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今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】  作者: 柚ノ木 碧(活動休止中)
3章  今日も学園はゴタゴタしていますが、何故か苗字が変わってしまってコッソリ鑑賞出来にくくなる様です。
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 パーティーと言うか、前世の知識だと祝賀会と言うか。

 其れよりはかなり堅苦しい。


 見知らぬ貴族様方からの挨拶ラッシュ攻撃を無事潜り抜け、一部危険そうな輩(胸ばかりみる人とか…。)からは接触する前に何とか回避。

 肩身が微妙に狭いパーティーの後、ケイン様やケイン様のお父様ハリントン様のご厚意でジアス家の馬車に私達兄妹を乗せて貰い、ジアス家のタウンハウスに一度帰る事になった。


 ケイン様が学園でハーブ園等を作って薬草などを育てて居る様に、ジアス邸では代々薬草学等を嗜んでいる。そのお陰で古くから研究をしている為に普通では手に入らない薬が常備されており、今回のスタンピードのせいで教会が有料で開いて居る臨時の治療院より、ジアス家のが設備もあり早く治るだろうと私、レナの怪我が良くなるまで親切にも面倒を見て治療してくれた。


 勿論他の重症な怪我人や病人も敷地内に建てられている建物の中に何名か滞在しており、今回特別に滞在許可が降りているらしい。


 魔法大臣とかしてる貴族は違うなぁ~と思って居たのだけど、一応ある程度身元が保証出来る人しか滞在出来ないとかナントカ。

 おまけに支払いが要らない代わりに、新薬の実験もされている(勿論許可取ってから)とかナントカ。


 …それ、チョット怖いんですけど。


「あはは、大丈夫レナちゃんは僕のお友達って事で新薬の実験はしていないから安心して~」


 つまり有料っと。

 友情価格で低料金だったのは有り難かったです、はい。


「一応包帯とか備品とか、食事の代金のお金しか貰って無いんだよ。こういう時に市井に還元しておきたいしね」


 成程納得。

 でもそれって人手が掛かって大変なのでは?


「父が治療院の見習い候補とか、医者の卵とか何人かのパトロンをしててね。今回はその伝手を使って居るから大丈夫。それに経験を積めるからって皆喜んでいるしね」


 パトロンとな。

 この世界に来て初めて聞いた言葉。

 どうでも良いけどジーニアス兄さん、何故「書生?」とか呟いて居るの?そしてデュラン兄さん、「それ領地のジージの台詞だなぁ」って懐かしそうに。その話私知らないよ?






 * * *







 ジアス邸の離れにある建物、仮の治療院と勝手に呼んでいるんだけどその一室に行って荷物を纏める。


 この部屋に約二週間程滞在していたんだよね~。

 気を失っていたのは三日位だったらしいけど、その間もその後も意外な事にユウナレスカ様が何度かお見舞いに来てくれた。


「確かこのテーブルにミックス牛乳や苺牛乳が並んで居たのよね」


 どうやら私が気を失って居てかなり心配をさせてしまったらしく、何故か目を覚ましたら見知らぬ天井とテーブルの上にはミックス牛乳達。


 どうやらお風呂の一件以来、ユウナレスカ様は私の好物が甘い味がある牛乳だと勘違いされて居たらしい。

 数日間気を失っていたものだから、三本牛乳が並んで居たのには笑ってしまった。

 勿論室内に置いてあったモノだから駄目になっているのでは?と思ったのだけど、何故か周囲が凍って居て。

 後日治療とお見舞いに来た準メリーに聞いたら「駄目に為らない様に凍らせておいたの♥」と、笑いながら言われたんだよね。


 準メリーことアメリー・メメントリー準男爵令嬢。

 何と怪我を負わせた責任を感じて何度も治療に来てくれたんだよね。

 私が気を失って居る時などは連日通い詰めて居たらしいし。


 意外とってか結構いい人?

 おまけに私の治療が終わったら、ジアス邸の治療院に入院して居る人達の治療もしていったらしい。


 そうそう、準メリーはこのスタンピードで聖魔法を使える様になったらしく、教会から晴れて聖女として認められる事になった。

 とは言えこの国の聖女は他にも何人か居て、彼女は我が国では20人目なのだとか。

 そして能力も一番下とのこと。


 おかしいなぁ、乙女ゲームでは聖女になるのは二年生の終わりか三年生になってからだったし、聖女としての能力もかなり高く、国一番の聖魔法の治療術師となる筈。

 それが能力が一番下と…?

 何か色々と予定外な事柄が乱立して居るなぁ。


 それとケイン様から「学園に連絡してレナちゃんの事伝えたから心配しなくて良いからね。職場のおば様達から早く元気になって!って伝言があったよ」と連絡を貰ってから、頻繁にお見舞いに来てくれたなぁ。やっぱケイン様敷地内だし近いからね。


 それとユリア様!

 毎回お見舞いに来ると花束やら美味しいお菓子やらを持って来てくれて、気を使ってくれるのがまた嬉しかったな~。

 ただユリア様がお見舞いに来ると、某ストーカーさんが必ず後から来るんだよね。どれだけ嗅ぎ回ってストーキングしているのやら、恐ろしい。


 ユリア様のお手製クッキーなんて置いて行った時など、即座に飛んで来て、部屋に入った途端凄まじい眼光でクッキーが入った袋を凝視。流石にドン引き致しましたよ。

 御見舞いに来たんじゃないのかよ、と。


 ポーカーフェースは何処にやった?

 乙女ゲームでは結構強かさんだった筈では?

 まさか本性が粘着ストーカーとはね。

 デレると可愛いけども。


 そしてニキ様。

 病人というか入院してる私に、毎回決まって大輪の真っ赤な薔薇は勘弁して下さい。


 ユリア様が部屋に置いてあるのを発見して苦笑しつつ、「情熱的に愛されてるわね~」と言われちゃったじゃないの!


 恋人?いえいえ、告白もされて居ませんよ?

 まぁ察しているけども。

 今の所そう言う余裕が私には無いんだよ。

 主に実家のせいとロドリゲス家のせいで。


「そう言いながら薔薇、部屋を埋め尽くしそうになっておりますのに全て綺麗に飾り付けて居ますわね?」


 それは親切なジアス邸の執事さんとかメイドさんが、素敵に飾り付けててですね。


 ユリア様、そこで何故微笑ましいモノを見る様に微笑むのかな!

 …むむぅ、解せぬ。


「レナ様、お荷物纏まりましたか?お茶が入りました、宜しかったら休憩しませんか?」


 おっと、ジアス邸の執事さんが来てしまったか。

 ササッと荷物を詰め込んで、お暇しましょう。


 …この真っ赤な薔薇ほんっとどうしようかね。







 * * *








「お世話になりました!」


 ペコリとお辞儀をする。

 兄のディランとジーニアス合計三人でジアス邸の前に並んで居るメイドさんや執事さん、それに医者の卵さん達に世話になったお礼を言う。

 勿論ケイン様にも。

 因みにハリントン様、ジアス家のご当主はこの場には居ない。

 アレス様のお父様この国の宰相は隣国へ行っていたと分かり、ジーニアス兄さんの授与式の間も隣国に滞在しており、欠席していた。

 それでいいのか宰相職なのに。

 政治云々の事柄は私には分かり難いけど、パーティー会場で幾つか大人達が不穏な話をしていたのを聞いて居る。

 立場がかなり悪化して来ているらしいんだよね。


 もしかしてその噂の為に帰国出来ないのかな~とか考えてしまうけども、一応公では『我が国に来て頂いたアレクサ・ロー・ウィックロー様に怪我をさせてしまい、申し訳ない』という事と、隣国から沢山…刺客が送られて来ており、『困惑しているのですが、どう致しますか?』と言う困惑気味な言葉の中に確り嫌味も込め、報告と会議に行っているらしい。


 そのせいで『代理』と『魔法大臣』の双方を兼任させられているハリントン様は、当分の間城から帰れないらしい。

 日々目の下に巨大な隈を制作しているとか。


 そう言えば先程のパーティー会場でも一人幽鬼の様になっていたなぁ…。


 ご愁傷さまです。




 うーんしかしアレクサ様か。

 あの刺客の数と言い、後から分かったけど魔物寄せの香を持たされていたらしくそれが多少なりとも誘導されてしまい、王都へスタンピードを起こしたのではないだろうか?と囁かれていて王城でも肩身が狭くなっているらしい。

 隣国の王子とは言え異常だったしね、あの刺客の数は。

 それに今は平穏へ戻りつつあるけど、ケイン様曰く今でも時折刺客が送られて来ているのでは無いかと噂があるらしい。

 何だろね、隣国は国家転覆でもする気か?

 確かに王太子では無いけど曲がりなりにも第一王子、王位継承権持ちだろうに…。

 アレクサ様の次点である人が謀反でも企んでいるのかな?何にせよ、私は無関係。命が惜しいのだから関わらずに居よう。


 学園に入学して来るだろうけど、うん、無関係ですよっと。

 フラグは立たない様に!



 フォーカス様は入院中来なかったんだよね。

 オルブロン曰く、学園の彼方此方の門や壁が魔物達に壊されており、普及作業に日々勤しんでいて忙しく、「お見舞いに行けずすまない」と言付かって来たと、物凄くテンション高く微笑んでいた。

 …何でもオルブロン、時折フォーカス様の作業を手伝いに行っているのだとか。

 オルブロン、どうりで見舞い滅多に来なかったと思ったら恋に必死なのか。

 初恋らしいしね~年齢差がとても気に為るけど、オルブロンはオルブロンで頑張って居るのか。

 ふむふむ。

 迷惑掛けるなよ?



 薔薇は色々考えたが『ガルニエ邸』へと後程運んで貰う事になった。学園の寮の狭い部屋には入りきらないだろうし、誰かに見られても弁解出来ないからねぇ…











 * * *









「ふぉぉ…」


「でけえ」


「え!?コレマジで」


 我が新しい新居。と言うかおうち、アルセーヌ・ガルニエ邸の前で奇声を上げて固まる兄妹三人。

 そして馬車を貸し出してくれた都合で付いて来たケイン様。

 途中で合流して来たニキ様も同じく固まって居る。

 どうでも良いけどニキ様にはとても久し振りな人物であるグラシアさんが共に居て、パリッとした執事姿に嬉しかったりする。


「ケイン」


「これはやられたね~」


 あっはっはーと苦笑いをするケイン様に、呆れた顔付でいるニキ様。

 その視線は我が新居、お掃除が終わったらコッチで住みなさいとジーニアス兄さんに言われている所に釘付け。

 うん?何か問題があるの?


「ガルニエ家が途絶えたのは僕達が産まれる前だと聞いてるけど、この館の大きさは男爵家じゃ恐らく無かったんじゃないかな~?」


「最低でも子爵より上の家の大きさだな」


「「「えええーーー!?」」」


 驚き過ぎて貧乏田舎者兄妹三人思わず叫んじゃいましたよ。

 どうしてこんなトコ声を揃えてしまうのやら。


「しかもこれはやられてるな」


「だね」


 どういう事?と思って居ると、鍵を差して玄関を開けてくれたグラシアさんにお礼を言いつつ…


「凄い土足の跡!」


 泥だらけの足跡多数!


「王の話では掃除をさせたという事だけどね。早速仕掛けて来てるね」


 どうやら政治的云々、つまり兄であるジーニアス兄さんの爵位の件に嫉妬した一部の貴族の嫌がらせが始まって居るらしい。

 って、どんだけ暇なのよ。


 わざわざ靴を泥だらけにして念入りに足跡付けて置くなんて。

 呆れ半分感心半分でいて廊下を歩いて居たら、どうやら奴さん途中で飽きたのか泥が付いたバケツをぶちまけて行っている。


 どうみても掃除してないでしょうに。

 子供の泥遊びでもここまではしないよ?


「ニキ、ここやったの誰か知ってる?」


「あ~多分ネイハム家だったかな。確かロドリゲス家の関係者だ」


 うへ、ここでもロドリゲス家か。

 暇な一族だなぁ。


「あ~クワイド・ロドリゲスの妹が嫁いだ所だね。そうだよね、レスカ?」


 はい?

 レスカ…様?

 ケイン様の視線の先である背後を振り返ると、レスカ様が背後に数十人のメイドさんや使用人を引き連れて立って居た。


「やはりやられたか。ふむ、これだけ目撃者が居れば証言には良いな。よし、お前達後は任せた」


「「「「「はい!」」」」」



 そのままメイドさんや使用人さん達は、一斉に掃除道具を持って果敢にも泥だらけの床に突入。私達ジーニアス兄さんにディラン兄さん、私とケイン様にニキ様、それにユウナレスカ様はお暇させて貰う事にした。


 …私もお掃除部隊に交じりたかったのだけど、屈むとまだ背中が引き攣って痛むので申し訳ないけど辞退させて貰った。

本日はねぶた祭りの前夜祭デス。


…明日は本番。初日は参加しないのですが、何日か跳び跳ねに行きます!

ふぉぉおおっ(๑•̀ㅂ•́)و✧


こんなんでも面白いよ!更新続けてね!と思って頂けたら、ブックマーク及び評価をどうか宜しくお願い致します

m(__)m



領民A「のうB」

領民B「なんじゃA?」

領民A「彼処に領主の長男が居らんか?」

領民B「本当だ。立て看板?らしきものを立ててる」

領民A「川だからな…」

領民B「成る程。寄ってみるかの…」



領民AB「「この先での洗濯、並びに水浴びを禁ずる…」」



領主「何も立て看板を立てなくても」

長男「川上で親父が水浴びした川下で、領民が洗濯してたら可愛そうだろ」

領主「…確かに」



相変わらず本編以外ではマッタリ(*´-`)

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