげ!

 うそー!?


「時折歌詞が付いて居てな、それがまた美しかった。お陰で食堂で働くレナは、食堂を利用する男子生徒達に目立ってしまって居たがな」



 …羞恥プレイ自作してるし…

 なんてこった、新たな黒歴史紡いでしまった…。


「どうした?顔真っ赤にして」


「うぐ、酷いです。この曲ワザと選んだでしょ」


「さぁ?でも良い音だな」


「羞恥プレイです…」


 特に!


『甘い口づけを君に与えることが』


 とか!


『ときめきを聞きたい』


 とか!


『君の口づけは私の宝』


 とか!



 今歌ったのは鼻歌だったけどさぁ…

 嗚呼でも、食堂で歌ってる時は無意識だからもしかしたら歌詞付きで歌っていたかも…翻訳はしてないけども。



「俺は君の…「レナちゃ~ん居たぁ~!」…ケイン」


「もー探したよ二人共!ってニキ!抜け駆けは厳禁~!」


「何が厳禁だてめぇ」


「ニヒヒヒヒ♪」


 ガクッと項垂れるニキ様に対して元気良くニコニコ微笑むケイン様。

 途中で割って入って来たの、ワザとだよね。

 でも助かりました。

 だって、今の私だとニキ様の気持ちに答えられない。

 ニキ様が言いたい事はわかるよ。

 多分今言いたかったのは「俺は君の事が」って続いて告白する気だったんだと思う。それに対して私の返事は…出来ないんだよ。



 ニキ様の事は嫌いじゃない。

 好きでも無い。

 この気持ちは友愛であり、友情であり、愛や恋では無い。



 それはケイン様も同じ。


「で、僕もレナちゃんの歌聞きたいな~ねぇねぇもう一回お・ね・が・い」


 ただちょっとケイン様の可愛らしい顔でニコニコしながら甘えん坊な声で言われてしまうと、ケイン様のが優勢だったりするんだけどね。


甘っ!!



ちょっと作中とは関係ないのですが…

今年の初め辺りまで逆お気に入りユーザーの数が33名でした。

それが昨夜何とはなしに見ると………『え?116名!?』

何かの錯覚か、はたまた視力の悪化かと思って何度も画面を見返しておりました。

登録して下さった方々有難う御座います。<(_ _)>

そんなわけで改めてPC画面でマイページを見たり、シリーズモノを増やしたり(今日学シリーズ追加)しておきました。(作品が増えたわけではありません)

そして、新たにブックマークをみると増えて居りました。

有難う御座います。有難う御座います。有難う御座います。

大事な事なので三度言いました!(`・ω・´)

これからも地道に頑張って行こうかと思っております。どうか宜しくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ