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今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】  作者: 柚ノ木 碧(活動休止中)
3章  今日も学園はゴタゴタしていますが、何故か苗字が変わってしまってコッソリ鑑賞出来にくくなる様です。
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「は~…」


 只今私はとあるパーティー会場に居る。

 会場にある柔らかく座り心地がとても良いふわんふわんのソファーに座ると言うより柔らか過ぎて埋もれ、ドレスに皺が寄ると困ると仕方無く座り直し、ついつい溜息を吐く。


 ちなみに衣装は謁見の間と同じものだ。

 当然コルセットは天敵なので未だに苦しいのだが、強化魔法万歳状態。先程よりも更に上書きしておいたのでかなりマシになっている。



 謁見の間での後別室に通され、事の詳細を聞いた。


 あのスタンピードの時、私が魔物に切り付けられて気を失った後。準メリーことアメリー・メメントリー準男爵令嬢は私の出血を止める為に初めて発動した聖魔法を使い、出血を止め傷を癒した。


 ただ初めての事で彼女はあまり上手く出来ず、出来たのは何とか皮一枚塞いだと言う事だったらしい。それでもこの国では治療魔法を使える者は少数であり、尚且つ傷を癒す"聖魔法"を使えるのは聖者や聖女と言われ、余程の事が無い限り教会に所属する事になる。

 その為、現在準メリーは教会に所属しており、拙い腕前の為にこれから修行する事になるらしい。

 勿論学業の合間にだけど。


 …大丈夫かな?逃げ出したりしないと良いのだけど。

 因みに元問題児(…。)とのことで、先程の爵位授与とこのパーティーは教会側の指示で不参加となったらしい。

 それでも隣国とは言え王子を救ったと言うことで、彼女にも非公式だが何かしらの褒美が授与されるとか。

 その際にアレクサ様も直接会って御礼を言いたいとのことで、後程非公式に会うらしい。


 あの時、準メリーは「アレクサ様は死なせない!」って言ってたもんなぁ。あのキッパリと言い切った口調は、前世の記憶あると思うし、乙女ゲームの舞台ってのは理解してると思う。

 ただもう、ゲームとは色々違って来てるけど。


 そしてジーニアス兄さんの騎士団の後輩であるコリンさんは準男爵になった。

 何でも私が切り付けられた時、鬼と化したジーニアス兄さんの補佐としてこの二名で王都の内部に入って居た魔物を一掃してしまった、とか…。


 おやぁ?

 ウチの兄ってそんなに強かったっけ?

 確かに実家に居た時に本気になったジーニアス兄さんには誰も敵わなかったけど、剣技とかは普通じゃ無かったっけ?とか思って居たら、


「レナの実家ってこう言っちゃ難だが、かなりの田舎だろ?」


 うん、確かに。

 因みに喋ってるのはニキ様だ。

 手にはドリンクを持って居る。勿論私の分も持って来てくれた。

 意外とこう言った所が気が利くので助かってます。


「しかも魔物が跋扈しているんだ。それも高レベルの」


 え…


「それを普段ジーニアスは騎士団に入る為の訓練と称して実家に居た時、村の自警団や希望者で村の周りの魔物を一掃していたそうだぞ」


 エエエエエ!?

 聞いて無い、聞いて無いよ!

 そりゃ王都に逃げる時、ヤケニ手慣れた感じで魔物を一刀両断にしていたからオカシイなぁって思って居たけども。


 そうか、実家の周囲に居る魔物ヤバイ奴だったのか。

 そりゃぁ実家の領地に誰も寄り付かない筈だよねぇ。


 それに新しい名前。


 ジーニアス・アルセーヌ・ガルニエ。


 某怪盗を思わせる名前なんだけど、この名前は乙女ゲームの攻略対象者の名前だ。

 つまり、ジーニアス兄さんは攻略対象者。


 …。

 うん、そりゃ名前は似てるけど違うよな~って思って居たんだよ。

 幼い頃から見ていた兄だし、他の兄弟とは違って私達姉妹にも優しい人だし。

 あ、違った。

 次男のデュラン兄さんも優しかった。

 ただ少し気が弱かったらしく、父と無駄に気が強く強気な長男にどうしても勝てなかったけども。


 それにしてもジーニアス兄さん、面差しとかソックリだけど乙女ゲームではどちらかと言うと影があるキャラクター。何故かな~?と思って居たけど、その理由もはっきりした。


 私達、姉である次女のデュシー姉さんと私レッティーナの事が理由でジーニアス兄さんが傷心してて暗かったんだよっ!

 私達二人共、ゲシュウ・ロドリゲスの妾になってしまっていたモノね。

 最も乙女ゲームでは二人共名前が無かったけども。

 うん、モブですがナニカ?


 ほんっと、逃げられて良かった。

 デュシー姉さんの事は未だ見付かって居ない為、とても心配だけど。どうしてるのかな、ご飯食べてるかな、赤ちゃんは大丈夫なのかな…


 そして『アルセーヌ・ガルニエ』。

 この一族は全て死に絶えており、直接の親族は居ないと思われていた。

 だがレッティーナの母親の母親、つまり私達の御婆様が遠縁だとわかり、この度継ぐ事になった。


 勿論実家へ本来ならば知らせる筈だが、昔から再三王家からの打診にも関わらず、「遠いから」「お金が無いから」「魔物が強くて倒しにくいから」と言う理由で長い事スルーしている為、連絡が取れないならと今迄の罰も込めて王家の独断にて事後報告のみをすると宣言。

 そんなワケでこの度王都を救った、並びに隣国の王子を救った『英雄』という事でジーニアス兄さん並びに私、レッティーナを『アルセーヌ・ガルニエ』姓へと変更し、爵位を授与させる事となった。


 と言うかさ。

 親父…どんだけスルーしまくったのよ。

 この事柄をパーティーが始まる少し前、今回の報告と言う事で別室に通され、其処で会った魔法大臣であるハリトン様が報告する際、ものすご~~~く眉間に皺寄せていたんだけど。

 しかも非公式で別室に報告に来ていた国王様まで呆れた様に吐息を吐いて居たし。


 そのとばっちりがコッチにまで飛来していないのは、単に皆大人なのか。それとも子と親は無関係と言う扱いなのだろうか。

 多分後者な気がする。



 そんな訳で名前が変わっておまけに爵位を貰って男爵となり、兄はそのまま王家預かりとなっていた『ガルニエ』家のタウンハウスを受け取ることになった。

 これで兄は騎士団の寄宿舎から自分の家を持つ事になり、更に先程だが騎士団団長からの祝いとして馬車を一台貰う事になった。

 …後程大量にクッション制作して置こうと思う、うん。

 よく前世の小説などにあるセスペッション?だっけ?とか仕組みなど全く分からないから、事前に対処は必要だと思う。


 更に先程パーティー会場で会ったユウナレスカ様曰く、


「レナが『レッティーナ・アルセーヌ・ガルニエ』になったのは、血筋を絶さない為でもある。勿論誰とは言わないが、とある奴に無理矢理妾に召し抱えられられない様にと、王家からの牽制の意味もあるな」


 と言われた。

 ゲシュウ・ロドリゲスの事だなぁ~…

 あの好色ロリコン、まだ諦めて居ないのか。

 うう、憂鬱だわ。


「ふん。婚約者の親友を無理矢理妾になどさせん」


 ぶふっ

 キタヨ、このユリア様中心にしか考えて居ない人キタヨー!

 等と思って居たら、ユウナレスカ様の背後から何時の間に来たのかユリア様がひょっこりと顔を出し、


「レスカったら、本当はレナちゃんと友達になりたいのよ」


 っと、ウインク付きで…

 ふぉぉぉおお?

 マジですか!

 ってことはツンからデレですか?

 デレですね!

 御馳走様です!(何が?)


 何だか混乱してしまったけど、ユウナレスカ様が「ぐっ…」等と言って言葉に詰まり、ユリア様が「うふふ」と実に可愛らしく微笑まれたのでユウナレスカ様が素直に陥落。


 というより、最初から陥落してたっけこの人。

 ユリア様が微笑まれたら耳まで真っ赤だし。

 どんだけ好きなんですか、はい。

 ストーカーに為っちゃう程ですってね。


 取り敢えずデレ具合堪能出来たから満足。

 とか思って居たら、


「レナ、あ~…その、な」


「何ですか?」


「と、と、とも」


 おお、どもり?激しいなぁ。


「友達になってやる!」


 激しいデレキマシター!

 ヨッシャアッ!


「はい、宜しくお願いします」


 大声でユウナレスカ様が宣言してしまったから周囲のから注目を集めてしまったけど、これはこれ。ユリア様と二人、目を合わせた瞬間肩を震わせて笑ってしまったのはご愛敬。



 てか誰だ。

 あの令嬢はユウナレスカ様の側室候補かって言った奴。

 その顔覚えてやるっ









「何だか凄い状態だったけど」


「デュラン兄さん!」


 何と実家に居ると思って居たアレイ家の次男、デュラン兄さんがとても珍しい衣装…あ~これ知ってる、恐らく王城で借りた貴族子息用の服だ。よく見ると微妙だけど丈があって居ないんだよね。

 …いや、見慣れないだけかも?ううん、よく分からないや。


此方に(逃げて)来たの?」


 どう考えても実家から逃げて来たって感じなんだよねぇ。

 あの親父が長男カイデンのキープとしてカイデン程でも無いけど、私達姉妹よりも遥かに待遇良く接していたのに。


 畑の件はワスレナイヨ?

 幼少の頃より丹精込めた畑だからね。


 しかしデュラン兄さんが逃げて来たって事は、実家余程拙い状態なんだろうか。


 それとも…ロドリゲス家の件で実家にまで飛び火しているんだろうなぁ~。

 何せ親父が勝手に領地幾つか売ってしまっているし。

 貧乏だから他に売るモノが無かったってのは分かるけど、ユウナレスカ様曰くどうやら王家に許可もしくは申請をしていなかったらしいんだよね。他にも軽度だと、王家に呼ばれても返事も無い、とかね。


 王家スルーするってどんな神経なんだろう。

 幾ら危険だと言っても、積み重なり過ぎて不味いでしょうに。


「まぁそう言う事。っと、これ母さんからの手紙。後で読むといいよ」


 渡された際に小声で「母さんにこのままココにいては駄目と追い出されたよ。詳しくは知らされていないんだけど、親父と兄貴ヤバイんだろ?」と言われてしまった。


 その場では苦笑いしか出来ませんでしたよ、あはははは…

 他の人が聞き耳立てて居ないとも言えないしね。

 概ねその通りなのだけど。


 予想通りデュラン兄さんが父カルロスに内緒で王都まで出て来たと聞き、それならばとジーニアス兄さんがタウンハウスの清掃が終わって住めそうならそのまま居ればいいと許可を出す。

 無論働けと言う条件付きだけど。

 もし駄目なら、騎士団に頼めばジーニアスの家族と言う事で宿舎に数週間なら住むことが出来るらしい。勿論ジーニアス兄さんの部屋にだけど。


 私の学園の寮は残念ながら女子寮だし、何より狭いからね。

 実家の部屋よりは広いけど、背の高いデュラン兄さんには辛いと思う。


「正直それを聞いて助かったよ。王都って宿の値段が他と比べて高くてさ」


 だよねぇ~それ私も思ったよ。

 にしてもシドニー姉さんの所に身を寄せるってのは考えなかったのかな?


「それは止めとくべきだろ?妊娠しているって聞いたし、何より新婚じゃなかったか?」


 正確には新婚の三年間は過ぎているんだけど、私とジーニアス兄さんなんて思いっきり新婚さんな時にお世話になりに行ってしまいました。


 と言うか、デュラン兄さんに言われて今気が付いたよ!

 御免よシドニー姉さん。

 今度何かお詫びの品でも持って行こう。


「そうそうこれ、モーリー母さんからジーニアス宛て」


「…実家、予想以上に不味い事態か?」


「ああ、かなりね」


 …結構深刻らしい。


こんなんでも面白いよ!次も宜しく!と思って頂けたら、ブックマーク及び評価をどうか宜しくお願い致します

m(__)m




領民A「のうB」

領民B「なんじゃA?」

領民A「言わなくてもわかるじゃろ?」

領民B「わかる。だが…ん?川に椅子置いて無いか?」

領民A「快適な方面へと走ったか…」



領主「~♪」

長男「(流石にそろそろ止めるべきか…)」

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